フォートナイトはオワコンなのか?
筆者である僕も、僕の息子もハマっている大人気バトロワゲーム「フォートナイト」。
2017年にリリースされて6年以上経過しましたが、
プレイヤー人口は3億人以上と言われている世界中で超人気のゲームタイトルです。
とは言え、YoutubeやTwitter改め「X」界隈では「フォートナイトはオワコン」という声も聞こえるようになりました。
(オワコン:終わっているコンテンツ。旬を過ぎて廃れつつあるコンテンツの意味。)
この記事では、
執筆時点(2024年1月 チャプター5シーズン1)のインターネット上の検索動向の推移を基に、フォートナイトの人気度を考察します。
調査方法:Googleトレンドによる検索キーワードの人気動向(地域:日本)
果たして、
フォートナイトはオワコンなのか?
Apex legends(エーペックスレジェンズ)やValorant(ヴァロラント)に押され気味なのか?
それでは行ってみましょう! Let’s go!
フォートナイトの検索キーワード人気度推移
過去5年間でフォートナイトの検索キーワードがどのように変化しているか見ていきましょう。
比較用として以下の人気バトロワ系シューティングゲームの人気度も調査しています。
ゲームタイトル | 調査用検索キーワード |
Fortnite | Fortnite |
Apex legends | エーペックスレジェンズ |
Valorant | Valorant |
PUBG | PUBG |
COD | コールオブデューティ |
青のグラフがフォートナイトの人気度です。
2018年3月にPS4、PCで、6月にSwitchで日本語版が配信され始めてから人気度が上がっていく
↓
2019年10月にチャプター2が配信されたときに人気度急上昇
↓
2020年2月に神シーズンと言われたチャプター2シーズン2(マイダス登場)開始~シーズン4(アイアンマン)開始あたりが人気度ピーク
↓
新シーズン開始時直後に人気度が瞬間的に上がりながら、徐々に人気度が低下していっている
↓
チャプター4シーズンオリジン~チャプター5シーズン1で人気が若干上昇傾向に
※グラフ一番右端は2024年1月21日時点、チャプター5シーズン1中です。
グラフだけで判断すると徐々に人気度低下していることが読み取れますが、5種類のタイトルの中では人気度が高く、長期間維持されていますね。
このことから、直近までのフォートナイトの日本国内での人気状況は、
・新規参入者は減少傾向
・大規模アップデートのタイミングで遠ざかっていたプレイヤーの興味が少し戻ってくる
・Apex legendsも同等の人気度、Valorantの人気がジワジワとフォートナイトに迫ってきている
という感じでしょうか。
その他ゲームタイトルの検索キーワード人気度推移
その他の人気バトロワ系シューティングゲームの人気度推移を見てみましょう。
◆Apex legends(赤グラフ)
2019年2月にPS4/Xbox/PCで配信開始で人気度上昇
↓
2021年3月のNintendo Switch配信開始後に人気度ピーク
↓
その後、人気度が下がって横ばい~減少傾向
新シーズンのアップデートで一時的に上昇(執筆時点シーズン18)
ApexはSwitch版配信開始後に人気度が急上昇しています。
やはり日本市場ではSwitchプレイヤーの動向が人気のカギとなっているのが現状ですね。
「建築」システムの無い、キャラコン、エイム勝負というシンプルな仕様が、フォートナイトに適合しなかった層の受け皿になったことも要因のひとつでしょう。
さらに、フォートナイトで大量に発生したYoutubeなどのゲーム配信者が飽和状態となり、新規市場開拓のため「別ゲー」の配信を始めたのも理由であると思います。
現時点の人気度はフォートナイトに匹敵しており、今後多くのユーザーを獲得できるか、強力なインフルエンサーと共に話題性を提供し続けることができるかが「フォートナイト越えのカギ」です。
◆Valorant(黄グラフ)
