- この記事を読んでほしい人
- ・製造やサービスの現場が自律してパフォーマンス向上するためのマネジメント例は?
・部下やチームメンバーのやる気を引き出したいサラリーマンやスポーツ指導者
・もっとラクな立ち位置で仕事したい管理職
『好きこそ物の上手なれ』
学問でも、スポーツでも、もちろん仕事でも何かの分野で目を見張るパフォーマンスを出している人に共通している条件のひとつとして、
「本人が好きでやってる」
ということがあると思います。
あなた自身も含めて、そう感じている方も多いのではないでしょうか?
好きだから、続けられる
好きだから、努力できる
好きだから、反省して改善できる
何かをやる時に、その対象のモノや行為を「好き」であることはモチベーションの維持に欠かせません。
学校の先生、スポーツの指導者、会社の管理職はみんな思っています。
勉強することを、スポーツすることを、働くこと(成果を出すこと)を「もっと好きになって楽しんでほしい」と。
指導する側も「好きでやっている人」と「嫌々やっている人」に指導するなら、「好きでやっている人」の方が指導に熱も入るし、実際に成果もあげやすいです。
お互いにメリットが大きいですよね。
チームを指導する人、組織をマネジメントする人は、所属するメンバーに対して勉強やスポーツ、働いて成果を出すことを「今以上に好きになってもらうこと」が重要なタスクの一つだと感じている事でしょう。
私もサラリーマンとして20代、30代を経て、40代になってこう思うようになりました。。。
今回の記事では、これまでのサラリーマン経験、スポーツ指導経験をベースに自分なりの「好きになってもらうアプローチ」を述べてみたいと思います。
いわゆる「内発的動機付け」ですね。
もちろん、教科書通りの正解の方法なんてありません。40代の私も試行錯誤しながら修行の毎日です。
それでもこれまでの知識や経験を活かして、いくつかの成果を感じているのはれっきとした事実。
指導する対象の人、マネジメントすべき組織のメンバーがやる気と共に自らの意思でチャレンジし、成長できるようになると指導する側、マネジメントする側は心身ともにめっちゃラクになれます。
進むべき方向性の調整と過去の経験からのコツ(tips)を伝授していけば、あとはメンバーが勝手にやってくれるんですから。
そして何より、教え子や部下が目覚ましい成長を目の当たりのするのは嬉しいもんです。
これから紹介する内容が、
内発的動機付けをチャレンジしている指導者、管理職の方の参考になれば幸いですし、「他にもこんな方法もあるよ!」という方がおられましたら是非コメントください。
内発的動機付け:好きになってもらうためのアプローチ
ステップ1:やるべきことのロジックが定着するまで説明する
自分が何かをやる場合、誰かに何かをやってもらう場合のどちらにしても、効果的に活動するために絶対に必要なステップです。
人間は「自分でイメージできないこと」を行動に起こすことはできません。
逆に、
『目的→方法→明るい未来』への道筋がハッキリイメージできればできるほど、やる気とともに行動に移せます。
要するに「未知なモノ、未来への不安」を取り除く作業と言ってもいいでしょう。
そのためには、知識と経験が豊富なあなたのチカラが必要なのです。
説明すべき主なモノは以下の4つ。
- やるべきことの目的(なぜやるのか)
- 現在の状況(今の状況は良いのか悪いのか)
- どのように活動してほしいか(達成に向けて必要な考え方やコツを与える)
- 目指す姿(求める未来をイメージできるように)
ここにどれくらい時間をかけるか、どういう順番でやるかは重要ではありません。
ただし、すべてを必ずやりましょう。
そして、しつこいようでも繰り返し説明する機会を設けましょう。
ステップ2:途中経過をマメにフィードバックする
第1段階と並行しながらになりますが、ある程度やるべきことのロジックが組織に浸透してきたら「見守るフェーズ」に入っていきましょう。
今取り組んでいることが、個人や組織のパフォーマンスを上げることになっているのかを注意深く見守ります。
そして、現在の状況を客観的な視点で分析し、個人や組織にこまめにフィードバックしてあげましょう。
年に一回と言わず、最低限月に一回は機会を設けたいところです。
実際に取り組んでくれている当事者は、普段は全体のパフォーマンスを示す情報が入ってきにくいです。
よって、客観的に自分の状態を分析できていない場合がほとんどです。
そこで、組織や個人を俯瞰して見ている指導者や管理者が、情報を整理して「今こういう状態だよ!」と状況を伝えてあげることがとても大切なのです。
例えば、山登りの時に
あとどれくらいで山頂なのか、今どの何合目なのか分からないまま登っている時って疲れませんか?
