- この記事を読んでほしい人
- ・今まで簡単に判断できたことに時間がかかるようになってしまった
・思考がまとまらず「頭の中がぐちゃぐちゃ」な感じが続いている
・後頭部がズーンと重い感じが続く
上記のような症状が2週間以上続いているような方は要注意です。
うつ病の前兆、予兆の可能性があります。
今回の記事は、仕事への向き合い方や不規則な生活リズムによって「うつ状態」と診断され、3か月の会社休職を経て復帰した筆者の体験談です。
「もう病院に行かなきゃ」と思うまでに、
どんな身体症状があったのか
どんな精神状態だったのか
を振り返り、今思えばどうすればよかったのかを考えます。
うつ状態、うつ病になってしまうと、まともな生活が送れるようになるまで相当な時間がかかります。
そうなってしまう前に体からのSOSサインを見逃さず、予防への行動をとるべきと強く主張します。
この記事が、あなたの身体とココロの苦しみを和らげるキッカケになれば幸いです。
うつ状態と診断される前の生活状況
当時の僕は40歳手前で小学校低学年の子ども2人を持つサラリーマンという状態です。
まずは、うつ状態と診断される前に僕が置かれていた状況を共有しておきます。
- 仕事での状況
- ・課長補佐的な立場となり、責任が増えていた年であった
・予測できないトラブルが日々発生し、処置に追われる状態が続いていた
・部署内の人間関係が悪く、間に入って仲裁することが多かった
・自分の本当にやりたいこと、やるべきことに時間が取れず罪悪感があった
・残業は月80~100時間程度であった - 家庭での状況
- ・朝起きてご飯食べて、夜10時以降に帰宅し一人で食事することが多かった
・週末は子どもと体を動かす遊びに付き合っていた
・家事、育児のほとんどを妻に任せざるをえない状況だった
・家でも仕事のことを考えることが多かった(夢にも仕事のことが出る状態)
よくある人手の足りない部門でトラブル処置に追われ、将来に向けた活動ができずに消耗する組織に属していたって感じです。
人のせいにしてはいけませんが、上司や周囲のサポートが薄くてしんどかったんです。
家庭では妻が殆どの家事育児をやってくれていたので、申し訳ない気持ちは常に持っていました。
今となっては、
仕事はもっと適当にやってもよかったし、人の世話をし過ぎず自分勝手にやってもよかったな
と思ってます。
家庭に関してはとにかく妻への負担が大きかったので、現在は「仕事にかける時間」の選択と集中でなるべく残業せずに成果を出すことを意識しています。
おかげで妻は喜んでくれています。
うつ状態と診断される前の症状
医師から「うつ状態」と診断されるまでに自覚できる身体的症状、精神的な症状がいくつかあったので紹介します。
身体に現れた症状
■手先がうまく動かない
普段、パソコンのキー入力は特に意識せずともカタカタ入力できるのですが、当時は思ったように指先が動かず「意識してゆっくりキー入力」しないと タイプミスが多くなっていました。
今思えば、脳からの指令が指先までうまく伝わってなかったのかなと。
■動悸、脈が飛ぶ頻度が高くなる
特に決まった場面でなくても、脈が速くなることが多かったです。さらに脈が飛ぶこともあり、「ウッ」となることがしばしばありました。
心臓に問題があるのではと循環器内科を受診しましたが、特に異常は見られなかったので精神的なものかなという意識はありましたね。
■みぞおちのあたりがキューッと鋭く痛む
精神科を受診する3か月前に、冷や汗が出るくらいの腹部の痛みが何度かありました。
これはヤバイと思い、すぐに消化器内科を受診して胃カメラを飲んだ結果「胃潰瘍」が見つかりました。
ピロリ菌検査では異常が無かったため、ストレスからくるものでしょうと医師のコメント。
このころには、しっかり期間を取って休んだ方がいいんだろうな…と心の中では思っていましたが、立場的に仕事を休む勇気がありませんでした。
結果的には仕事がまともにできなくなって休職することになるとは知らずに…。
■眠りが浅く、度々夜中に目が覚める
この症状を自覚したのは、休職を考えるほど体調に影響が出ていた時です。
おそらく、もっと前からこの症状はあったのでしょうが、自分の睡眠の質を客観的に考えるほどの余裕が無かったのです。
今となっては、この「睡眠の質の悪化」が様々な心身の不調を引き起こしたのではないかと思っています。
そして、3年以上経過した今でも、睡眠導入剤がないとまともな睡眠ができない状態が続いています。
精神面で表れた症状
■意識を集中できない、頭の中がぐちゃぐちゃする
仕事では日々いろんな出来事が起こり、たくさんの情報がインプットされてきます。
情報に基づいて何をやるべきか整理し、優先順位をどうするかという瞬時の判断力が必要です。
しかし、僕はこれができなくなりました。
