「小学生でも分かるように説明しろ」は半分正解で半分不正解という話

小学生でも分かるように説明しろは正しいか正しくないか考察する生地アイキャッチ
この記事を読んでほしい人
・「小学生でも分かるように説明しろ」と言われてモヤモヤする

・「小学生でも分かるように説明しろ」とはどういうことなのか

・「小学生でも分かるように説明しろ」と言うメリットとデメリット

今回の記事は、ビジネスの現場でよく使われる言葉

「小学生でも分かるように説明しろ」

について筆者の視点で考察してみたいと思います。

結論から言うと、「小学生でも分かるように説明しろ」は半分正解で半分間違いです。



まあ、ビジネスの世界やマネジメントの世界の方法論で100%正解なんてものはほとんど無いんですけどね・・・。

算数と違って、
時と場合、人それぞれの状況によって0にもなれば100にもなるし、低確率や高確率にもなる不確定なモノばかりです。

以降では、今回のテーマである「小学生でも分かるように説明しろ」が、なぜ半分正解で半分間違いなのか、以下の視点で説明していきます。

  • なぜ「小学生でも分かるように説明しろ」と言うのか?
  • 「小学生でも分かるように説明しろ」と言われた人はどう感じるのか?
  • 「小学生でも分かるように説明しろ」のメリットとデメリット



それでは行ってみましょう!

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なぜ「小学生でも分かるように説明しろ」と言うのか?

すべての人がこう言っているワケではないのは承知の上ですが、会社の先輩や上司などから「小学生でも分かるように~」と言われた経験がある人は多いのではないでしょうか?

そういう僕も何度か言われたことがあるし、周りでも言ってる人を見てきました。

ちなみに僕自身の言動を思い返してみると、誰かに向かって「小学生でも分かるように~」と言った記憶はありませんねぇ・・・。(特に意識してたワケじゃないですけど)

なぜ、一部の人は「小学生でも分かるように説明しろ」または「小学生でも分かるような資料にしなさい」と言うのでしょうか?

ここでは言う側の人を「A先輩」と、言われる側の人を「Bさん」と呼ぶことにします。

A先輩がなぜ「小学生でも~」と求めるのか。
A先輩の視点に立って状況をイメージしてみたいと思います。

「小学生でも分かるように説明しろ」と言う側(A先輩)の立場をイメージ
・Bさんを含め、他人から色々と説明や提案を受ける立場である

・Bさんを含め、他人から得る情報をまとめて判断を下す、または上層部へ報告する立場である

・Bさんの説明、または作成したドキュメントの内容をA先輩は理解できない

・Bさんの説明、または作成したドキュメントの内容をA先輩は理解できるけど、他の第三者が見たら理解しにくいだろうと思っている

・Bさんの説明、または作成したドキュメントが要点をつかんでなくて多くの人にとって本当に分かりにくい
 ※この場合A先輩は、Bさんの説明、またはBさんの作成したドキュメントを流用して判断や報告を行おうとしている

 

という感じじゃないでしょうか。

つまり、「小学生でも分かるように説明しろ」が発生するポイントとして考えられるのは、

・説明を受ける側が経営、組織の管理・監督的な立場かどうか

・説明を受けた内容を理解できる知見をA先輩自身が持っているかどうか

・説明された内容で第三者に報告するとき、内容を理解してもらえないかもしれないとA先輩が配慮するかどうか
(その場合、A先輩自身が情報を分かりやすく加工するのか、部下に再加工させるのか)

説明する側(Bさん)のプレゼン能力が相応のレベルに達しているかどうか


以上に集約される場合がほとんどではないかと考えます。

そして、

上記の状況的に事細かく説明してほしい場合に、いちいち細かく指示するのが効率的でないと判断し、簡単で抽象的な言葉で相手から情報を付け加えさせる…という流れを踏んでいるのでしょう。

このように考えたとき、「小学生でも分かるように説明しろ」という指示としては、妥当と言えば妥当に聞こえますね。

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「小学生でも分かるように説明しろ」と言われた側の反応

さて、

前項のように「小学生でも~」と言う相手の立場に想いを巡らせてみると、わりと妥当な感じがします。

しかし、一方の立場だけを考えて正解かどうかを語るのはフェアではありませんね・・・。

ということで、ここでは言われる側の人間(ここではBさん)の立場に立って考えてみます。

「小学生でも分かるように説明しろ」と言われた側(Bさん)の立場をイメージ
・あなたは本当に小学生じゃないんだから、これくらい分かってくれよ!
(説明や資料作りに時間をかけ過ぎたくないし)

・どんな目的で誰のために情報を得ようとしてるのか分からんけど、とりあえず報告しただけなのに・・・

・小学生でも分かるように説明できるように指導されてないし、具体的にどうすればいいかアドバイスちょうだいよ!

言われた側が感じるポイントとしては、

・そもそも相手を小学生と思っていない

・自分の認識と相手の認識の差が分かっていない(価値観の差)

・目的が分からないから、どんなレベルの情報を与える(または資料を作成する)べきか分からない

・どこをどう補足していいか分からない

というものが大半じゃないでしょうか?

総じてネガティブな印象…というか、そもそも指示が具体的じゃないので仮に補足・修正したとしてもダメ出しを食らう可能性が高い残念なやりとりになってしまうと思うのは僕だけでしょうか・・・。

もちろん「内容が分かりにくいな・・・」とか「もっと分かりやすく配慮しろよ」というような相手の意図は十分伝わってきます。

しかし、

じゃあどうすればいいの?

ということが具体的に分からないので、お互いが不幸になると思うのです。

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「小学生でも分かるように説明しろ」のメリットとデメリット

ここまで「小学生でも分かるように説明しろ」を言う側と、言われる側の立場になって考えてみました。

これらから考えられる「小学生でも分かるように説明しろ」のメリットとデメリットは以下のような感じじゃないでしょうか。

「小学生でも分かるように説明しろ」と言うメリット
・一言である程度の情報の解像度を上げることができる
(いちいち具体的に聞かなくていい)

・自分の理解力が低いことを悟られずに修正を要求できる
「小学生でも分かるように説明しろ」と言うデメリット
・言われた側はネガティブな印象を受けやすい(これは僕の主観)

・具体的な修正点が分からないので、相手の求めるレベルの情報に仕上がるまで無駄なやり取りが発生する(効率的でない)

言う側と言われる側の人間性や能力、置かれた状況によってはメリットが際立つこともあれば、その逆もありえるということで、

「小学生でも分かるように説明しろ」は半分正解で半分不正解

という結論に至るわけです。

まあ、なんにしても「一長一短」ということですね。

ちなみに個人的には、、、、

やっぱり時と場合によるということで、半分正解で半分不正解ですね。

ただし、

仮に小学生でも分かるようなレベルまでかみ砕いて説明してほしいことを伝えるなら、

・どこまでかみ砕いて分かりやすくしてほしいか
・何の目的があって情報を聞きたいのか

を伝えたうえで説明を受け、分かりにくかった部分を具体的に質問して情報を引き出すのがベターじゃないですかね。

小学生でも分かるように説明しろ~!

って抽象的過ぎて、どう説明するのが正解かなんて言われた側は分からないのは間違いないのですから・・・。

おわり

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