品質保証部門で勝ち組になる、出世するための働き方

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この記事を読んでほしい人
・品質保証の仕事で勝ち組になりたい!

・品質保証の仕事を頑張って出世したい!

製造業で働く人は思ってるんじゃないでしょうか?

品質保証や品質管理の仕事では勝ち組になれない、出世しにくいんじゃないの?

と。

現実には、そういう会社や組織が多いのかもしれません。

なかなか目立てる仕事じゃない(縁の下のチカラ持ち)ですから無理もないですよね・・・。

でも、安心してください。
品質保証の仕事だから勝ち組になれない、出世できないなんてことはありません。

品質保証の仕事でも、立ち回り次第で勝ち組にもなれるし、出世もできます。

「勝ち組になれない、出世できない」と思いながら仕事をするから勝ち組になれないし、出世もできないだけなんですよ。

今回の記事は、製造業で開発を10年、品質保証の業務に10年以上従事している筆者である僕が、

勝ち組になれる、出世できる品質保証の働き方

について述べてみます。

「どうせ品質保証の仕事は・・・」とマイナスに考えるくらいなら、「どうせやるなら、品質保証の仕事を真剣に取り組んで楽しんでやる!」とポジティブに考えてもらえるようになってほしいというのが僕の思いです。

それでは早速行ってみましょう。

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勝ち組になれる、出世できる人材になるための品質保証の働き方

結論から述べましょう。

会社の中で品質保証の仕事で勝ち組になるためには、

全方位で品質をマネジメントしていく

ということです。

これでは抽象的すぎるので、もう少し具体的に言葉に変えるなら

あなたが関連部門のハブ的な役割となって、世の中に送り出す製品やサービスの「品質」を支えていく

とでも言いましょうか。

イメージは下の図のような感じ。

勝ち組、出世できる品質保証部門の働き方イメージ図

ハブ的な役割となって、どんな部門のどんな部分で品質を支えていくのか?

以下に例を挙げてみます。

関連部門品質に関わる項目
営業要求仕様、製品実現性、納期の妥当性、取引価格の妥当性
開発製品設計の妥当性、開発ルールの遵守状況
製造、サービス工程の信頼性、人材管理、品質管理(検査など)、不具合の是正
製造技術製造条件妥当性、自働化、設備や工具の保守点検、検査プログラム妥当性
情報システムデータの見える化状況、情報インフラの保守点検
人事・総務人材採用基準、配置転換、教育プログラム
関連部門と品質に関わる項目の例

上記が全てではないですが、関わる部門や関わっていく内容は思ったより多いです。

そこまで関わる必要はないでしょ~

と思うかもしれません。

もちろん、各部門が責任もってやるべき部分ですし、関与しなくても会社は回っていくでしょう。

しかし、

「それを承知の上でどこまで関与できるか」によって、品質はもちろん最適なコストのかけ方、品質を意識できる人材の育成、そして何より自分自身の存在価値を高めることに大きく影響することを知っておいてほしいのです。

結果的に上記のような働き方が、あなたを勝ち組、そして出世への道に導くというのが僕の考えとなります。

ただし、
他の部門のやり方を無理矢理変えようとしたり、自分の考えを押し付けようとしたり、かき乱すような行為は逆効果です。

実践していくためには、品質保証部門の立場を堅持し、論理的な思考と客観的なデータを持って、お互いが良いと思える方向に共に進んでいく気持ちが必要なことは過去の記事でも述べているので、ご覧になってみてください。

これ以降では、上記で述べたような関連部門にどう関与していけばいいのかを少し具体的に説明します。

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営業部門と品質保証部門の関わり方

営業部門はお客様との窓口です。

新たな製品やサービスを作り出す、または既存の製品やサービスに変更がある場合、顧客と社内の関連部門のパイプ役という面で重要な部門です。

市場や顧客のニーズを的確に捉え、自社の製品やサービスの仕様をできる限り明確にし、明文化して双方合意のもとに取り交わす行為は品質にも大きな影響を与えます。

  1. 我々の実力を大きく超えるような無理な要求かどうか
  2. あいまいな部分を明確にし、コストをかけて品質を確保すべきなのか
  3. 標準的な品質を確保するのに妥当な価格で合意しているか
  4. 製品やサービス提供に対して品質を確保できるリードタイムが用意できるのか
  5. 多額な賠償を請求されるリスクの有無

上記のような観点で、品質保証部門は関与できる余地があります。

こちらの実力と顧客側との要求や品質意識の乖離が大きいと、その分品質リスクも高まることは品証部門で働く皆さんもよく知っていることでしょう。

品証部門が出来る範囲でこの乖離を縮めていく、または営業部門単体で縮めることができる体制づくりというアプローチが取れるということです。

ここで注意点。

営業部門は、

「受注獲得、拡販で売り上げに貢献する」という軸を持って仕事に励む部門。

営業部門の役割を尊重せず、彼らの思いや面目を潰すような干渉は絶対しないように。

前述したような品質リスクがある部分について、論理的な説明・客観的データを持って提案し、お客様と我々の双方の利益がうまくバランスするようにサポートできれば、営業部門からの信頼を得ることができるでしょう。

