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- ・パソコンのオペレーティングシステム(OS)ってどれがいいの?
・用途別のオススメOSは何?
今回の記事は、パソコンやスマートフォンの利用者が必ず使うことになるオペレーティングシステム(OS)について、主にパソコン初心者に向けて簡単に説明したいと思います。
・主なオペレーティングシステムの紹介
・用途に応じたオススメOS
について述べていきます。
ちなみに筆者である僕は、パソコン業界のエンジニアです。
業務で使うパソコンと家で使うパソコン:「Windows 11 」
スマートフォン、タブレット:iPhoneとiPad使ってるので「iOS」
OSとは、ユーザーとパソコンをつなぐユーザーインタフェースの部分です。
保存されたファイルをどのような階層で見せるか、明るさや解像度などの環境設定画面、ウィンドウの表示のし方や切り換え方など、基本的なパソコン作業をユーザーが視覚的に判断してパソコン側に指示させるためのテンプレートのようなものです。
つまり、OSのおかげでユーザーはあまり細かいことを気にせずに直感的な操作でファイルコピーや各種アプリ(Excelなどの表計算ソフト)を操作したり、プリンターに印刷できたりできるのです。
※昔は人間が命令コマンドを一つ一つ実行して処理を行っていた

超大切ですよね!オペレーティングシステムって。
オペレーティングシステムが変わるとパソコンの操作性も変わってくる(環境設定項目の場所が全然違ったりする)ので、自分に合ったOSを選んで慣れていく必要があります。
では、さっそく主なOSの情報をまとめた一覧表を載せちゃいます。

多種多様なので、パソコンに詳しくない方や将来性が分からない方は、何がいいのか分からないですよね?
この記事では、主要なパソコンOSであるWindowsとMac OS、Chrome OSについて少し詳しく触れてみたいと思います。
いろんなシチュエーションで使える汎用性を重視 ⇒ Windows搭載機器
Apple製品しか買う気ないんじゃぁ~ ⇒ 無条件でMacOSまたはiOS
高速起動重視、セキュリティもOS更新もお任せしたい ⇒ Chrome OS、Android
古いパソコンの再生、OS自体をもっとカスタマイズしたい ⇒ Linux(マニア向け)
正直いってコレが正解というのはありませんが、現時点で初心者からヘビーユーザーに対してトータルバランスが優れているのは『Windows』であることは間違いないでしょう。
事実、Windowsの世界シェア80%以上という実績は、世の中に広く受け入れられている証拠です。
OSの種類 | 世界シェア 2019年3月~2020年2月 | 世界シェア 2021年1月~2021年7月 | 世界シェア 2022年4月~2023年1月 |
Windows | 88.14% | 88.93% | 84.87% |
Mac OS | 9.42% | 8.42% | 11.60% |
Linux | 1.85% | 1.93% | 2.00% |
Chrome OS | 0.42% | 0.59% | 1.06% |
※米調査会社「NetApplications」データより
MacOSは、ある一定層のApple製品ファンで使用されています。
Apple製品も便利な標準アプリやデザインで人気ですが、パソコンにおいてはWindows機を脅かす存在にはなれないでしょう。 (というよりトップを狙ってはいないと思います)
今後Windowsを脅かす可能性があるとすればGoogle社のChrome OSと思っています。
低価格とクラウドでのデータ管理による手間いらず、さらに高速起動という特徴で特に近年法人向けでChrome OSを搭載したノートパソコン「Chrome book」の採用が増えています。
これをきっかけにシェアが拡大していくと予想してます。
家庭用として動画視聴や文書作成、インターネット閲覧程度であれば今後はChrome bookも選択肢として無視できなくなってくるでしょう。
Windows OSについて

【メリット】
・世界的シェアが高く、操作に慣れている人が多い
・豊富なアプリが存在する
・ある程度知識があれば、様々な環境カスタマイズが可能
・対応する周辺機器が多い
【デメリット】
・有料である(パソコン本体価格に含まれる)
・比較的動作が重く、起動時間も速くはない
・メジャーアップデートで操作感がガラッと変わることがある
・セキュリティ向上アップデートが頻繁にあるため、HDDやSSD容量を圧迫する
前述したように世界シェア80%以上と圧倒的なシェアを誇ります。
企業で使うパソコン、家庭で使うパソコンのほとんどでWindows機が活躍しているということです。
使い慣れた方も多いのではないでしょうか。
シェア拡大には優れたOfficeソフト(Excel、Word、Power point、Outlook、Teamsなど)の存在もあるでしょう。
クラウド(Oneドライブなど)にも対応し、Webブラウザでも利用できるようになっているので使い勝手はさらに良くなっています。
過去からの流れもあり、Windows環境で開発されたソフトウェアも多く、特に業務用ではWindows機が多く活躍している状態。
作業環境や電源設定なども細かくカスタマイズできます。
ユーザーが圧倒的に多く、ネット上でもいろいろな便利な設定方法が掲載されているので、分かりにくいヘルプ画面を見なくても改良したいことを検索エンジンで調べれば、多くの情報が出てくるのも助かるところ。
弱点が無いようにも思えますが、過去からアップデートを繰り返すたびの機能強化による内部情報管理のため、バックグラウンド動作(ユーザーが知らないところでうごくプログラム)が多くなっています。
そのため、動作が遅くなる時や起動やシャットダウンの時間が比較的長いというのはよく知られています。(パソコンに詳しい人は、設定でバックグラウンド動作をOFFすることも可能)
また、利用者が多いということで悪意のある第3者からハッキングの標的にされることもあり、Windowsのセキュリティの脆弱な部分を定期的にパッチ(修正プログラム)で埋めるということも頻繁にあり、これがさらに動作を重くする要因にもなります。
過去の傾向としてはメジャーアップデートでユーザーインターフェースがガラッと変わって不評を買うこともありますね。
しかし、ユーザーが多いため同じ環境でデータのやりとりができるという点、ハードウェア(パソコン端末)が多くのメーカーから低価格帯~高価格帯で販売されているため選択肢が多いという点でWindows搭載のパソコンの地位は当面は揺るがないでしょう。
Windows対応の周辺機器が多いのも特徴ですね。
長々と書きましたが、簡単に言えば「困ってしまう状況が比較的少ない」ということです。
Mac OSについて

