■この記事のターゲット
・ビジネスでもチョコッと使えるコンパクトタブレットPCをお探しの方
・Microsoft 「Surface Go」と「Surface Pro」のどっちを買うか迷ってる方
・Surface Goってぶっちゃけ買いですか?と疑問に思ってる方
この記事では、Surface Proを所有している筆者が「Surface Go」について
・Surface GoとSurface Proの性能と構造を比較
・Surface Goに適したユーザー層を考察
しながら、
Surface Goは買いなのか?
ということを僕なりに結論付けてみたいと思います。
ちなみに、僕はパソコン製造業界について一般の方よりは知識がある方なので、内部構造も含めた考察をしていきます!
さて、早速ですが僕の個人的な結論としては
基本的にはSurface GoよりSurface Proでいいんじゃない?
です!
理由については後述しますが、Surface Goがピッタリ当てはまる使用環境、ユーザーというのは限られてくるかと。
■Surface Goはこんな人にピッタリ(かな?)
・Ipadや格安タブレットには魅力を感じない人
・なるべく安く、高級感のあるWindows OSタブレットが欲しい人
・高性能を求めないちょっと変わった小さなタブレットが欲しい人
・13インチクラスのタブレット、ノートパソコンではビジネス含めて外出先では大きすぎて使えない人
・Web閲覧とメール、ブログ作成などがメインの人
という感じで、まあ「Surface Goでないと活躍できない!」という決定的場面が思いつかないくらい微妙な立ち位置です。
よっぽどAppleがキライじゃなければ「iPad」を、Appleがキライで所有感も満たしたいなら「Surface Pro」を、性能も見た目も求めてなくて「とにかく安く!」という人には他社の格安タブレットをおすすめします。
Surface Goは一般消費者よりも教育向け(学校や塾の生徒用)とかには多少需要があるかもしれませんね。
というより、Surface Goは教育現場の生徒向け端末がメインのターゲットでしょう。
実際、日本国内でのMicrosoftの学校教育向けタブレットのシェアは20%強と結構強いです。
詳細は後で記載していますが、その割に外部インターフェースがショボかったり、防水モデル機能もなく、内部構造がSurface ProやSurface Laptopよりも製造工程での製造不具合に対する信頼性が低い設計となっています。
Surface Goは明らかに教育向けの大口商談向けの廉価版であり、それを一般ユーザー向けにSurfaceブランド分の価格をさらに上乗せして販売していることはほぼ間違いないでしょう。
個人的な推測ですが、一般消費者向けの価格は教育市場の販売価格の20~30%以上は上乗せしているんじゃないでしょうか?
SurfaceシリーズのファンとしてはSurface Goを酷評するつもりはないですが、僕が感じたそのままを述べていきたいと思います。
Surface GoとSurface Proの主な仕様比較
下の写真のように外観上はSurface Proより一回り小さく、厚みはほぼ一緒。
Surface Proが少しエッジが立ったデザインであるのに対して、Surface Goは少し丸みのあるデザインになっています。
これは教育現場で生徒の持ちやすさ=落としにくいを狙ったものでしょう。

下:Surface Pro
IFIXITより引用
下図にSurface GoとSurface Pro7の主な仕様比較を示します。

Surface Pro7と比較すること自体がナンセンスだとは思いますが、Surface Goだからこその特徴を言えと言われれば
・価格が安いこと
・サイズが小さい事
・LTEモデルを安く入手できる
のみです・・・。
あとのCPU性能、グラフィック性能、メモリやデータ保存容量などはどれをとってもSurface Pro7に劣ります。
Youtube視聴やちょっとしたドキュメント作成(Excel,Word)程度の使用条件であれば苦にならないと思いますが、イラスト作成ソフト(Adobe Photo ShopやClip Studio Paint)や動画編集には物足らないスペックです。
ちなみにデータ保存容量64GB時の「eMMC」はSSDより通信速度が遅いですし、Windows 10のアップデートを繰り返していくうちにすぐに容量を使い切ってしまう可能性が高く、大量の写真や動画などはすぐに外付けのHDDなどに移さなければいけなくなってくるでしょう。
外部接続端子もUSB Type-C×1のみなので、Surface Go単体でビジネス用途では外付けHUBが必要になってくるかと。
なおSurface Proの代名詞ともいえる無段階キックスタンドはSurface Goでも健在なので、これも購入検討の要素には加わります。
そして、Surface Pro7には無いLTEモデル(SIMカード挿して携帯ネットワークで通信可能)が存在しているので、格安SIMを挿入していつでもどこでもネットワーク接続したい人にはおすすめできます。
※その後2020年1月に発売されたSurface Pro XもLTEモデルなので、Surface Goのメリットも薄れています。
スマホからテザリングでいいんじゃない?となれば、一気にトーンダウンしちゃいますが・・・。

