■この記事のターゲット
・現在うつ病を乗り越えようと試行錯誤している人
・精神的ストレスが多いと感じ、体調不良を自覚し始めた人
・複数人のうつ休職体験談を聞いて、復活の足掛かりにしたい人
・家族、友人、知人がうつ病となり、何とか力になってあげたいと思っている人
このブログの主要ジャンルのひとつでもある「うつ病」関連ですが、僕の実体験だけをベースにして記事を書いています。
もちろん、同じように苦しんでいる人の参考になればとの思いでいますが、あくまで一個人の体験談から導き出した内容です。
今回は、さらに内容の強化を図るべく他の「うつ休職先輩たちの実体験」をヒアリングした結果をできる範囲で紹介したいと思います。
どちらかと言えばアンタッチャブルな部分を聞き出すことになりますが、個人的には「いつでも誰にでもメンタル疾患になりえる」と思っているので、どんどんオープンにしてタブーなものにしたくないという考えです。
今回、ある3名の実例をカンタンに紹介しますが、ヒアリングをしてみて共通して見えたことがあります。
それは、
根はマジメで頭の回転が速く、問題や課題の解決策をすぐに立案できるが、
人を使ったり、効率的に具現化するための行動力が比較的弱い人で、
リソースも少ない中で常にあちこちからの依頼納期に追われる状況に置かれていた
という条件が揃ったときに「うつ状態」または「うつ病」となり、会社を休職することになっているということです。
一言で言ってしまえば、「急激な環境の変化に早く順応できなかった」といったところでしょうか。
他にも思い当たる人がいませんか??
少なくとも僕は当てはまります(^^;
これを、うつ病を発症しやすい人のパターンのひとつであるとすれば、対応策が見えてくるはずです。
まずは、各うつ経験者の事例を見ていきましょう!
筆者自身の「うつ休職に至った理由」

僕自身は過去に医師から「うつ状態」と診断されました。
思い当たる原因としては過去記事でも触れていますが、「仕事の理想と現実のギャップ」を感じることの積み重ねであったと思っています。
様々な業務上の問題や課題に対して、やらなきゃいけないことは分かってる。
でも人を上手く使ったり、優先順位を付けて効率的にこなしていくことができない。
期待に応えられない罪悪感と自分の能力のなさへの怒り、周りのサポートへの不満などネガティブな感情で覆われてしまいました。
うつ休職の先輩方に経緯を聞いてみた

僕が会社を休職して以降、かつて「うつ休職」を経験された知人や同僚に自分の状態やホンネを包み隠さず、心を開いて相談しました。
その時に諸先輩方も、経験談を語ってくれたのです。
(休職期間の長短はありましたが、今は皆さん仕事に復帰されています)
ソフトウェアエンジニアのリーダーAさんの場合
Aさんは、有名大学を卒業している高学歴の持ち主です。
話は長い人ですが、頭脳明晰で物事を論理だてて考え、問題点や課題を浮かび上がらせ、どう対処していけばいいかをしっかりと言葉にできるタイプです。
その思考と技術力で、担当された分野ではとても信頼を集め、その組織のリーダーに上りつめた方のようです。
ですが、その方もおっしゃってましたが「あれこれ考えて対処の方法を具現化するのに時間がかかる」ということを自分でも認識しておられました。
それに加えて、人に効果的に仕事を割り振ったり、頼ったりできず、雑務も含めて一人で片づけようとしていたと。
会社環境的には、絶えず発生するトラブルを短時間で対処しないと生産やサービス継続に影響していまうという状況の中で毎日を過ごし、心身をすり減らしていったようです。
さらにポジションが上がったことで、社内の会議に出席する機会が増えて会議資料作りもしなければいけません。
責任感が強いため、多少手を抜くこともできず常にMAXに近い状態であったと。
リーダーになってからそんな状態が続いたとき、あるときから簡単な仕事にも集中できず、いつも以上の時間を要するようになっていったと言います。
そこからは、仕事が進まない⇒周りに影響が出る⇒自己嫌悪⇒家に帰っても仕事のことを考える⇒眠りが浅くなる⇒仕事に集中できないのループになり、会社に行くのが怖い精神状態になっていたとのこと。
その時Aさんは40歳前後の時だったそうです。
これ以上は無理だという状況にまで陥り、休職となったわけです。
ソフトウェアエンジニアBさんの場合
Bさんは、コンピュータのネットワーク構築と維持管理やサーバーの構築と維持管理をしているエンジニアでした。
社内でもその分野に特に精通したエンジニアだったようです。
勤めている会社が、ITに力を入れ始めた時期にさまざまな社内システムを立ち上げさせ、Bさんはシステム構築と管理に忙殺されました。
この手の業務は、会社の稼働が止まる時にネットワークやサーバーのメンテナンスをする必要があるため、休日や長期連休に出勤することはザラにあったようです。
管理者という立場ではなく、同僚に同等の技量をもった人材もいなかったため、基本一人でこなさなければなりません。
誰かに教えるより自分でやった方が速いと思っていたBさんは、新たな案件も含めて自分ひとりですべてをこなそうとしました。
無理がたたったのか、ある時から物忘れが激しくなり、新しいことを覚えていくことができなくなるというような自覚症状が出始め、睡眠障害も現れたようです。
医師を頼って、薬を飲みながら対応していたようですが、それで何とかなる状態ではありませんでした。
ほどなくして、このままでは会社や周りに迷惑をかけると感じ、休職に至ったというものです。
当時のBさんは、四十台後半でした。
製造オペレーターのリーダーCさんの場合
Cさんは、産業機器向け部品を製造するメーカーの製造オペレーターとして長年働いていました。
決められたことはキッチリこなさないと気が済まない方で、製造マンとは「こうあるべき」というような考えを持ち、同僚にも植え付けようと頑張っておられたようです。
ただ、優秀な人材が周りにいなかったのか、ご本人曰く「自分の指導方法が悪かった」のか、現場の運営は大変だったようです。
兄貴分的な性格のおかげかリーダーへの昇格となったのですが、その厳しい昇格試験への準備で疲弊し、リーダーに昇格してもなかなか思うようにいかない現状に自己嫌悪の日々だったそうです。
そのうえ上司からは「生産性カイゼン!コストダウン!」で課題を多数与えられ、報告用の資料も作れるような人材がいないため、一人で連日遅くまで対応するように・・・。
特に上層部へ見せるようなキレイなドキュメントを作成した経験が少なく、苦労されたようです。
そのころから体調の不調を感じていたようで、最終的には大きく気分が沈みこんでしまい、医師を頼ったところで休職へと進んだとのこと。
Cさん40代中盤のときのこと。
みんなどう乗り越えて復帰したのか?

