見えない方がいいことも・・・なんでもかんでも可視化、見える化するリスクについて

見えない方がいいこともある?可視化と見える化のリスクを知ろう

■この記事のターゲット

・社内のデータを片っ端からリアルタイムで見える化、可視化したい
・暗黙知をデータ化し、管理パラメーターに加えたい

普段の生活、企業での経済活動において、今やVisualization=「見える化」、「可視化」は良いものと考えられているんじゃないでしょうか?

今後もこの風潮は続くでしょう。

今まで見えなかった、見えにくかった現象や傾向が、誰でも欲しい時に視覚的に知ることができる・・・。

知的好奇心旺盛な人間の性と言ってもいいかもしれませんね。

ちなみに「見える化」と「可視化」は、それぞれ日本語的には意味が違ってくるらしいのですが、現場では厳密な区別をして使われているわけではないのでどっちでもいいと思います。
(英語ではどちらも”Visualization”)

可視化:見たいときにだけ見るもの

見える化:見たいときだけでなく、否応なく情報が目に入るもの

「見える化」や「可視化」(本記事では、これ以降は「可視化」に統一します)は、しっかり活用し適切な判断ができれば、働く人の健康増進、企業の売り上げアップ、生産性向上などに大きく寄与できるのは間違いないです。

しかし!

可視化によってみんながハッピーになる・・・というわけでもないのです。

どんなモノやコトにもメリット・デメリットがある、光があれば影があるのです。

今回の記事では、可視化がもたらすリスクについて述べてみたいと思います。

過去記事でも少し触れていますが、今回は違った観点でのリスクを紹介しようかと。

今後も可視化が拡大する流れは確定的ですが、ここで述べるデメリットを理解したうえで可視化の対応を進めるとハッピーになる確率が上がると思いますよ!

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現代社会は今後も見える化、可視化が進む

冒頭で述べたように、今後は今までに見えなかった、見えにくかったモノやコトのリアルタイムでの可視化が進むでしょう。

・人間のストレス度合いや疲労状態含む健康状態

・年代、性別などで層別された集団の行動傾向

・製造作業者の1作業ごとの時間、何もしていない時間

・従業員のスキルレベル

・設備の摩耗状況

これ以外にも僕も思いつかないようなコトやモノが数値や図表に変換されて、様々な切り口で分析できるようになっていってる状況です。

これらの情報を掴むことで、現状を具体的に認知することができ、その認知に基づいて判断、行動が起こしやすくなるというのが可視化の最大のメリット。

過去と現在の情報から予防や予測ができ、多くの不要な損失を防ぐことが期待できるでしょう。

僕もその点について何の異論もありません。

ポジティブな結果を生む可視化は大歓迎です。

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見える化、可視化をすればハッピーエンドなのか?

ここでは、この記事の本題である可視化のリスクについて述べたいと思います。

前述したように、現状を客観的に具体的に正確に「認知」できることは、次のステップの「判断」の精度に多く貢献します。

健康的で効率的な生活を送るには必須のように聞こえますよね。

でもどんなモノやコトにもメリットとデメリットがあるのはみなさんご存知の通り。

どんな可視化にデメリット、またはリスクがあるでしょうか・・・?

一番に思い浮かぶのは「導入コスト」ではないでしょうか。

例えば、
人体の情報を得るためのウェアラブル端末、行動情報を得るための各種センサーやカメラ、それらを集計してVisualizeするためのコンピューターやモニターなど・・・。
(デジタルデータに限った話ではないです)

もちろん導入コストは場合によってデメリットになり得ます。

しかし、ここで言いたいのは「導入コスト」の話ではありません

ここで言いたいことは、

見えなかったものが見えるようになることで、管理項目が増えたり、人間の余裕を奪ってしまう


というリスクを抱えることです。

分かりにくいですかね・・・?

前項で可視化の事例に挙げた「製造作業者の1作業ごとの時間や何もしていない時間」を例にしてみます。

作業者の一挙手一投足が、センサーやカメラなどで監視され、すべての動作の所要時間が可視化されたとしましょう。

生産性向上の向けては非常に興味深いデータになると思います。

しかし、作業者さんにとっては見せたくないものまで見えるようになってしまうのです。

自分の中で確保していた作業中の小休止の時間、作業中断してトイレに行った回数などが見えるようになります。

これをムダと捉えられてしまい、どんどん時間が削られる。
そして、プライベートをな部分を覗かれているというストレスを生むことにつながりかねません。

可視化が働く人の余裕を奪うような方向にエスカレートしていくと、人が定着しなくなるというリスクがあることを知っておく必要があります。

もう一つ例を挙げましょう。

ある製品の製造において、長年の経験や暗黙の了解のうえで「社内のルールを守っていない」ことで今の生産性と品質が保たれていたとしましょう。

可視化のおかげで、その社内のルールを守っていなかったことがデータとして社内で公になったとしましょう。

そうなると、ルールを守らなかったことが問題視されると思います。

ルールを変える方法や、あまり意識しなくてもルールを守れる方法を模索するならいいですが、もし何も変えずに「ルールを守らせるための管理」を強化する方向にエスカレートしたらどうなるでしょうか?

生産性、または品質が下がることが予想されます。
さらに管理のためのコスト(人、モノ、カネ、時間)が新たに発生します。

可視化によって今まで問題や課題にならなかったことが見るようになると、手を付けなきゃいけない気持ちになるのは理解できます。

さらに可視化に導入コストをかけてるわけですから、見えたことに対してなんとか成果を出そうとするバイアスもかかるでしょう。

それが、みんなにとって幸せなのかというとケースバイケースです。

今までの習慣が良くなかったから是正していこう!と組織全体で思えるなら問題ありません。


変な例えかもしれませんが、こういう時は引きこもりの人を思い浮かべてしまいます。

本人が社会に絶望して自分の意思で引きこもり、家族もそれでいいと思っているのに、周りの外野が良かれと思って無理やり外に連れ出して、それがキッカケで家庭が崩壊する・・・

「可視化が誰かにとってバッドエンドになるようなことは、嫌だな…」と僕は思うのです。

儲けるために、そんな生ぬるいことは言ってられん!というのも分かります。

ただ、可視化を進める際には

・何も考えずに可視化をしても、必ずみんながハッピーになれるというわけではない

・みんながハッピーになれるようにするためには、気遣いと丁寧な説明(目的や効果など)が必要

ということを理解しておくと、可視化による効果が「より効果的」になると信じています。

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全てが見えるようになったら幸せになれるのか?

可視化のデメリット 見ざる言わざる聞かざる

今回の内容は、「見ざる」「言わざる」「聞かざる」でいうところの「見ざる」についてでした。

知らなきゃよかったことを知ってしまうと、心労がかさむ場合があることをみなさんもよくご存じでしょう。

組織に属する多くの人が、「見えるようになって良かった」、「見えた事実を客観的に分析して、現実的な改善をやろう!」という気持ちで可視化を歓迎するのであれば、可視化は大きな効果を生むでしょう。

他方、キチンとした説明もなく一方的に可視化を進めた場合、パンドラの箱を開けてしまうような事態になることもある。

可視化を導入する方は、想定される効果だけでなく、見られる側、見る側がどういう反応をするかも想定しておくことをオススメします。

本当に見るべきもの、見たいものを精査して、
ムダな投資、誰かがアンハッピーになる投資にならないようにしたいですね!

おわり

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