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開発部門と品質保証部門の関わり方

開発部門は、自社の製品やサービスを創出する部門です。

我々のメシのタネとなる「他にはない価値(競争力)を持った製品やサービスを考案する」という、これまた重要な役割を担っています。

品質保証部門も普段から関わることが多い部門でしょうし、ここで多くを語る必要はないかもしれませんね。

品質保証部門としては、主に設計の妥当性確認と開発ルールの遵守を第三者的にサポートが役割となるでしょう。

その際には、予防(未然防止)の観点と人材育成の観点が必要と考えます。

  1. 過去の不具合情報(原因、対策)を設計へフィードバック
  2. 設計の妥当性を統計的手法や蓄積された過去トラブルデータから判断する
  3. 上記を通して設計者の能力をあげていく(外部から刺激を入れてあげる)

僕自身、何度も痛い目に遭って教訓となっていますが、

上流の設計で手を抜いた部分は、あとあと製造現場やお客様を困らせることになるケースは多いです。

できる限り後工程への影響(トラブルのリスク度合い)を意識してもらえるような関わり方も意識しましょう。

ここでの注意点。

開発部門は、エンジニアとしてのプライドを持って仕事をしている方が多いです。

品証部門から見ても技術的な見識の無さがあったとしても、技量の無さを突っ込むような対応はやめた方がいいと思います。

品質に関する疑問を感じたら、こっちからああしろこうしろと言う前にエンジニアとしての見解を求めるようにし、彼ら自身に調べてもらった結果で会話を進めるようにしましょう。

一見めんどくさそうな対応ですが、それが彼らの知見となり、自ら調べて第三者に説明することで脳に定着するからです。

過去の品質トラブルデータの提供、第三者としての論理的な妥当性チェック、開発部門の成長を意識した問いかけを駆使できれば、開発部門からの信頼を得ることができるでしょう。

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製造、サービス部門と品質保証部門の関わり方

品質保証部門として関わる機会が最も多い部門は、製造・サービス部門ではないでしょうか?

前述したように、品質保証部が関わる部分としては工程の信頼性、人材管理、品質管理(検査など)、不具合の是正が挙げられます。

これらについて、この記事で多くを語る必要はないと思います。

多くの場合、製造・サービス部門は、

上流工程の部門のミスやお客様の過大な要求などの「しわ寄せ」がくる部門

です。

他の部門に比べると人的リソースも多い分、良くも悪くもいろんなタイプの人がいます。
それゆえに、人のマネジメントも大変です。

欠員、人間関係トラブル、急な納期前倒し、品質トラブルなどで振り回され、急かされて、疲弊し、余裕がない・・・。

気が付かない間に育ってしまった被害者マインド、他責思考

これを製造・サービス部門の責任だけにしてはいけません。

品質保証部門も含めた関連部門全体でサポートする必要があります。

ここで冒頭でも述べたように、

品質保証部門が各部門間をつなぐハブとなり、各部門の専門分野に応じたサポートができるようにマネジメントする意識が重要になってくるのです。

第三者的な立場と各部門とのコネクションを活用して、製造・サービス部門の困りごとを解決してあげることでガンガン恩を売っておきましょう。

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製造技術部門と品質保証部門の関わり方

製造技術部門の役割も色々あると思いますが、ここでは製造条件の設定や設備の保守点検に限定します。

同じようなモノを大量に作るには、自動化(自働化も含む)された設備を使用するでしょう。

自動設備を使わないにしても、工具やちょっとした治具も使うでしょうね。

設計された製品を具現化するために、

  1. 必要な製造設備の最適な条件は妥当かどうか
  2. 設備や工具の保守点検の方法や周期は、現実的に確実に実行できるものか
  3. 消耗して精度が劣化していく部分はないか、劣化が直接または間接的に検出できるか

エンジニアはプライドが高い人が多いので、
ここでも論理的思考と客観的データ、過去トラブルの蓄積をべ―スに問いかけ、彼らの技術的見解を求めるような流れで最適化を図っていきましょう。

この部分って劣化とかしないんですかね?定期的な点検とか必要でしょうか?
この設備はどれくらいの周期で消耗品交換するのが妥当なんでしょうか?