言わずと知れたApple社のデスクトップパソコン、ノートパソコンに搭載されているOSです。
【メリット】
・ITエンジニアのアプリ開発に適している
・他のApple製品との連携が容易
・フォントや辞書が豊富
・比較的動作が軽快
・アップデートされても操作感が大きく変わらない
【デメリット】
・有料である(パソコン本体価格に含まれる)
・Windowsとのデータやりとりに手間が必要
・Windowsアプリが使えない
・パソコン本体の価格高め
Apple製品を好きな人がデザインだけで選んでいるわけではありません。
Mac OSはITエンジニアにとっては開発環境として優れているという特徴があります。
また、ユーザーインターフェースが過去からほぼ変わらないところも好まれています。
Mac OSの操作に慣れた人はアップデートで操作感が大きく変わって困ることが少ないということです。
開発のためのエディタなどは、ほぼMac OSで動作可能です。
特にiOSアプリの開発には「XCODE」を使わなければいけませんが、Windowsでは使うことができません。
MacにはWindowsをインストールすることもできるので、1台でWindowsアプリとMac/iOSアプリを開発できるのです。
さらに、MacOSにはWindowsよりも優れた業務効率化ツールが装備されていることも開発者に指示される理由なのでしょう。
上記はエンジニアにとってはメリットがありますが、一般家庭で使うユーザーにとっては大きなメリットになり得ないかもしれません。
しかし、標準のフォントの種類が豊富だったり、国語・英和・和英辞書が標準装備されている、iPhoneやiPadとの連携や同期が容易であることは一般ユーザーにメリットとなるでしょう。
Windows機とのデータのやりとりにひと手間工夫が必要、Windowsアプリが使えない、パソコンの価格が高めというデメリットもあります。
Apple製品のデザインに惹かれるという方は、Mac OSの特徴をよく理解して後悔の無い買い物にしましょう。
Chrome OSについて

過去記事【カンタン解説】サクサク軽快Chromebook(クロームブック)のメリット・デメリットでも述べていますが、Google社の開発したOSです。
Chrome OSはChrome book(またはChromebox)というパソコンに実装されます。
【メリット】
・新しい端末を買ってもすぐに以前の設定で使える
・セキュリティの管理がほぼ不要
・パソコン本体価格が安価
・動作が軽い
【デメリット】
・普及がまだ進んでいないためパソコン本体の選択肢が少ない
・WindowsアプリやMacアプリが使えない(基本Googleアプリのみ)
・パソコン本体のデータ保存容量が少ない
・インターネット環境が無いとほぼ使えない
GoogleのWebブラウザ(他の例:AppleのSafariやMicrosoft edge)である「Google Chrome」がメインユーザーインタフェースとなります。
・基本的にデータはクラウド(Googleドライブ)上で管理
・セキュリティもクラウド上でGoogleが管理
・OSの更新もGoogleが自動でアップデート
・Googleアカウントがあれば、誰のChromebook(Chromebox)でも自分の端末のように使える
といった特徴があり、とにかくセキュリティ管理やデータ引っ越しの手間が少ないのです。
これにより、他のオペレーティングシステムに比べて高速起動と安定した動作が実現するというわけです。
クラウド上でアプリや管理のタスクが実行されるため、CPUの負荷とデータ保存量は少なくて済みます。
大容量データをダウンロード、アプリをインストールする必要もありません。
つまり、廉価版CPUと低容量記憶装置を載せるだけでいいのでハードウェア本体は低価格となるってわけです。
近頃は教育分野や法人業務用パソコンとして普及が進んでいますが、ドキュメント作成やインターネット閲覧、Youtube視聴程度の使い方であれば全く問題はありません。
なお、インターネットに接続しないと全くと言っていいほど使えない代物になってしまいますが、インターネットが普及した昨今では大きな問題ではないでしょう。
これからシェアを伸ばしていく可能性が高く、業界内でも注目されています。
あ、もちろん同じGoogleのスマートフォン・タブレット用OS「Android」との連携はカンタンですからね!
まとめ
それではまとめです。
◆いろんなシチュエーションで使える汎用性を重視 ⇒ Windows搭載機器
◆Apple製品しか買う気ないんじゃぁ~ ⇒ 無条件でMacOS
◆高速起動重視、セキュリティもOS更新もお任せしたい ⇒ 手間いらずのChrome OS
特にこだわりが無い方はWindows OS搭載機を購入すると間違いないでしょう。
低価格重視で軽快な動作のChrome OS搭載機も利用シーンによっては積極的に候補に入れてもいいと思います。今後普及が進んでいくと思われます。
本記事が、あなたのパソコン購入の参考になれば幸いです。
おわり
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