【優秀な人材を辞めさせない!】20%の「仕事がデキる部下」に上司が配慮すべきこと

・優秀な部下、人材が会社を辞めていって困る
・日々の業務をこなすのが精いっぱいで会社の将来への種まきができない


と言った悩みをもつ企業の中間管理職

会社が経済的・将来的に不安が広がる時、早々に去っていくのは優秀な人材です。


優秀で仕事のできる社員がどんどん辞め始めると、組織全体で処理能力が下がることはもちろん、士気も下がり会社として大きな損失となります。


では、優秀な社員とは何なのか

・周りをうまく活用しながらも、自分で決断して物事を進めることができる
・組織、会社にとって何が最善かを常に意識し、自分磨きに余念がない
・タスクを納期や優先順位したがって効率よく処理することができる

などが挙げられますよね。

もちろん、技術に優れた人やコミュニケーション能力に秀でた人も貴重な人材です。

共通するのは

会社や組織が長きにわたって存続・発展するために自分が何をするべきか

を真剣に考えて行動に起こせる人材が、経営者として確実に囲っておきたいことに異論ないでしょう。

今回の記事では、そんな成長意識の高い『優秀な人材を辞めさせないために上司がとるべき行動』について触れてみたいと思います。

言いたいことは以下の2点

■優秀な人材はヒマにさせよう

■緊急性はないが、会社にとって重要な仕事をメインに任せよう

なぜなら彼らは、

自分たちでやるべき仕事を見つけ出し、自律して個人や組織のパフォーマンスをあげようとしてくれるからです。

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なぜ優秀な人材が会社を去っていくのか

仕事の役割の範囲があいまいであることが多い日本企業では、優秀な人材に仕事が雨あられのように降り注がれます。

例えば、優秀な人材であるAさんは高いレベルでチャッチャとこなしてくれるし、他の人よりも失敗しにくいので、管理職としては日々のバタバタを捌くために登板回数を増やしちゃいがちですよね。

しかし、表面上は不満無さそうにこなしてくれるAくんはそれで本当に満足しているのでしょうか?

「これって誰でもできるよな・・・」

「もっと自分が成長するために、将来に向けた仕事をじっくりやりたい」

優秀な人材は、このように思っていることが多いのです。

特に日々のバタバタを処理するだけで精一杯となっている会社の現状に、将来の展望が持てず不安を抱いていることでしょう。

そのまま状況が変わらずに時が経っていくと、

「このまま日々の慌ただしさをしのぐだけの状態だと人材のレベルが上がらない」

「5年後、10年後に組織のパフォーマンスは確実に下がるだろうな」

「自分が状況を変えていくには、労力と見返りが割に合わないな」

と思うようになり、優秀な人材は組織から離れていくかモチベーションを失いパフォーマンスが落ちていきます。

これまで3社に渡る筆者の社会人経験の中では、辞めていく優秀な人達の退職の理由のほとんどは上記のようなモノであることが本人たちへのヒアリングで分かっています。

慰留したいところですが、時すでに遅し…という状態になっているのです。

辞めていった彼らがみんなハッピーになっているかと言えばそうとも限りません。
転職先の会社がつぶれた、前の会社の方が良かったと後悔するケースも少なくないです。

辞めていった優秀な人材が移ったステージで「アンハッピー」と感じているのであれば、それは辞められた会社にとっても、辞めた人にとっても残念なことです。

では、双方が残念な結果とならないためにはどうすればいいのか?

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業務を集中させずに、むしろヒマなくらいの状況にしてあげる

「多少時間をかければ誰でもできるような仕事」を詰め込みすぎてはいけません。

もちろん若い年代であれば経験を積むためには仕方ありません。
しかし、すでに経験したような仕事を何度も繰り返しさせるようなことは、彼らの能力を十分発揮させることができず、フラストレーションを溜めることになります。

彼らは「自分が思う会社にとってやるべきこと」をやりたいと思いながらも、日々の対応に追われて自己嫌悪または、組織への不満を募らせていくのです。
最悪の場合、精神的に参って体調を壊すこともありえます!

組織全員が同じようにレベルを上げて欲しいのは理想ですが、よく言われるように企業の利益の80%を生み出す人材は全体の20%であり、残りは「現状維持レベル」と「会社のお荷物レベル」であることはみなさんも体感しているのではないでしょうか?