みたいに。

保全コストの過剰や不足を避け、品質維持のために適切な保全の仕組となるように導いてあげましょう。

技術的見解が出せない能力不足のエンジニアに対しては、きちんとそのエンジニアの上司から回答を得るように道筋を作ってあげましょう。


ただし、ここで注意点。
部門内で人間関係が悪そうな組織では、情報の伝達が遮断される可能性が高まります。

主観ですが、製造技術部門って職人気質でややクセの強い人が多いような気がします。(それがいいのですが)
経験の浅い社員は先輩社員に怖気づいて、コミュニケーションがとりづらい場合も。

そんな時こそ、品質保証部が「第三者」として活躍するときです。

自身の無い若いエンジニアには、「”品質保証部が聞いてこいって言ってるんです。”と上司に言えばいい。」と我々が肩の荷を半分背負ってあげて円滑に業務が進めるようにしてあげましょう。

品質保証部門を都合よく使ってくればいいのです。

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情報システム部門と品質保証部門の関わり方

業務に必要な情報処理システムの開発や導入を外注に依存している企業も多いと思います。
社内に情報システム部門を持っている企業は、その強みを活かすべきです。

業務上発生する様々なデータから、

  1. KPI(Key Performance Indicator)や業務分析結果を視覚化する
  2. ヒューマンエラーの発生防止、またはエラー検出(ポカヨケ)を行う



現代の製品やサービスの生産性向上と品質確保のためには、情報技術の活用が必須と言っても過言ではありません。

バラツキの大きい「人間の能力」への依存を少しでも減らすべく、品質保証部門は情報システム部門とも良好な関係を築く必要があります。

過去トラブルの蓄積から要件定義をサポートし、イレギュラー操作時や事故発生時でも製品やサービスの品質に影響が出ないような冗長性や可用性、完全性を確保したシステムづくりに関与すべきです。

どんなイレギュラー作業が起こり得るか、エラー復帰後の処理に品質問題を起こすリスクはないか
ここでも過去トラブルの蓄積が影響してきます。

特にITリテラシー(基本的な情報技術の理解度)が低い部門では、完成度の高い要件定義ができず、欠陥だらけのシステムになってしまうことがあります。

このような部門の製造管理システムを立ち上げる場合は、品質確保の観点から品質保証部門も要件定義段階から関わると良いでしょう。

これらの活動を通して品質保証部門自らのITリテラシーを高めることに加え、情報システム部門のエンジニアの力量もアップします。

組織内のITリテラシーが高くなれば、情報システム部門の仕事もやりやすくなります。

また、
ノウハウをため込んだ情報システムを、自社商品として同業種や異業種他社に販売できる日が来るかもしれません。

将来の新たなメシのタネになる可能性も織り込んでおくとGoodでしょう。

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人事、総務部門と品質保証部門の関わり方

「人事・総務部門」と「製品やサービスの品質」にはどんな関係があるのか?

それは、人材(人財)と教育です。


人間はミスする生き物ですし、能力も人によって様々なうえに優劣があります。

ゆえに、

適材適所や教育によってヒトの能力を無駄なく有効に活用し、さらに能力を高めることも会社の重要な課題となっているでしょう。

品質トラブルの原因を従業員個人のみに押し付けてはいけませんが、
品質トラブル要因(ヒューマンエラー)として、人間個人の能力も全く関係ないワケではないのも事実じゃないでしょうか。


・適材適所でなかった
・教育の効果がみられない
・個人の基本能力があまりにも低かった

人材採用の基準、従業員教育の仕組みなど人事・総務部門の責任がないワケがないですよね?

蓄積された過去トラブルと、そのトラブルに直接的に関わった個人のパーソナリティの傾向分析を行うことで、必要とされる人材レベル(採用基準)、現状の教育内容を見直す手がかりがつかめるはずです。

組織内で発生するトラブルを「個人のせいにすること」は良くないとされますが、採用の選考方法や基準、教育、キャリアアップ計画などと言った「人材に関する仕組み」を問題視することは悪くないですよね。

とりあえずそれなりの人間を採用したから、あとは各部門の中でうまいことやってね~で終わらないように、人事・総務部門へのフィードバックを行うことも品質の維持向上に必要だと認識しましょう。

「従業員の能力」というのは、組織のパフォーマンスに大きく影響するのが現実なのですから。

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まとめ

品質保証の仕事で勝ち組になる、出世するための働き方として、全方位で品質をマネジメントするという趣旨で述べてきました。

勝ち組、出世できる品質保証部門の働き方イメージ図
ハブとして機能する品質保証部門のイメージ図


ハブとして機能するために必要な要素は、主に以下の5つ。

品証部門がハブとなるために必要な要素
①統計的手法

②論理的思考

③過去トラブルの蓄積

④第三者的立場の徹底

⑤会社の発展を考えたコミュニケーション


私たちとは立場が異なる多くの部門にハブとして関わることで、結果的に

・個人的に多くの知識を得ることができる
・他者にも気づきを与えることができる
・お互いのコミュニケーション能力が育つ
・人脈が広がる
・組織全体のパフォーマンスが向上する

もはや組織に無くてはならない人材(人財)になってるじゃないですか!!
あとはそれを押し付けにならないように上層部にアピールすればいいのです。

どうしても評価してくれなかったら、転職またはコンサルティングで起業してもいいんじゃないですか??

ハブとしての機能を高め、結果がついてくるようになっているのなら、あなたにはそれくらいの実力がついてるはずです。

でも、品質保証部門で働く人が目指すべき最終地点は、


品質保証部門が無くてもいいようにすること


これが僕の揺るぎない思いです。

おわり

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