大量の情報を浴び続けるだけで何をするべきか、どれから優先してやるべきか頭の中でまとまらなくなったのです。
一つのことに意識を集中できないって感じですね。
※この状態を「頭の中がぐちゃぐちゃ」と表現しています。
そのため、数分で決めれることが一日終わっても決まってなかったり、10分で作れる資料に2時間かかったりという最悪な状態でした。
当然やるべきことは溜まっていく、できないことへの自己嫌悪で精神的にやられていく…これが「うつ」への負のスパイラルのトリガーだと思っています。
このような精神状態、思考の状態になっていると感じたら、まず第一に情報のインプットを遮断してください。
要因が仕事の場合は仕事を休む、家庭内の問題であれば実家に帰るなど、負のスパイラルに陥る環境から脱出することが大切です。
分かりやすく言えば「脳がオーバーヒート状態」なので、休息というクールダウンが必要ってこと。
認めたくない気持ちは分かりますが、人によってストレスへの耐性は異なります。
他人が元気そうだからと言って「自分も元気じゃないといけない!」と判断してはいけません。
そもそも、他の人だって表面上は元気そうでも内面ではギリギリのところで踏ん張っていることだって否定できないんですから。
■ネガティブ思考になり、逃げることばかり考えるようになる
まともな思考ができなくなることを自覚すると、面倒なことから逃げたくなります。
何事も失敗してしまうイメージばかりになってしまい、そこから逃げようと消極的な思考になってしまいます。
心配しなくてもそんな性格になってしまったわけではありません。
脳の防衛機能として、高い負荷から心身を守ろうとしているだけなのです。
脳も情報のインプットを拒んでいるってことですね。
もちろん、うつ病に限った話ではありません。
ストレスから身を守ることで様々な病気のリスクを減らせることは、もはや一般的に知られているからです。
しかし、この状態を放置していては何の解決にもならないので、解決への道を探す必要があります。
情報のインプットを止めるには情報が来ない環境に身を置くこと
すでに述べましたが、大量の情報を頭の中でうまく整理できない状態であれば、情報のインプットを止めるべきです。
情報が大量に入ってくる環境から距離を置いて、リラックスできる環境に身を置く
対処が早ければ早いほど、脳が回復するまでの期間は短くてすむと考えます。
しかし、
今までの考え方のままで元のストレス環境に戻ってしまうと再発することが目に見えています。
しっかりと身体と脳を休めながら、自分を守るためにはどういう行動や思考方法が必要なのかを考えなければいけません。
医師に相談し、薬のチカラを借りるか入院して強制的にストレス源から隔離するという手は最後の手段として持っておきながら、まずは自分のチカラでリフレッシュ方法を見つけることが重要と考えます。
これは私の主治医から言われたことですが、「薬は体の自然治癒力が戻ってくるまでの補助的な物。」だそうです。
実際に僕が「うつ休職」を乗り越えた経験からもそう思います。
ようするに、
自分の身体のことを「他人任せにしていてはいけない」ってこと
- 自分でコントロールできることは、自分でコントロールする
- 自分でコントロールできないことは深く考えないこと
この2つがメンタルを健康に保つ秘訣かなと思うようになりました。
コントロールするためにどうするか?コントロールできないものを深く考えないようにするにはどうすればいいのか?といった改善策を考えるチカラが付けば大したもんだと思います。
改善策を考える余裕が無いという方に、オススメの3つの方法を紹介します。
①自然の中に長時間身を置くこと
1つめは、
価値観が同じ友人と、またはひとりで自然の中でキャンプをすることです。
目に入ってくるものは自然のもの。ただ目の前に見えるものを何も考えずに見ているだけでいいのです。
時間にしばられず、 雑踏から離れて過ごしたいように過ごす
休職期間中のキャンプは、自分を見つめなおすためのリフレッシュとして一番よかったと思っています。
人によって適したリフレッシュ方法は違うかもしれませんが、少なくとも人類が誕生してから常に共存してきた自然と調和することはマイナスに働くことは無いんじゃないでしょうか。
無理にキャンプでなくてもいいんです。
人気のない自然豊かな場所に、アウトドアチェアひとつ広げてボーっとするのも十分効果がります。
僕もさんざんやりましたね(笑)
ただボーっとしたり、読書したり、昼寝したり…。
頭の中が自然と整理されていきました。
②家のお風呂時間を大切にする
次に2つめ。
キャンプなんてそう簡単に行けない!という方も多いと思います。
そんな方には、日々の「入浴の質を高める」という方法を試してみてはいかがでしょうか?