みんなどう乗り越えて復帰したのか?
自分も含め、みなさん休職中にいろいろやってたみたいです。
・趣味のキャンプを平日の昼間っから楽しむ者
・数年ぶりに友人を訪ねてみた者
・大好きな登山に明け暮れた者
・図書館に通い詰めた者
・戸籍から自分のルーツをどこまでたどれるか、役場を転々と回った者
etc…
結果的にみなさん元の会社に復帰され、ボチボチのペースでやれているようです。
みなさんが休職⇒復帰にあたって気づいた・感じたことはおおよそ共通していました。
抜粋すると、
・オレがいなくなっても会社はそれなりに回ると思うと、肩の荷が下りた感じがした
・生活をルーチンで回すことも大事だが、たまにはリフレッシュのため非日常的な刺激が必
要
・人の目を気にせずに、自分の身体を大切にして割り切った仕事の仕方を心掛けなければ
・自分の得意分野や好きなことを活かした仕事に注力するアプローチを考よう
・自分の仕事とは関係ない依頼は毅然と断るべき
・睡眠時間と質は大切 ⇒これはみなさん特に感じたようです
・心の平穏を邪魔する固定観念や先入観を断捨離できた
(みんながやってるから○○しなければならない等)
そして最後に口をそろえて話すのは、
なるようにしかならんと腹をくくれた
これが一番大きいのかもしれませんね。
先のことやどうしようもないことで悩むくらいなら、ダメもとでぶつかってみる精神も大事なんでしょうね。
とくにマジメで責任感が強く、慎重な人は。
さいごに
実際自分が「うつ状態」になったから、今回紹介した方々の詳しい内容を聞くことができました。
もし「うつ」になってなかったら、そんな話聞けなかったでしょうし、聞いていたとしても正しく理解をすることはできなかったでしょう。
「うつ」のおかげで人間としての幅が広がったようにも思えますし、共通の苦難を乗り越えた仲間もできました。
もちろん「うつ」にならずに健康的に暮らしていけるのが一番だと思いますが、いつ・だれが同じような状況になるとも限りません。
特にアラフォー世代は、仕事に家庭に忙しい毎日を送る世代。
高ストレスにさらされる世代です。
予防と言う意味でも今回の記事がお役に立てることを望みます。
さいごに繰り返しますが、
根はマジメで頭の回転が速く、問題や課題の解決策をすぐに立案できるが、
人を使ったり、効率的に具現化するための行動力が比較的弱い人で、
リソースも少ない中で常にあちこちからの依頼納期に追われる状況に置かれている
という状況に当てはまる方は、自身の本当の気持ちと向き合ってみてください。
ストレス源から離れてみる(=長期休暇をとる)ということは、向き合う時間を作るための重要な要素であることは認識しておいてください。
おわり
コメント