派遣社員さんを入れてる会社に勤めてると、わりと派遣社員さんからこんなことを聞くことがあります。
あんな正社員よりオレの方が仕事できるのに、なんでこんなに給料の差があるんだよ!
正社員は楽でいいよね!
キツイ仕事は派遣社員に全て押し付けて!
こう言う人の立場になって考えると、その気持ちも十分理解できます。
しかし、ちょっと待ってください。
そんな不満を抱え、愚痴をこぼしながらその職場で働くことを誰かのせいにして溜飲を下げることは、精神性衛生上よくないですよね?
辛口ですが、昨今、派遣社員と正社員との待遇格差、雇用期間の不安定さはある程度知られている事実です。
これは「差別」ではなく「区別」です。
それを承知で派遣社員として働いているのであれば、冒頭のような後ろ向きの考えをするよりも、不満と感じる状況を打開することにフォーカスすることが建設的です。
そもそも今の状況に甘んじているのは自分自身にも少なからず責任があることを、派遣社員自身も感じているはず。
正社員として企業を転々としながら約20年働いている僕が言いたいことは、
今いる環境も利用しながら自分のスキルアップに集中し、転職などでキャリアアップをしましょう!
ということです。
正社員と言っても昔ほど安定しているかと言えばそうでもありません。
これからの時代は成果を出せない会社、正社員は市場原理で倒産・リストラとなることは必然です。
この記事が、不平不満から気持ちを切り替えて、今よりも心豊かな暮らしへ向けて動き出す派遣社員さんの参考になれば嬉しい限りです。
派遣社員として不満を抱く自分自身と向き合う
例えば、あなたに以下のようなコンプレックスがあるとしたら、それを他人のせいにしても仕方がありません。
コンプレックス1:学歴が低い
「学歴が高い人=人間の価値が高い」とは全く思いませんが、企業はより良い人材を確保するために学歴を重視する傾向となることは理解できます。
あなたは正社員として会社に就職するために、愚痴の対象の正社員の人よりも学生時代に十分努力を重ねてきましたか?
その正社員の方は、あなたが遊んでいた時期にしっかり勉強や自己研鑽を積んだから今のポジションにいるのかもしれません。
家にお金がなかったから進学をあきらめた方もいると思いますが、奨学金や自分でバイトして学費をねん出している人もいます。
自分の将来を自分で切り開くことはできます。
学問ができればいいってもんではないです。行動力と仕事の仕方さえ学べば今からでも挽回可能です!
コンプレックス2:これといってアピールするポイントがない
人間だれしも他の人には無い特徴や能力を持っています。
ただ、それが早く自覚できるか遅く自覚できるか、もしくは一生自覚できないかもしれません。
何ができて何ができないのか、何が好きなのか苦手なのか自分と向き合って考えてきましたか?
向き合う時間が多いほど、そして少しでも行動に移してみることで自分の特徴が見えてきます。
過去の自分はどうだったのか、部活や集団の中でどういう存在であったかという観点からも糸口が見えてくるはずです。
コンプレックス3:会話などの対人コミュニケーション能力が低い
これが自覚できているなら、ある程度自分を分かっている証拠です。
対人コミュニケーション能力が低くても働ける職業はあります。
それを探して、就職活動をするという行動を起こせばいいんです。
警備員、工場のライン作業者、Webライターなどなど・・・
もちろんコミュケーションを全くとらずに済むわけではないと思いますが、比較的何とかなる職業で働いていくうちに最低限のコミュニケーション能力は付いてきます。
え?好きな仕事じゃないからやだ?
好きな仕事があるのなら、そういう仕事ができるような行動をとればいいです。
コンプレックス4:産まれた時代、政治が悪い
原因を「漠然としたもの」に決めつけてしまうのは思考停止状態です。
マスコミもそういう風に不安を煽ってしまうのも良くないと思っています。
そんな時代に産まれた全員が不幸であるわけがありません
江戸時代は江戸時代なりに、明治時代は明治時代なりに、昭和は昭和なりに社会的な困難は多々ありました。
大丈夫です!それが分かっているあなたは今の時代でも粘り強くやっていけますよ!
正社員の立場から見た派遣社員のメリット・デメリット
ここでは、正社員の立場から見た派遣社員のメリット・デメリットを挙げていきます。
派遣社員の方がどのように見られているかというものの一部ではありますが、参考にしてもらえれば。
派遣社員のメリット
- 仕事上の大きな責任を負うことが少ない
派遣社員という性質上、すべての業務指示と責任は派遣依頼元になります。責任の重いの大きなプレッシャーからは守られるでしょう。
よって、「派遣ですから!」と割り切ってやることだけやって規則正しい労働時間を確保することも可能です。 - イヤになったら派遣先を変えてもらえる
正社員だと、そう簡単に会社を変えれる人ばかりではありません。
人間関係が最悪な会社などであれば、派遣社員であれば派遣会社に掛け合って別の派遣先を紹介してもらうことで離脱可能です。 - 色んな会社でビジネスモデルや仕事のスキルを身に付けることができる
実際の業務は単純作業の場合もあるかもしれませんが、正社員と同じ職場環境に身を置いていると、ちゃんと意識していれば色んな情報を入手することができますし、スキルを盗むこともできます。
これらは、上記1.の責任が少ないからこそのメリットだと思います。割り切ってスキルアップのみにフォーカス!