「山頂まであと200メートル」という標識を見たときに、元気が出てきませんか?
『目的への道中の道しるべ』として、みんなを元気づけてあげましょう
ステップ3:成果を出したら形にして応えてあげる
成果を出した者には、それ相応の報酬を与える。
等価交換の原則ですね。
簡単なように聞こえますが、成果に見合った報酬(お金、地位、名誉、ポスト)を用意するのことはそんなに簡単ではありません。
指導者、管理者はちゃんと成果を出した人にどれだけの報酬を与えられるのか、どんな報酬を与えられるのか準備しておくことも求められます。
そのための予算を確保する、ポストを用意しておくなどです。
見合った報酬(対価)を渡せないままだと、それを見ている他のメンバーの士気にも影響します。
注意点など
定期的に意見を聞いて集約し、分析する
実際に指導を受けている側の声に耳を傾けることは大切です。
ヒアリングやアンケートで、指導を受けている側や部下がどんな気持ちで取り組んでいるのか、今の指導やマネジメントに共感しているのか、要望や意見はないかを定期的に引き出し、指導者や管理者の舵取りの修正をするためです。
なかなか結果が出ないなぁと悩んでいる人は、部下や教え子から自分のマネジメントの評価をしてもらってください。
厳しい意見があるなら、あなたにとっては良いことだと思ってください。
逆に、高評価の反応しか返ってこないのはちょっと困りもの。
本当に問題がないのか、ウソの回答で修正すべき問題が見えていないのかが分からないからです。
実態に近いものを把握するために、無記名のアンケートや面談方法の工夫で意見を出し易い雰囲気を作ることにつとめましょう。
聞いた事実、見えた事実だけで判断するのではなく、その回答のウラに潜んでいる表面に出にくいモノを探る感覚も持っておきたいところです。
ちょっと失敗するくらいの難易度のタスクを与える
現時点で組織のパフォーマンスを最大化するのは適材適所がベストです。
ただ、その中でも意識してほしいことがあります。
スポーツでの練習でも、仕事で与えるタスクでも全くミスなく簡単にできてしまうようなモノでは大きな成長が期待できません。
なぜなら、その練習やタスクはすでに身についているからです。
すでに簡単にこなせるメニューで練習している人や、過去の経験を基に機械的にテキパキと仕事をこなしている人は負荷を感じていません。
この状態を「コンフォートゾーン(快適な領域)にいる状態」と言います。
指導者や管理者は可能な限り、コンフォートゾーンのちょっと外側に身を置かせるように意識したいところです。
普段よりスピードを上げさせてみる、制約を追加してみるなど少し負荷をかけてあげることで、自ら考え、工夫や努力をしていく機会とすることができます。
なお、教え子や部下がコンフォートゾーンの外でチャレンジして失敗しても厳しく責めてはいけません。
せっかくちょっと難しいことにチャレンジしたのに厳しく叱責されるとなれば、チャレンジしなくなってしまう恐れがあります。
そうすると成長が止まってしまいます。
ミスは誰にでもあるもの。
チャレンジして失敗して、そこから学んで次にどういう行動をしていくかを見守っていきましょう。
さいごに
この記事は自分自身に言い聞かせている意味合いも大きいです。
実際に、今回述べたようなスタンスで人や組織を関わっていくと人の成長を感じていきます。
その成長を見るのがとても嬉しいです。
しかし、
既存のメンバーで組織のパフォーマンスを上げていくのは一朝一夕で成るものではありません。
すぐに結果を求めると、なかなか思い通りにいかないので精神的にツラくなります。
人はすぐには変われません。
弱小高校野球部が、いきなり来年甲子園に出場はできません。
人づくりには時間がかかることを理解して、長い目でみることを意識したいところ。
それでも早く結果を出したいなら、
- 指導者の入れ替え
- すでにその分野で優秀と分かっているメンバーと総とっかえ
- 外発的な動機づけ(罰、恐怖など)で、体を壊すくらい強制的にやらせる
といった方法もあります。
ハイリスク・ハイリターンかもしれませんが、このような方法もあるということは選択肢として持っておきましょう。
どうしてもすぐに結果を出さなきゃいけないときは、やるしかない場合もあるかもしれません。
僕としてはそこまでリスクを負えないので、これからも内発的な動機付けを意識していきたいと思っています。
その過程が僕の性格的にも合っているし、さらなる成長にもつながると信じているので、こんな立ち位置も決して悪くないかと。
40代は経験を活かしてチームマネジメントにもチカラを入れていきます!
でも、40代は心身に衰えを感じやすくなる年代。
今まで以上に自分自身をいたわりながらやっていきましょう!
おわり
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