右:スタジオモード
注)タイプカバー、ペンは別売り
Surfaceシリーズというブランドバリューと見た目、比較的低スペック、価格、想定使用環境のバランスの中でSurface Goを購入するに値する価値を見いだせれば当然問題はないです。
ビジネスでもちょっとしたイラスト作成でも使えるレベルを求めれば、Surface ProのCore i5/メモリ8GB/SSD128GBであればストレスなく、長く使っていけるでしょう。
(13万円しますが・・・)
Surface Goの分解画像から内部構造を考察

IFIXITより引用
さて、今回もいつも内部構造確認でお世話になっているIFIXITさんによるSurface Go分解レポートを参考に、内部構造を見ていきます。
過去記事でSurface Pro6とSurface Laptop 3の内部構造を見てきましたが、Surface Goも基本的には同じような構造となっています。
しかし、
細かいですが大きな違いが2点見受けられました。
■違いその1:固定ネジがトルクスネジではなく、全て+ネジ

IFIXITより引用
Surface Pro、Surface Laptopでは、ネジ締め箇所のすべてが「トルクスネジ」で締められています。
トルクスネジは、十ネジや-ネジよりもネジ締めの力が伝わりやすく締結力が高いと言われています。

(*の字の頭)
Surface Goではネジ締め箇所は「+ネジ」になっています。
もちろん「+ネジ」だから信頼性が著しく低下してしまうというわけではありませんが、その他のSurfaceシリーズから変えてきたということは、明確なコストダウンの意図が読み取れます。
■違いその2:ケーブル接続方式が異なる

IFIXITより引用
これも大きな違いですが、Surface ProやSurface Laptopでは内部ケーブル接続のほとんどはクリップオンタイプと呼ばれる「コネクタに垂直に押し込むタイプ」です。
これに対してSurface Goはスライド挿入タイプで、製造工程での組立時にケーブルをコネクタに水平に挿入し、コネクタのフラップを手でロックしないといけません。

スライド挿入タイプは、コネクタやケーブルの部品コストを抑えられますが
・ケーブルがコネクタの奥までしっかり入ったか分かりにくい
・コネクタの「フラップロック忘れ」や「半ロック」で接触不良が生じる可能性がある
という製造泣かせのデメリットがあります。
下の写真のように、コネクタの白い部分にマジックのマーキングのようなものがありますが、おそらくロックを間違いなく実施したかどうかの目視チェックをした印です。
ここは製造側もリスクと感じてチェックを行っているのでしょう。

部品コストを抑制してはいますが、製造不良のリスクは高まっていることが読み取れます。
もちろん全数出荷検査をしているので、接触異常があれば検出できますが、中途半端な接触状態のものがあれば検査をすり抜けてしまい、使用中のストレスなどで接触異常になるケースもありえます。
コストダウンのためではありますが、個人的にはこの部分が大きなマイナスポイントに見えてしまいます。
安い物には安いなりの理由があるってことですね。
まとめ
ということで、Surface Goについてまとめます。
・Ipadや格安タブレットには魅力を感じない人
・なるべく安く、高級感のあるWindows OSタブレットが欲しい人
・高性能を求めないちょっと変わった小さなタブレットが欲しい人
・13インチクラスのタブレット、ノートパソコンではビジネス含めて外出先では大きすぎて使えない人
・外出先でのWeb閲覧とメール、ブログ作成などがメインでLTEモデルが必須の人
性能の割に価格が高めで中途半端な印象。
内部構造は他のSurfaceシリーズに比べてコストダウンの痕跡が見受けられるとともに、製造不良リスクが増加している。
よっぽどAppleがキライじゃなければ「iPad」を、Appleがキライで所有感も満たしたいなら「Surface Pro」を、性能も見た目も求めてなくて「とにかく安く!」という人には他社の格安タブレットがおすすめ。
くどいようですが、僕はSurfaceシリーズが好きなのでSurface Goを否定するつもりはありません。
Surface Goは、Surfaceシリーズを比較的安価に手に入れてもらってSurfaceファンを拡大していくためのエントリー機としての役割も持っていると思われます。
自分の利用条件とスペック・価格がマッチすれば問題なく使えるものではあります。
Surfaceシリーズは比較的しっかりした意図を持って設計されていることは評価に値します。
みなさんが僕同様Surfaceシリーズのファンになれるよう、今後の機種も厳しく事実をレポートしていきたいと思います。
おわり
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