当ブログでは、筆者のうつ休職経験談をひとつのカテゴリーとして発信しています。
その目的は、うつなどのメンタル疾患で悩み苦しんでいるご本人が、現状打破のために試行錯誤していく参考になればというものです。
うつはマジメで責任感が強い人に起こる確率が高いと言われています。
そんなマジメで責任感ある人が、周りや自分自身に絶望して楽しくないと思いながら人生を過ごしていくのはもったいないです。
うつになりそうな性格だと自覚している人、すでにうつと診断された人が活き活きと残りの人生を歩んでもらいたい!
自分自身が「うつ」を経験し、最悪の事態は免れた筆者の経験が少しでも助けになれるなら、喜んで対応したいと思っています。
こんな感じで発信を続けていると、たまに当ブログの問い合わせフォームから相談が寄せられることがあります。
メールレベルでは状況を詳細に知ることはできませんが、各問合せに対してできる限りのアドバイスというか個人の意見を述べさせてもらってきました。
そんな中、今回初めてご主人がうつになったという奥様から問い合わせをいただきました。
正直なところ、「うつ」の当事者でない方へどうコメントすべきか悩みました。
僕は、うつ状態で休職して復職した経験から「当事者」としては色々と語れますが、それを近くで見ていた妻の気持ちを深く知るという機会がなかったからです。
僕の休職中は夫婦で腹を割って話をしてきたつもりですが、妻が何を不安に思い、何を我慢し、どんな気持ちで僕に接していたのかホンネを直接は聞いてなかったな・・・と。
そこで今回の記事は、うつで休職されたご主人の奥様からの問い合わせをキッカケに、
僕の妻がどういう想いで「うつの夫」と向き合ってきたのかを聞いてみた!
という内容です。
もちろん我が家のケースの場合なので、一般的な話とは限らないことはご理解ください。
それでも、
誰かのケースに近いのであれば、夫は妻と、妻は夫とどう向き合うべきか自分なりの考えを導き出す参考になれるかもしれません。
心構えができているだけでもイザという時に対処ができる場合もあるので、頭の中にかる~く入れておいていただければ。
夫が休職を切り出す前に妻はどう感じていたのか
僕の仕事のストレスから思考や体調に異常を感じ、病院への相談や休職を意識し始めた時、妻は僕のことをどう感じていたのか?
妻に聞てみると、意外にも「そこまでの状態になっているとは思わなかった」そうです。
当時、我が家は小学校低学年の息子2人、妻はパートで夕方からは夕食や子供のおふろや宿題の確認など多忙な時期でした。
普段家に居ない夫のことに気持ちを向ける余裕は無かったというのが率直な気持ちとのこと。
そりゃそうだ。
僕としては、妻は僕の異変に気付いて何か気をつかってくれているだろうと思っていましたが、妻の立場で考えてみるとそんな余裕なんてないですよね・・・。
「それならそうと早めに言って欲しかったけど・・・」というのが妻のコメントでした。
「言って欲しかったけど・・・」の後に続いた言葉は、

早く話してくれたら状況は良くなっていたかというと、そうでもないと思う。
同じような経験をしたことがある人でない限り、
「で、あなたはどうしたいの?」
と問い返すしかないから・・・
おっしゃる通り。
言い方次第で関係が悪化する恐れはありますが、実際に自分の身体のことは自分にしかわかりません。
妻から「こうしたら?」と声をかけてもらうのを待つのではなく、
まずは夫の側から
「こうしたいと思う。正直今は先のこと考えれないけど、自分自身と家庭のために○○させて欲しい」
と伝えておくのがベターかなと思います。
もし、奥さん側が夫の異常に気付いた場合は、夫側からホンネを出してくれるような声掛けができるといいのかもしれません。
最近元気ないみたいだけど、何かあった?
聞くだけしかできないけど、話したらちょっとでも気が楽になると思うよ!
僕ならそう言ってもらえると安心するかなーと思います。
夫が休職を切り出した後の妻の気持ち
僕が休職を切り出した時、妻は冷静に聞いていました。
「自分の身体じゃないから、そこは父ちゃんに任せるしかない」と。
それでも、休職から2年経過した今だから言える当時の心境を聞いてみるとやはり、不満・不安はあったようです。

なんでこんな状態になるまで、何もしなかったんだろう?
とは思ったよ。
これも当たり前に感じることですよね・・・。
でも、僕は何もしなかったわけではなくて、何とかしようとし過ぎて手が回らなくなって自己嫌悪の悪循環。ただやり方が良くなかっただけ。
今思えば、この言葉をかけられなくてホントに良かった・・・(笑)
続いて誰もが心配するお金の話。