2020年6月にPCで配信で注目される
↓
2022年3月あたりから人気度若干上昇中
Valoantは、最大5 vs 5の対戦型FPS。
フォートナイトやApexのような広大なマップでのバトルロワイヤルではないのでゲームの性質が違いますが、フォートナイトプレイヤーが一部流れているようです。
比較的グラフィック負荷が低いので、低スペックPCでも高いFPS(フレームレート)で遊べます。
今後は、コンソール機(Play Statin、Switch等)でも配信されれば、さらに人気を獲得できるかもしれません。
Valorantのゲーム配信者が増え、プロゲームチームでもValorant部門が作られるなど、少しずつユーザーを獲得していっているようです。
かなりエイム力がモノを言うゲームなので、エイムを鍛えたいフォートナイト勢がValorantでトレーニングすることも。
現状はまだフォートナイトを脅かすに存在ではないと思っていましたが、ジワジワと人気度が上がってきています。
◆PUBG(緑グラフ)
2017年12月PC版リリース
↓
2018年8月にXbox、12月にPS4配信開始
↓
その後、人気度は右肩下がり
フォートナイトと比較すると人気度は相対的に低く見えますが、購入するタイプのゲームとしてはマインクラフトやWii Sportsなどについで世界で最も売れたゲームの一つです。
「フォートナイトはPUBGのパクリ」と言われていたように、大規模TPSバトロワゲームの草分け的存在。
世界的に見ればプレイヤー人口はまだまだ多く、オーソドックスで現実に近い世界観と武器を好む人には長く愛されているゲームですね。
ただし、日本国内ではフォートナイトの方が人気度は高いという状況です。
◆コールオブデューティ(紫グラフ)
2003年12月にPC版/Play Station/Xboxリリース
↓
2022年10月時点で最新版がPC/PS4/PS5/Xboxでリリースされている
リリースは2003年と古いですが、現在も一定の人気度を保っています。
ちなみに下のグラフは、今回の5タイトルの人気度調査範囲を「すべての国」とした場合です。
調査範囲を全世界で見た場合、直近でフォートナイト人気度がかなり上昇しています。
古参勢には嬉しかったチャプター1を再現したシーズンオリジンからチャプター5での新要素追加で、古参勢の戻りと新規プレイヤーの獲得があったのでしょう。
このグラフを見て思うのは、リリース直後のフォートナイトは世界的に圧倒的な人気だったんだなぁ…と。
そして、
一時期の圧倒的人気のピークは越えましたが、今でもフォートナイトは世界的に人気が高いんだなということです。
フォートナイトはオワコンなのか?僕の見解
フォートナイトの人気は高度成長期を過ぎて、「低成長期」または「成熟期」に入っていると言っていいでしょう。
そして「転換期」を模索しているところではないでしょうか。
息の長い定番タイトルになってしまうと、どうしてもピーク時のような人気とはならないし、横ばいならいい方です。
日本国内では「Apex Legends」、「Valorant」が台頭し、バトロワゲームユーザーの取り合いになっています。
現時点はかつてほどの人気には陰りがありますが、それでもフォートナイトはまだまだバトロワゲームのトップランナーですね。
つまり、オワコンではないということです。
どんなゲームでもそうですがシリーズ初期の爆発的な人気を維持することは困難です。
ライバルとなるゲームタイトルも後からどんどん出てくるので、どうしても人気度は分散されていきます。
フォートナイトはリリースされて6年が経過する中で、マップが大きく変わったり、ゲームシステムのマイナーチェンジを繰り返したり数々のアップデートをしてきました。
これらは、ゲームシステムのマンネリ化でプレイヤーが飽きてしまうことを防ぐためです。
※人気度が減少傾向とは言っても直近1年のGoogleトレンドの人気度は、ドラゴンクエスト、ファイナルファンタジー、マリオカート、マインクラフトのような定番人気ゲームよりも圧倒的に高い!