将来にわたって組織や企業を繁栄させていくためには、「利益を生み出す20%」と残りの「現状維持レベル」と「会社のお荷物レベル」をどう活用していくかにかかっています。

将来への投資という意味も含めて、「利益を生み出す20%」はヒマなくらいにしておかないと最大限彼らの能力を発揮させることができないのです。

優秀な彼らに細かい業務を振らなくても、彼らは自ら会社のための最善を考えて行動・提案してきます。
その中で取捨選択を行い、時間的プレッシャーを緩めて伸び伸び仕事をしてもらいましょう。

優秀な彼らに対して管理職が管理すべきは、

・彼らが頑張りすぎて体調を崩さないか
・今取り組んでいることの進捗
・周囲から孤立しないように

といった配慮に割り切ってしまうと、管理者の負担も減るのでいいですよ。

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緊急性はないが、会社にとって重要な仕事をメインに任せよう

下の図は、組織の仕事の重要度を4つに分類したものです。

仕事の重要度の分類

将来にわたって組織・企業が発展していくためには、右上の「緊急性はないが、重要な仕事」をじっくり時間をかけてでも結果を出していく必要があります。

例えば、

・仕組みの抜本的見直し
・挑戦的な、研究的なアプローチが必要な仕事
・会社全体のマインドを変えてしまうような取り組み

など。

どれも時間がかかるし、すぐに結果が出るものばかりではないです。

かといって、これらに手を付けることなく目先の納期が決まった重要な仕事ばかりを優秀な部下に与え続けてしまうと、ビジネス環境の変化に対応できる強い組織になることができません。

優秀な部下を最前線に立たせて疲弊させず、多くの時間を与えて大きなテーマで試行錯誤してもらうことで部下本人・組織にとってもお互いの利害関係が成立すると考えます。

優秀な部下は、自分が会社をコントロールしていることへの責任感とやりがいを見出して能力をいかんなく発揮するでしょう。

組織・企業にとっても、将来の幹部候補が経営側の立場も考えながら切磋琢磨することで成長することはプラスに働きます。

決してすぐに結果が出ないことに焦りすぎてはいけません。
管理者自らができなかったことを優秀な部下がやろうとしているのです。

それを成功に導きやすいように裏方としてサポートしてあげるとお互いの信頼関係が強くなり、結果的に管理者自身の将来の財産になります。

管理者は、優秀な人材に伸び伸びと働いてもらうために組織を以下のような「仕事の与え方のバランス」でコントロールすると良いでしょう。

■緊急性があり、重要な仕事(客先へのプレゼン、トラブルの火消しなど)

 ・現状維持レベルの人+管理職のサポートで乗り越える
 ・状況に応じて優秀な部下のヘルプをもらう

 現状維持レベルの中でも、過酷な状況の中で能力が覚醒する人材がいることを意識し、「優秀な人材」を増やす努力をする

■緊急性があり、重要でない仕事(社内会議の資料作成、客先からの見積依頼対応など)

 ・現状維持レベル+お荷物レベルで処理させる
 ・「業務の標準化」というテーマもあわせて与える

 標準化することで、対応できる人材を増やしてリスクマネジメントしておく。標準化や効率化を通してお荷物レベルからの脱却を図る

■緊急性はなく、重要でない仕事(定例会議やその準備、慣例で続く資料作成など)
 
 ・現状維持レベル+お荷物レベルで処理させる
 ・思い切ってその業務をしない決断をする
 ・自動化(マクロやRPAを活用)する

 将来的に必要なデータや知見になり得ないものは徹底的に削減、効率化を図る

優秀な人材以外の人にも明確な役割を与えながらレベルアップの機会を設け、組織の底上げをするということです。

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さいごに

人によって向き不向きがあるのが現実です。

組織のすべての人間が、様々な分野で同じ能力を同じレベルでこなすというのは限界があります。

多能化と言えば聞こえはいいですが、多能化がすべての困難を打破するかと言えばそうとは言えないと僕は考えます。

人間の個性に向き合い、適材適所でそれぞれの個性を埋もれさせることなく発揮させてあげることも管理職の重要な仕事。

もちろんそれにも限度があることも理解しなければいけません。

その場、その時の個々の能力に応じて「割り切った人の使い方」を駆使し、個々のモチベーション落とさずに組織のパフォーマンスを最大化するようにコントロールしていくことが、今後の管理職には求められていくことでしょう。

ムダな余剰人材を抱えてやっていけるような時代ではありませんからね…

大変な労力を強いられることは容易に想像できますが、それゆえにやりがいがあるとも言えます。

雇用の流動化や転職へのハードルが下がった昨今ではありますが、

「この会社、この組織で働くのが楽しい」

と思ってくれて末永く同じ会社で働いてもらうことが、会社と労働者双方にとってハッピーであることは疑いの余地はありません。

管理者は、個々に適した機会・環境・評価を与えることで会社と個人の幸福度をコントロールできるということを忘れることなく、自分も大切にしながら頑張りましょう!

おわり

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