【儲ける品質保証】不良を減らすだけが品質保証部門の仕事ではない

儲ける品質保証とは 仕事Tips
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■この記事のターゲット
・コスト度外視で品質保証するものなのか?
・品質保証部門として会社の利益アップに貢献したい

・品質向上以外での目に見える成果は何なのか?

このブログでは、製造業の品質保証部門での業務経験を基に、主に不良やトラブルを減らすための考え方などを発信しています。

今回の記事では、少し視点を変えて「儲けるための品質保証」について述べてみたいと思います。

筆者はこれまでの記事で「品質保証部門はお金の話に関与しない」ということを述べていますが、それはあくまでも自社の製品やサービスの品質を担保するという面で、第三者的な立場として事実を客観的に見るためのマインドという意味合いが強いです。

品質保証部門がコストを意識することは悪いわけではありせん。
ただし、品質保証部門が会社の利益に傾きすぎて品質保証を雑にするなということです。

品質保証部門が会社の利益に貢献するためには、大きく以下の2つ考え方があると思っています。

①製品の品質やサービスを向上させて、不良やトラブル対応のコストを減らす

②現実的に許容される品質レベルを意識しながら管理コストを減らす

これ以降では、後者の「現実的に許容される品質レベルを意識しながら管理コストを減らす 」について述べていきます。

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儲けるための品質保証で意識すべきことは

冒頭で述べた「現実的に許容される品質レベルを意識しながら管理コストを減らす」ということは具体的にどんな管理コストがあるのか?

以下の3つのコストを意識しておきたいところです。ちなみに、この記事での本題は③の部分です。

①品質監視、品質保証のための人件費
⇒品質に関するデータ分析、各プロセスの内部監査、不具合原因調査・対策のレビューなどに必要。テンプレートやITを駆使するなど効率化して人件費を抑制しなければならない。

②外部機関の認証の維持費
⇒ISOや各種規格類の認証を継続するための管理コスト、外部機関へ支払う費用。
お客様からの必須要件として必須でなければ継続しないことも考えるべき。

③社内ルールを遵守するための工数
⇒各種定期点検・記録、品質に関連したルールやマナー遵守などに要する他部門含めた従業員の工数。必要最小限とすることで工数を削減することができる。

①品質監視、品質保証のための人件費

品質に関するデータ分析、各プロセスの内部監査、不具合原因調査・対策のレビューなどに関しては、日ごろの業務を通して感じる問題や課題を解決していくことになるので比較的誰もが意識をしていることでしょう。

IoT機器とITでデータとデータを結合してリアルタイムデータ集計やログ取得、プロセス監査項目の定型化、不具合調査と対策レビューのテンプレ化が問題・課題解決の手法となっていきます。

とにかく、

・すぐにデータが見れて、そこから何かを読み解ける
・誰でも何を見れば(書けば)いいかすぐ分かる様式
・データや文章以外の部分に時間をかけさせない(レイアウトや装飾、強調など)

といった意識で取り組みましょう。

管理職は人件費を常にウォッチしているので、トップダウンで人件費削減を行うものかと。

品質管理・保証の専門部門は、あったた方が客観性があっていいですが、無くて済むならないにこしたことはありません。
それぞれの部門で高い業務品質を持っていて、トラブル時の対応も含めて良いパフォーマンスができれば、利益を生み出さない品質保証部門の人数は最小限でいいという考えです。

②外部機関の認証の維持費

会社によってはISOや安全規格などを取得していると思います。法的に取得が義務付けられている、取引先から要求されている場合は必要経費です。

一方では見栄えのために取得しているケースもあるでしょう。

認証機関による定期外部審査にもそれなりの費用(数十万~100万円)がかかります。

必須でなければ、社内の仕組がある程度各種規格に準ずるものになっているなら認証を受けないという手もあります。

取引先の監査などで、社内の仕組は品質、安全面などで十分な体制になっていることと、継続して維持改善ができるようになっていることが実態とドキュメント類を基に説明できれば問題ないはずです。

