■この記事のターゲット
・Microsoft Surface Go 2はSurface Goとどう違うのか
・Surface Goのターゲットユーザーは?
・Surface Go 2は買いなのか
今回の記事では、2020年5月12日リリースの新型Surface Go 2について、いつものように業界エンジニア目線でスペック新旧比較を含めたレビューをしてみたいと思います。
過去記事では、Surface Goは教育分野の法人向けがメインターゲットであり、一般ユーザーでは活躍できるシーンが限定的な廉価版Surface Proと評価しました。
Surfaceシリーズ全体でみると個人的には買いたくなる要素が少ないなと…。
これを踏まえてSurface Go 2は従来モデルからどう変わったのでしょうか?
結果としては、
ほとんど変わっていないキープコンセプトです
MicrosoftのSurfaceシリーズは各モデルで明確なコンセプトがありますね。
Surface Go 2は、旧型から変わらず教育分野がメインターゲットであり、性能向上と他社タブレットとの差別化を図る10.5インチPixelSenseディスプレイが変化のハイライトです。
実際に、すでに学校教育の現場でも大量導入計画が進んでいます。
もちろん、Surface GoシリーズをSurfaceのエントリーモデルとして価値を感じる一般ユーザーにはオススメしますが、ドキュメント作成や趣味・仕事でも使うとなると個人的にはやはりSurface Pro推しです。
そんなSurfece Go 2は従来からどう変わったのかを見ていきましょう。
Surface Go 2のカタログスペックを旧型と比較
下の表はSurface GoとSurface Go 2の主要スペック比較をしたものです。
※赤字部分が変更点
目につくところは、
・CPUにインテルCore m3が追加された
・ディスプレイが10→10.5インチにサイズアップ
(画面対角線の長さが約1.3cm長くなり、解像度も少しアップ)
といったところに留まります。
本体サイズは変わりませんが、ディスプレイが拡大されたため重さは20gアップし、さらに価格も若干アップしています。
この程度の進化でSurfece Go 2として売り出す必要があるのか?という疑問もありますが、おそらく拡大が続くデジタル教育市場での優位性を出すために、10.5インチへのディスプレイ拡大は必須だったのかもしれません。
そのため一般ユーザーには価格アップされていますが、法人向け(学校向け)の大ロット案件にはさらに低価格または価格維持を提示して拡販するものと思われます。
法人向け営業を頑張って、一般ユーザーは価値を感じる人に買ってもらえればいいやという戦略としては理にかなっています。
SurfaceブランドもApple同様プレミアムでスタイリッシュな地位を確立したと言えるので、一般ユーザーでも購入する人はいるはず。
では、変更された部分を少し見てみましょう。
CPUにIntel Core m3が追加された
Intel Core m3シリーズの現時点最新の第8世代が追加されました。
Core m3シリーズは、主にタブレットのようなモバイル機器に対して、従来のPentiumよりも低消費電力と高パフォーマンス、セキュリティ面を向上させたものです。
(当然ながら、上位CPUのCore-i5やCore-i7にはパフォーマンスで劣ります)
このCore m3がLTEモデルのみにラインナップされていることから、外出先で頻繁に使用するビジネス形態の法人向けという色合いが濃いですね。
ディスプレイが10.5インチに拡大
ディスプレイサイズが従来の10インチから10.5インチに拡大されています。
わずかな違いではありますが、学校教育向け(生徒用)では10インチや10.1インチが主流の中で、「10.5インチで他社よりサイズが大きいですよ!」というのは分かりやすいセールスポイントです。
Microsoftの法人向け営業としては売りやすくなっていいのかもしれませんが、一般ユーザーにはあまり影響がないんじゃですかね…。
それでも、Surface Go 2のハイライトと言っていい変更です。
しかしイラスト作成には小さすぎですかね…。
マイクがデュアルマイクになった
これは単純に部品の進化の流れに乗っただけで特別目新しくありません。
ビデオ通話などで音を拾いやすくなり、通話品質向上につながるでしょう。
(ちなみにヘッドセット付けるとヘッドセット側のマイクに依存します)
NFCがカタログに追加された
NFCとは近距離無線通信の規格です。WiFiやBluetoothとは違います。
スマホを受信端末にかざすだけで決済できるFelicaがNFCの中では有名ですね。
実はこのNFCは従来からSurface Goに載っていますが、なぜ今回わざわざ公式サイトの技術仕様に記載したのかは定かではありません。セールスポイントとしてでしょうかね?
