【AIとかIoTとか投資できまへん】マンパワーに頼った工場のヒューマンエラー対策 その1

最新テクノロジーに投資できる企業ばかりと違う 仕事Tips
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■この記事のターゲット

・工業製品の製造工場で工程内と市場での不良を減らしたい管理者

・人に頼った加工、組立や検査がメインの製造工場の管理者



世界の先端を行く製造工場は、最新テクノロジーにバンバン投資して効率化と品質バラツキ低減を図っています。

AIによる画像検査装置

人の代わりに作業をするロボット

すべてのIoT設備がネットワークにつながりAIが異常を監視


一方、そこまでの投資ができない中小企業含む製造工場は、まだまだ人間のチカラ(マンパワー)に頼らざるをえません。

特に少量多品種の製品を製造する工場では、共通性の高い製品でない限り大がかりな自動化設備を導入することは躊躇するでしょう。

現実を見ると、人間の器用さと対応力(フレキシビリティ)という比較的簡単に手に入るリソースは、当面の間は世の中の工場から完全に消えてしまうことは無いと考えます。

しかし、マンパワーに頼った工場では人間が故のミスや能力の限界による不良の発生がつきものです。

見逃し(集中力の限界)

うっかりミス(ポカミス)

ルールを守らない(怠慢)

人が代わる(習熟不足)

などなど・・・。


この記事では、マンパワーに頼った製造工場のヒューマンエラーあるあるを紹介するとともに、大きな投資をすることなく不具合品の発生・流出を低減させる方法を検討してみたいと思います。

職業柄色々な工場を見て回り、改善させた経験やその工場が主体的に行っていた方法も交えています。

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製造工場での「見逃し」あるある

目視検査などは代表的な工程

「見逃す」というヒューマンエラーが発生するのは、人の目に頼った工程になります。

例えば、

・製品の出来栄えの外観目視検査(キズや汚れなど)

・なんらかの測定値を目視で確認して合否判断する作業

などがあります。

さて、

「見逃す」というのはどういうことでしょうか?



見てるのに逃す


「目は見るべき範囲を見ている」のに、「正しい合否判定をしていない」ということです。

その原因としては、


・目は向いているが、疲れや心配事の影響で他の事に意識が集中していた

・ずっと同じものばかりを見ていると次の物もOKだろうと思い込んで雑に見ていた

・二人がかりで目視検査をするダブルチェックで、どちらかがちゃんと見てるから自分は雑でもいいやと手を抜く


など人間らしい原因がでてきますね・・。


しかし!

作業者さんのせいにしてはいけません!

作業者さんのせいにしてると、やる気をなくして最悪「離職」しちゃいますよ!

悪いのはそういうミスをしてしまう人間に頼ったプロセスを構築した設計者と、それを良しとした幹部の問題です。

それでも、

誰かのせいにしたところで何にもなりません

人間というものをよく理解して、知恵と工夫で少しでも品質を上げる方向にそのチカラを向けましょう。

人間の見逃しによる不良の流出を低減させる例

■検査する製品と製品の間に程よい時間間隔をあける
絶え間なく製品が流れてきて、目視検査し終わったらすぐ次のモノを見るというのは、精神的にも体力的にもかなりハードです。

特にベルトコンベアで流す製品だと、遅れが生じると焦りや挽回のために無意識に通常より速くチェックしようとしてしまいます。

当然、見逃しのリスクは増加します。

検査時間は、多くの検査サイクル時間を測定しバラツキを考慮した多少猶予のある時間に設定するといいでしょう。

もちろん、「生産性が~」という人は出てきますが、品質第一と遮ってやらせましょう。

実際の検査時間は速すぎてもダメですし、遅すぎてもダメです。常に一定の時間で確認させ、待ち時間を作るくらいでちょうどいいです。

そうでないと、時間を速くしたり遅くするための根拠データとなりにくいからです。

品質が安定すれば製品を流す時間を速めていって様子を見ると良いでしょう。

■不良品を見つけたら報奨金○○円/件(前の工程に行くほど単価高い)

完全にモチベーション維持のためですね。

不良の流出や後工程での発見によるロスコスト増加よりも前段階で発見できると考えれば、少々の報奨金を与えるシステムにするのもアリです。

その代わり検査の前の工程が不具合を出さなければ、不具合を出さなかった工程に対しても報奨金をだすようにしないと不正に不良を検出しようとする輩が出てくるので注意!