このまま仕事に復帰できなかったら、収入はどうしよう?
って、まあ考えるよね。
子どももいるし。
それでも、妻はその言葉も飲み込んでいました。
それを言うと、僕にプレッシャーをかけると思ったからだそうです。
身体さえ健康なら、お金のことはなんとかなる
まったく根拠はないけど何度も自分にそう言い聞かせて、夫の判断を尊重し、子どもに不安を与えないように平常運転を心がけようとしていたそうです。
その不安を取り除くには、夫が元気になってさらに成長した姿を見せることしかありません。
夫も妻も不安になるのは必然です。
その不安の先に明るい未来があることを信じて、遠回りと感じても自分が幸せになるために行動すれば、お互いが不安に感じる期間を短くできる可能性が高くなると思っています。
夫の休職中に家庭を支えていた妻のホンネ
妻曰く、一番しんどかったのは休職中序盤だったそうです。

家に帰れば暗い顔したおじさんがいつも寝っ転がってる
家事もしない、たまにやればポカミスする
子どもの世話もできない
父ちゃんがそういう状態とは分かってるけど、やっぱりちょっとした不満の積み重ねがすんごいストレスだった・・・
分かりますよ。オレも当時そんな夫が家にいたらイヤだろうなと思ってたし。。。
でも、普段当たり前のようにできたことができない状態だったんです!
分かってくれとは言わないが、そんなにオレが悪いのか?
と、夫側も悶々とした感じになってます・・・。
休職中の序盤は、夫婦にとっても正念場かもしれません。
僕も正直離婚したほうが良いのかなという考えもよぎりました。

今だから言えるけど、
やっぱ常に父ちゃんが家に居るっていう状況は、夫婦的には良くないんかなと思う
ちょっと悲しい気持ちもしますが、逆の立場では僕もそう思うだろうなと。
いつの時代から出てきた言葉か分かりませんが、
亭主元気で留守がいい
これは、人類の歴史上で培われた夫婦円満の秘訣なのかもしれません。
休職期間の中盤~後半は、僕も家族みんなに配慮する心の余裕が出てきたので、家族の一員としての役割をこなせるようになっていました。
その時から現在に至るまで、家庭の生活リズムを大きく変えずに過ごしていることについては、

この生活リズムを維持していけたらいいね!
という感じで、まあまあうまく均衡がとれているのかなと思います。
休職中は、夫は自分が復活するために考えた結果、外でいろいろやってみたいと意欲が出れば、遠慮せずに理由を話して出かけましょう。
奥さんは、許せる範囲で夫の行動を認めてあげると良いように思います。
最終的に「うつを乗り越えた」と確信できるのは、ご主人だけなのですから。
夫が復職した時の妻のホンネは?
僕自身、約2か月半の休職後の復職前後は不安でいっぱいでした。
妻も嬉しさはありながらも、やはり不安を感じていたようです。

思ったより早く復帰となったことは、お金の面ではチョット安心できたけど、
また同じように休職していまうんじゃないか
っていう不安はあったなぁ

でも、結局ワタシは
・話を聞いてあげること
・普段通り接すること
・食事のバランスを意識すること
くらいしかできないなぁと思ってた
それで十分ですよ。母ちゃん。
なんとかしようと自分を擦り減らしたとしても、うまくいくとは限らない。
最悪の事態は、母ちゃんまでストレスで健康に影響が出てしまうこと。
夫はそんなことを望んでいません。
できることを無理のない範囲でやる。自分のキャパを超えるようなことはオレの二の舞になってしまうだけ。
夫とはいえ、もとは赤の他人。
ある程度割り切って、自分の健康を優先してもらった方が夫婦共倒れにならなくて済みます。
さいごに
今回の記事のケースは、あくまで僕の家庭の場合です。
夫と妻の役割が逆の場合の家庭もあるでしょう。
しかし、それぞれの立場でやれることは結局同じことなのかなぁと思います。
自分の健康と幸せを優先し、助けてあげたい人には「できることを、無理のない範囲でやる」
しかし、夫と妻だけでは乗り越えれない場合もあるでしょう。
そんな時は、その道の専門家である医師やカウンセラー、過去にうつを乗り越えた経験のある人にはどんどん頼ってください。
彼らはプロとして対応することが仕事であり、また経験者であれば、より信頼性の高いアドバイスがもらる可能性が高いです。
なぜなら、「うつ」事案に多く関わってきた経験、もしくはうつ病の経験者でないと、うつ病の人の気持ちは理解できないからです。
僕は、医師やうつ休職経験のある先輩と会話をすることを続けました。
いわば、数少ない理解者です。
もし、うつ病のご主人を持った奥様が悩んでおられたら、是非経験豊かな理解者との接点を持てるような導きをしてあげてください。
そして、奥さん自身は自分の生活リズムを著しく損なうことが無いようにできる範囲のことをやる。
自分を第一考えるようにして、余裕があれば相手のことを考えてあげるくらいの意識合わせは夫婦間でできると理想的でしょう。
夫は、妻への感謝の気持ちは忘れてはいけませんよ!
おわり
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