なお、株式会社Biz Hitsによる「派遣社員経験者500名に聞いたメリット・デメリットのアンケート」によると、「1位:希望に合わせて働ける」、「2位:辞めやすい」、「3位:責任が軽い」の順になっています。
責任が重くなりすぎず、自由に働けるという点において、派遣社員のメリットを感じる人が多いようですね。
派遣社員のデメリット
これは当然メリットとは反対のことが主になります。
- 給与が低い、福利厚生が手厚くない
正社員に対してこうなることは明白です。人件費を抑えるために派遣社員を雇っているわけですから。
ここを割り切れない人は、不平不満のストレスを溜めてしまうことになるでしょう。 - 大きな仕事を任せてもらえない
そうでない職場もあるとは思いますが、一般的には派遣社員に大きな仕事を任せるようなことは少ないでしょう。
大きな仕事をやりたいのなら、経験とスキルを積んでキャリアップしかないです! - 雇用期間が不安定
昨今は、正社員ですら終身雇用の崩壊が始まると言われていますが、派遣社員になるとなおさらです。突如の更新無しもこれから出てくるかもしれません。
これは派遣社員であればある程度仕方のないことになりますが、正社員よりスキルがあれば安く長く使える人材として残され、正社員登用もあり得ることです。
ちなみに正社員のメリット・デメリットは派遣社員のメリット・デメリットが逆転する感じですね。
しかし冒頭でも述べたように、正社員だからと言って安泰である時代は過去のものになっていくと思われます。
正社員もスキルを磨いて自分の価値を高める努力を行う必要があることは言うまでもありません。
なお、前述の株式会社Biz Hitsのアンケートにはデメリットについても回答が公開されています。
やはり、雇用や収入の不安定さはみなさん感じておられるようです。
派遣社員でいながら職場でスキルを上げていくには
せっかく縁があってある企業に派遣されたのであれば、その企業の良いところを「教師」として、悪いところは「反面教師」として学ぶ気持ちでいればスキルが上がっていくでしょう。
ここでは特定の職場でスキルアップの例を挙げてみます。
なお、数人の派遣社員をまとめる役をされてる人はマネジメントスキル(労務管理や進捗管理など)も転職の際にはアピールポイントになります。
資格がなくてもいろんな分野での実務経験や自分ができる能力をしっかりアピールできるようにしておきましょう。
例1:派遣プログラマーでスキルアップ
これは単純にコーディングスキルが付いていきますよね。一人でシステムを構築できるレベルにまでなれば、使用する言語とこれまでの実績を引っ提げて転職活動はしやすいでしょう。
論理的に思考できる人は未経験でもコーディングのスキルは身に付きます。
例2:派遣事務員でスキルアップ
単純な集計作業や文書作成が主な業務であれば、Excelの関数を使って効率的で的確な集計や分析ができるといいでしょう。
ExcelのVLOOKUP関数やピボットテーブルを駆使できない正社員なんかざらにいますよ。。。
ドキュメントであれば、Officeソフト内でできる図や画像の編集機能を駆使して読み手に伝わりやすいドキュメントにすることを心掛けて基本的なパソコンスキルを上げていきましょう。
VBAが使えるレベルなら、さらによし!
例3:派遣の物流・倉庫業務でスキルアップ
物流システムを熟知し、さらにフォークリフトの免許でもあれば正社員として求人は少なくありません。
今の会社で物流システムを把握し、効率的な入出庫業務ができるような仕組みを考えながら仕事をしていくといいです。
外部の運送業者や倉庫業者とのコネクションがあれば、それもアピールポイントの一つになり得ます。
例4:派遣工場ライン作業者でスキルアップ
その工場でのラインの流し方や工程設計のポイント(治具やポカヨケの仕組み)、生産性改善手法などを吸収しておくと、アピールポイントになります。
普段の作業をしながら意識をしておきましょう。
例5:派遣CADオペレーターでスキルアップ
2次元CAD、3次元CADが使いこなせるだけでもいいですが、設計者の設計意図を理解し、例えば加工材料ごとの設計ポイント(抜き勾配、曲げR、幾何公差設定など)を理解できるようになれば、設計者としてアピールすることも可能です。
さいごに
厳しいことを言うようですが、
それ相応の結果を手に入れたければ、相応の代価を支払う
というのが原理原則であると思います(等価交換の原則)。
今まで自分が努力してこなかったことに気づけたのならば、それだけで大きな価値があります。
新たな自分を思い描いて、そこへ向かってやるべきことをやればいいだけなのですから。
今からでも全然遅くはありません。
努力すれば相応の結果が付いてきます。
正社員になりたいという方は、今回の記事の中で参考にしていただける部分があれば是非実践していただければ。
ただ、
正社員になれば幸せになれるかというとそうとも限りません
重い仕事のプレッシャーで体を壊す人もいるのが事実です。
派遣社員という立場として自分を磨き、さまざまな企業で使える有能な派遣社員として活躍する道もありますし、現状の環境を受け入れて副業や職場以外でやりがいを求めていくことも精神衛生上わるいことではありません。
収入が低くても普段の生活費(特に家賃や通信費などの固定費)を節約する努力をすれば、最低限の生活をすることは可能です。
まずは不平不満を口にして気持ちを落ち込ませてしまうよりも、自分がどういう生活を送っていきたいかを常に自問自答するところから始めてみることをおススメします。
あなたの人生が豊かなものになりますよう
おわり
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