おうちでのお風呂タイムも「溢れかえった情報源から離れ、ひとりの時間を確保できる」貴重な時間です。
入浴の質を高めることで、心身をリラックスさせて睡眠の質を高める。
これならお風呂さえあれば誰でもリフレッシュできます。
入浴剤のチカラを借りると、見た目、香り、効能によりリフレッシュ効果がアップすると言われているのでオススメです。
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③物理的に目から情報を入れないようにする
人間は考え事をするときに、目線を天井や空に向けることが多いことを知っているでしょうか?
無意識にやっている人も多いはずです。
これは、目から入ってくる情報を止めて「思考することに集中するため」の本能的な行動と言われています。
今や世の中、目の前には色んな物や情報が溢れていますよね…。
目を開けているだけで、テレビやスマートフォンからの一方的な情報、他人の行動など様々なインプットが意図せず入ってきてしまいます。
過剰なインプットは脳に休息する時間を与えないことと同じ。
最終手段として、ホットアイマスクやアイマッサージャーで物理的に視覚を閉じるという方法です。
見える情報をシャットアウトしながら、目の周りを温めたり、マッサージでほぐしたり。
これなら家の中ならどこでもできますし、充電式なら外出先でも使用できます。
物理的なリフレッシュも兼ねてるのでおすすめです。
目を閉じてもネガティブな思考を止められず、頭の中がぐるぐる回ってしまう人に試してほしい「一つのことに集中できる簡単な3つの方法」を紹介しておきますね。
目的は、脳内でメチャクチャに絡みまくった「思考の糸」をピンッと張った1本の糸に戻すイメージ。
いわゆるマインドフルネスと呼ばれる「今この瞬間のみに意識を集中させる」方法の一部です。
1)自分の胸に手をあてて、心臓の拍動を数える
手のひらで感じる感覚を頼りに、ただひたすらに数を数えることだけに集中する。
2)深呼吸で息を吸う秒数と吐く秒数を数える
例えば、鼻で5秒間吸って、口から10秒かけて肺の中のすべての空気を吐き出す。この時、空気が体内を流れていくイメージができるとベストです。
3)自分の中で癒しをイメージできるモノや風景を「考えちゃいけない」と頭の中で唱える
分かりにくいと思うので説明します。
例えば、僕の中で「癒し」と聞いて真っ先に思い浮かべるイメージが「猫」だとましょう。
「猫のことを考えちゃいけない・・・考えちゃいけない・・・考えちゃいけない・・」と頭の中で繰り返すのです。これだけです。
人間って「考えちゃいけない」と思えば思うほど、そのことを考えてしまうじゃないですか。
だったらその性質を利用して、ムリヤリ「癒しのイメージ」を何度も頭の中に登場させるということです。
習慣化すると緊張を緩和したり、寝る前にやれば寝つきがよくなったりします。
そんなバカなこと…と思う方もいらっしゃると思いますが、騙されたと思って試してください。意外とネガティブな思考や余計な思考がなくなって心が落ち着きます。
(騙されても大きな損失もないですし。。。)
これら3つの方法は、最初は余計な思考をしてしまって集中できないと思いますが、何度もやり直すことで慣れてくるので大丈夫です。
さいごに
日々を健康に過ごすためのストレス予防処置を怠り、カラダやココロにトラブルとして表面化した時にはすでに深刻な状況になっている場合があります。
そうなってしまうと回復までの期間という「時間」と、経済活動が止まることによる「お金」も含めて大きな損失を伴ってしまいます。
自身が痛みや苦しみを経験することで自分を見つめなおし、新たな生き方を見つけることにも繋がりますが、すべての人が絵に描いたようなV字回復ができるわけではないのも現実です。
結局は、
予防を意識して問題が発生しないためにコストをかけることが、カラダとココロのリスクマネジメントのキモ
というわけです。
普段の健康な状態の時から、メンタル不調予防の習慣をつけておきたいところ。
未然防止が必要なのはカラダとココロだけではありません。
ビジネスや人間関係、家庭内環境もトラブルが起きないように予防にコストをかけれるようになると、大きな問題に発展せずに結果的にハッピーだったと言えるでしょう。
すでに人生最大のトラブルに発展させてしまった僕が言っても説得力は無いかもしれませんが、実際に苦しい思いをして心に刻まれた考え方です。
繰り返しますが、痛い思いをしないと分からないことがあるのは事実ですが、痛い思いをしなくて済むならしないでいいようにすることがスマートな生き方だなと僕は思います。
おわり
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