続いて、
新規参入者が減少している理由としてあげられるのは、フォートナイト特有の「建築」要素と言われています。
建築・編集を使いこなすには、相当なプレイ時間と年月が必要。
古参の経験豊富なプレイヤーは、自由自在に「建築」・「編集」を繰り出して有利に戦いを進めます。
そんな猛者と初心者がマッチングすれば、勝つ確率は限りなく低いです。
コテンパンにやられ続けて、ApexやValorantなど他のゲームに流れる人がいることも事実。
それでも、「フォートナイトはオワコン」と叫ぶにはまだ早いんじゃないでしょうか?
なぜなら、他の人気バトロワゲームには無い大きな強みをフォートナイトは持っているからです。
・唯一無二の建築システム搭載
・ソロでプレイできる
フォートナイト特有の建築システムは、すでに述べたように初心者には取っつきにくいのですが、建築を駆使するバトルの面白さは他のシューティングゲームには無いものです。
この楽しさに慣れてしまったプレイヤーは、カンタンには他のゲームに流れないでしょう。
さらに、
ゲーム内のフレンドがいなくても一人でプレイできるのもいいところです。
人気上昇中のApex Legendsには「ソロモード」がありません。
オンライン上で見ず知らずの人とチームを組むと気遣いや嫌な思いをすることも多いです。
陰キャには向いていません(笑)
ひとりでも気兼ねなくバトロワゲームを楽しめるのもフォートナイトのいいところ。
日本国内のバトロワシューティングゲームの人気は、フォートナイト、Apexの2極化となるのか?
フォートナイトの建築なしモード「ゼロビルド」が独自の発展を遂げて、フォートナイト1強に返り咲くのか?
といったところが当面の気になるところかな…と僕は考えます。
さいごに
検索キーワードの推移は減少傾向ですが、フォートナイトの賞金付き大会も増え、賞金額も上がり、プロプレイヤーも増えている現状では「衰退期」という言葉はふさわしくありません。
今後フォートナイトの人気を維持、さらに発展させていくためには以下の3点がカギのように思います。
- グラフィック描写能力の大幅な向上
- マッチングシステムの改良
- 「ゼロビルドモード」の独自発展
①グラフィック描写能力の大幅な向上
パソコンは当然のこと、コンソール機(Switch/Play Station/Xbox)においても高画質で高いフレームレート(fps)でプレイできるような環境づくり。
ソフトウェアの進化と共に、ハードウェアも大きく進化(さらに低価格化)できれば、既存プレイヤーも新規プレイヤーにも魅力的です。
②マッチングシステムの改良
なかなか難しいとは思いますが、今以上に同じような実力のプレイヤー同士でマッチングできる「マッチングシステム」の改良も多くの人が望んでいること。
猛者に瞬殺され続けて萎えてしまう新規参入者を逃がさないためにも、なんとかお願いしたいところです。
※チャプター4シーズン3から、アリーナモードが廃止されてApexのような「ランクシステム」に変更されました。
これにより、マッチング時間が長くなるランク帯が出てくるデメリットはありますが、同じような実力のプレイヤーでマッチングされやすくなったと思います。
賛否両論あると思いますが、「ランクシステム」の導入はプレイヤーの満足度を考えたEpic gamesの英断であると僕は考えています。
③「ゼロビルドモード」の独自発展
建築なしのゼロビルドモードが2022年に実装されました。
古参プレイヤーにとっては「建築なし」だと物足らないプレイヤーが大半でしょうけど、純粋にキャラコンとエイム、斜線管理を楽しめるモードとして素晴らしいトライだと思います。
既存プレイヤーはキャラコンとエイム、建築に甘えない立ち回りを強化できるし、新規参入者には参入の敷居が低くなるメリットがあります。
マップや障害物、建物、武器やアイテムなどをゼロビルドモードに特化して、建築ありモードと大きくことなる環境にしてしまえば、新たなジャンルとして確立できるんじゃないでしょうか?
僕なんかが言うまでもなく、エピックさん、ハードウェアメーカーさんは当然これらの課題に取り組んでいると思います。
関係者の今後の活躍に期待です。
フォートナイトはまだまだオワコンじゃない。
以上
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