Surface Go側がNFCをどこまで活用できるようにしているかも定かではありませんが、法人向けの特殊な要求に対して個別に対応するための仕込みという可能性もあります。
今後活用の幅が広がるのかどうなのか…!?
一般ユーザーはあまり気にする必要はないでしょう
Surface Go 2の内部構造を確認
さて、 今回もいつも内部構造確認でお世話になっているIFIXITさんによるSurface Go 2分解レポートを参考に内部構造を見ていきます。
従来モデルから大きく変わったところは、Surface Goから分解の難易度が下がっている点です。
Microsoft的には、教育分野に多数投入されることで修理の機会が増えることを想定し、ユーザーの修理費負担軽減と修理業者の修理性向上を反映させたものであると考えられます。
かといって、Surface Goと比較して大きく筐体の耐久性が悪化するような要因ないかと。
製造工場や修理の現場の声を反映させた設計改善ということで好感が持てます。
ユーザーが意識する必要はないですが、主な内部構造のトピックスに簡単に触れておきましょう。
ディスプレイの接着が弱くなった
Surfaceシリーズのディスプレイ分解の難易度の高さは、いつも分解修理担当者を悩ませていました。
それは、超強力接着剤でガッチリ固定されているからです。
ディスプレイ部を分離するには、熱をかけて接着力を落とし、破損に気を付けながら根気よく少しずつ剥がしていかなければいけません。
まあ、そのおかげで高い剛性を確保できるわけですが…。
IFIXITのレポートによると、Surface Go 2ではディスプレイ接着の接着力が弱められいることがハイライトされています。たしかに、修理担当者には大きな改善です。
一般的な使用ではユーザー側に大きな問題が出る可能性はないと思いますが、教育現場など過酷な使用環境のケースで、今回の変更が故障率に影響を及ぼすかどうか市場を注視する必要があるでしょう。
SSDが脱着可能になった
Surface Pro Xでも採用されていますが、SSD 128GBモデルはSSDが脱着可能です。64GB eMMCモデルはマザーボードへのはんだ付けタイプなので一般ユーザーで交換することは不可能です。
最近のSurfaceシリーズは修理性をアップさせた設計変更が目立ちますね。
やはり、これまでの市場実績において修理性アップさせる必要があったことは容易に想像できます。
その他は大きな変更なし
この他には、分解時にバッテリーの給電を遮断しやすくなっていたり、ノイズシールドが再利用しやすくなっていたりと成熟が進んでいますが、ネジの形状やコネクタ接続方法などは旧モデルから変更はありません。
Surfaceシリーズのその他モデルに比べると、ネジ締結やコネクタ接続の製造信頼性は若干低いままとなっていますが、廉価モデルのため致し方ない部分ではあるでしょう。
さいごに
Surface Go 2は一般ユーザーにとってはキープコンセプトでのわずかな進化でした。
しかし、内部構造的には修理性がアップしているので修理する側には堅実な進歩が見られています。
Surface Go 2の購入を積極的に考えているユーザー層は、過去記事のまとめから変わらず以下のようになります。
上記に当てはまらないのであれば、iPadや格安中華タブレットで十分満足できると思います。
今回もやや辛口ですが、Surfaceシリーズを応援している筆者の正直なレビュー結果です(汗)
この記事があなたの参考になれば幸いです。
おわり
コメント
消すなよならこんなお門違いな記事かくなよ。
買って使ってもいないレビューなんてまったく参考にならないし検討違いなことばかり書いてるので参考にしないように。
コメントありがとうございます。
コメント承認してなかっただけで消しておりません。
実物は会社で買って使ってるので何も知らないワケではありません。
わざわざ個人的に買いたいと思わないモノをわざわざ個人のお金で買いません。
参考にならない理由があれば参考にしなくて全然OKです。用途や価値観によっては満足できるものとも言及しております。
参考になる人もいれば、参考にならない人もいるでしょう。
製品レビューというのはそういうものかと。
別にSurface Go2を特別にこき下ろしているわけではなく、パソコン業界で働く者としての「パソコン選び」の率直な意見のひとつです。
ただそれだけです。
率直なコメントを頂き感謝いたします。
今後のために教えていただけるとさらにありがたいのですが、検討違い×(⇒見当違い〇)なことばかりというのは具体的にどことどことどこでしょうか。
ご意見を参考にして記事の満足度を上げていきたいと思います。
以上