■ダブルチェックは見る範囲を明確に分けて一人に責任を持たせる

ひとつの製品を、一人がチェックし、その後の工程でもう一人がチェックする「ダブルチェック」では前述したように手抜きが起こり得ます。

それを防ぐためには、例えば一つの製品の片面をAさん、もう一方の片面をBさんというように見る範囲を限定して作業者さんに責任をもってチェックしてもらうといいです。

そうすると流出があった時に、どっちの面で不良があったか分かればフィードバックすべき人がハッキリします。(あくまで作業者さんは悪くない体でフィードバック)

■限度サンプルはなるべく多く用意し、いつでも見れるように近くにストックしておく(混入はしないように)

外観不具合かどうか微妙な判定は、責任者に確認するというルールがある工場も多いと思いますが、慣れてくると責任者を呼ぶのがめんどくさくなって自分で判断してしまいます。

もちろんそうしないよう教育も必要ですが、そういう時のために限度サンプルを近くに用意して、現物と「比較をさせる」ようにして検出精度をあげるようにしましょう。

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うっかりミス(ポカミス)あるある

頭を抱えるような事態に・・・

うっかりミスはいたる所で発生していることでしょう。

世間を騒がすような大きなトラブルも一人のうっかりミスが引き金となることもあります。


自分でもなぜかわからないけど忘れることってあるじゃないですか?

あぁ、毎日会ってるのにあの人の名前が出てこない・・・

とか。

それと同様に、いつもやってる作業で

シール貼るの忘れた

ネジ1本締め忘れた

ピンを入れ忘れた

なんてこともあるでしょう。

特に、何かを急かされた状況や通常のルーチンではないイレギュラー作業中では「うっかりミス」は起こりやすいです。

脳の専門的なことはわかりませんが、脳の記憶部分と指令部分との信号のやり取りが内部、または外部のノイズによって瞬間的に異常となり記憶からの情報を引き出せないからではないでしょうか?

人間のうっかりミスによる不良の発生・流出を低減させる例

■作業者に話しかけない、作業者同士の私語厳禁のルール徹底

何か作業をしている最中に話しかけられると、作業再開したときに「あれ?どこまでやってたっけ?」となることも多々あるかと思います。

その時に手順の始めからチェックすればいいですが、ちゃんとやってるという思い込みで手順を飛ばすことは非常によくあるケースです。

作業者との会話は責任者を通してのみとし、作業者同士の作業中の私語は警告にあたることを導入教育でしっかり刷り込ませておく必要があります。

「私語もしたいでしょうが、上述のような目的があるんだよ」ということを分からせないと教育の効果も薄いので、目的もきちんと説明しましょう。

■部品付け忘れ、加工漏れの発生・流出対策

・必要な部品のみを供給するようにして、忘れたら次の組み立てで余ってることに気付ける

・部品の棚卸を毎日行い、欠品や過剰のチェックで気づけるようにする

・別の作業工程で、前の工程の作業結果をチェックする標準作業を入れ込む

・ある部品を付けないと以降の工程で組み立てができないような製品設計にする

などがあります。

ちょっとお金をかけるなら、例えば

目の前の部材保管場所にランプを設置し、部品をとるときにボタンを押してランプを消していく

すべての作業が終わったときに完了ボタンを押させる

組み立てる部品のランプがすべて消えないとエラーで完了ボタンを押したときにアラームが鳴る

という仕組みを構築しても良いでしょう。

完了ボタンを押すまでの時間が長い、または異様に短い場合は、何らかの異常があったとモニタリングできるようにしておくと、さらに良いです。

製品にシリアルナンバーのバーコードを付与できるなら、完了ボタンの代わりにそれを読ませることで工程の進み具合も分かるでしょう。

工程飛ばしや、ムリ・ムラのある作業があったことを間接的に視覚化できます。

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さいごに

これまで述べた対策例は、作業者さんを「性善説」で考えた場合にはある程度機能するでしょう。

「性悪説」で考えた場合には、信頼できる現場リーダーを置き、少なくとも異常がそのリーダーに視覚的にわかるような仕組みを構築してあげることが大切です。

また、性悪説に基づいて工程を見た場合には、作業者さんがルールを守らないことを前提に工程を設計する必要があります。

しかし、投資にも限界があります。

そんなときはFMEAなどを活用してリスク工程を可視化し、リスクの高い工程に対して効率的に発生対策または流出対策の投資を行いましょう



間接部門、現場作業者一丸となって良い品質の製品を送り出そうという文化をつくることは、マネージメント層の言動によるところが大きいと考えます。

先頭切って、周りを引っ張っていきましょう!

次回、記事を書くときは下記についての事例に触れてみたいと思います。

■ルールを守らない(怠慢)あるある

■人が代わる(習熟不足)あるある

おわり

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