個人的には、長年存在している規格の認証機関に高額な費用を支払うのはかなり抵抗があります。一種の殿様商売のようになっており、規格を取得する企業のために本当に力になっているのか疑問です。

それなりに実力があり、認証を受けないという選択をとる企業が増えてくれば、認証機関も市場原理でサービス向上やコスト削減に動いていくでしょう。

③社内ルールを遵守するための工数

意外と見逃しがちなのが、社内のルールやマナーを守るために使っている工数です。

製品やサービスの品質を確保するために過去から存在するルール、マナーは過剰になっていませんか?

ただなんとなく惰性でやってる点検や記録はありませんか?

限定した人だけが守ればいいルールを「とりあえず」ということで全従業員でやっていませんか?

品質に関するルールや社内標準は、守らなかったときの品質的なリスクのために見直す機会が少ない傾向があります。
もちろん品質は大事ですが、ルールと実態にあまりに乖離があるのであれば、それはムダな作業かもしれません。

品質保証部門だからこそ、ユーザー影響や過去の実績データ、実験的なデータを基に関連部門に課しているムダな作業を無くす、または効率化するとができるのです。

例えば、ある設備の点検・記録をするとしましょう。一日一回10分かけて測定や記録を行うものです。

これは何のために実施しているのでしょうか?
設備トラブルによる品質リスクを低下させるためでしょう。

毎日する理由はなんでしょうか?
点検期間が空くと、トラブル時の波及範囲が広くなるからですね。

今までその点検項目でトラブルがあったでしょうか?
無ければ設備の実力が高いとして点検周期の見直しか、点検項目から排除を考えてもいいと思います。(経年劣化は考慮する必要があるので周期見直しが良いと思います)

過去含めて記録簿に異常は記されたことはあるでしょうか?
もし「問題なし」ばかりの記述だと、実態は点検をしていない可能性もあります。要は形だけの記録になっているということですね。

これは一番のムダです。やらないといけない点検記録であれば、確実に実施させなければいけませんが、迷うような案件であれば無理のない程度の簡易的な点検・記録とする、もしくは廃止とすることで管理工数を減らすことができます。

次の例では、よく議論になる静電気対策です。
静電気対策の机や棚は、定期的にアースとの抵抗値を測定するのが一般的です。

劣化や変化があるものは測定が必要だと思いますが、例えば導電物である金属だけでできた机は、抵抗値管理された導電性の床を介してアース接続することで、机自体には劣化や変化がないとして初回の抵抗値チェックだけでもいいと思います。

杓子定規に全ての机や棚の抵抗値測定をしていたら多くの工数を取られてしまいますからね。

ただし、この手の判断はちゃんと品質保証の観点とこれまでの実績(実験データ含む)を基にそれなりの根拠を持って行うことが重要です。

品質保証部に決定権があるからこそ、会社全体の工数を削減することができるのです。
もちろんその決定には責任がともなうことはお忘れなく。

ルールを緩和、廃止して品質を担保しながらコストダウンするためには、エンジニアリングと過去の知見を駆使していきましょう。

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さいごに

品質保証部門は品質を維持するためのコストを下げることも考えるべきです。

品質第一はいいのですが、その品質のためにやたらめっぽうに点検や測定に人や設備のリソースを投入していては経費を増大させてしまいます。

これまでのルールや慣例、新たに作るルールは技術的に論理的に見直してまずは簡単なところからコスト削減することも仕事のひとつとして捉えていかないと技術部門や製造やサービスの現場との価値観の乖離が大きくなり、ルールが形骸化する恐れがあります。

会社の方針、ルール運用の実態、品質への影響の観点から品質コストを下げましょう。
開発部門や製造・サービス部門がコストダウンに勤しむのと同じように。

こういう品質保証部門はきっと信頼される部門になりますよ。

おわり

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