■この記事のターゲット
製造業の品質保証部門の方で、
・品質問題で生産停止を指示した時に社内他部門とのバトルでマウント取りたい
・生産管理部門の気持ちはわかるが、品質第一のためということを植え付けたい
・生産管理部門も危機感を持って是々非々で対応してほしい
今回の製造業の品質保証部 想定問答は
品質問題のため生産計画を急遽変えなければならない時に、鬼のような形相で突っかかってくる生産管理部門
というケースです。例えば、
・製造ラインからの品質異常アラームでやむを得ずラインを停止する
・お客様立会の品質監査があるため、監査対象の製品を急遽流す必要が発生
ということは生産現場ではよくあることでしょう。
品質保証部門は品質第一ではありますが、やたらめっぽうに生産停止しているわけではありません。
不具合流出のリスクやお客様影響などを考慮して判断しています。
にも関わらず、生産計画が乱れたことにより速攻で品質保証部門へ駆け込み
納期が守れないじゃないですか!
あとのリカバリーまで面倒見てくださいよ!
と怒鳴りこんでくるイケイケの0か1で判断しがちな生産管理部門の方もいらっしゃるでしょう。
誤解しないでほしいですが、バカにしているわけではありません。
トラブルが即数字に表れる部門なので、躍起になる気持ちは十分理解できます。
しかし!我々は品質保証部門。
お金や納期のことは専門の部門でなんとかしてください(^^;
我々は、品質でお客様の満足度をはかることを請け負っている部門なんですもん・・・。
ということで、今回も想定ダイアログをお送りします。
毎度のことながらキツイ表現を使っていますが、分かりやすくするために誇張しています。
賢明な皆さんはもっと紳士的な対応ができると思うので、参考程度にして忠実にマネはしないでくださいね。
vs 生産停止指示した時に怒鳴り込んできた生産管理部門
温厚で人懐っこい品質保証部のAさん。
いつも飄々としていますが、品質を守るためには他部門との衝突もいとわず言う事は言う。
もちろん影響を受ける他部門の立場も考えて、できるだけバランスを取る意識も忘れずに元気に仕事に励んでいます。
今日は生産ラインから重大トラブルのアラームを受け、上司に相談した結果生産ラインをストップする決断をしました。
ひとまず関連部門の幹部には報告を終え、意気揚々とトラブル終息に向けて原因調査に乗り出します。
Aさん
♪胸に残り~、離れな~い苦いriskの匂~い
リスク~潰す~までは帰~れなぁ~いぃ~♪
さあ、やるかぁ~!
そんな矢先でした。
生産管理部門の担当者Bさんが鬼のような形相で怒鳴り込んできました。
Bさんは数字と納期には人一倍うるさく、計画通りに事が運ばないとキレやすいタイプです。
Bさん
ちょっとAさん!
生産停止ってどういうことですか!
聞いてないですけど!
Aさん
後で連絡しようと思ってたけど、とりあえず事が事だけに停止を優先させました
すみません。事前連絡なしに・・・
Bさん
いつもいつもいきなり止めてくれますけど、そのあとの納期調整とか計画見直しとか大変なんですよ!
分かってますか?
Aさん
まあ分からなくもないですが、そんなに怒らなくてもいいじゃないですかぁ
止めなきゃいけないことには変わりないんですし・・・
そちらの立場を考えれば大変でしょうけど、そこはしゃーないっす
Bさん
ちょっとでも事前に連絡くれてもいいじゃないですか!
Aさん
事前に連絡してたら、こんな風になっちゃって時間がかかるでしょ?
それに一応お宅の上司には事前に連絡してるし、そんなに問題ですか?
Bさん
問題ですよ!
お客様へはお詫びしなきゃしけないし、また一から計画練り直しじゃないですか!
Aさん
それって業務上十分あり得ることじゃないですか
それも含めての生産管理でしょ?
ちなみにお客様に謝るのは営業部門ですけど・・・話を盛らないでください
Bさん
・・・とにかくこんなに急にやられると困るんです!
かわりに関係部門との調整やリカバリーやってくれるんですか?
Aさん
やりませんよ(笑)
というか「やれません」というのが正しいですね
専門家じゃないんで
だからこれも含めてそちらの仕事じゃないですか・・・
Bさん
よりにもよって年度末に近づいてて調整効きにくいこの時期に!
そういう事情も考えるのも必要じゃないんですか?
めんどくさいな・・・。さすがにイライラしてきたぞ!オレに変われ!
Aさん
いやいやいやいや・・・
それで納期には間に合ったものの不良品で即回収の方がよっぽど迷惑だろ
不良品の押し付けするなんざ、どんだけぇ~って思われるぞ
Aさん
不良のリスク満載の製品を大量出荷して不具合出て謝るのと、
多くのお客様に迷惑をかけてはならないので「万全を期して不良リスクの排除をするので申し訳ありませんが数日間の猶予をください」と謝るのと
どっちがお互いのためだと思う?
こんな会話より、はやく原因調査して再開できる日程を決める方に集中した方がいいっつーの!
Bさん
と、とにかく納得できません!
Aさん
気持ちは分からなくはないが、あなたが納得するかどうかは問題じゃない
それよりさ、あんまり感情を表に出して業務に影響があるようだとAIに仕事やらせた方がいいってなっちゃうよ?
Aさん
それでなくても、生産管理などの業務は将来的にAIに奪われる筆頭みたいな内容じゃないですか
AIにパラメータ入れるとパパッと生産計画練り直してくれるとかいいじゃないですか?
こんな無駄話しなくて済むし
Bさん
ぐぬぬぬ・・・!
Aさん
というのは冗談で、あなたの気持ちも理解できますけど、こちらも信念もってやってるんですよ
会社的には品質第一って言ってるじゃないですか
あなたのその情熱をちょっとでも品質にも向けてくれると我々もすごく助かりますし、お客様へのアピールにもなると思うんですけどねぇ
Aさん
あなたが言ってくれるとインパクトがありますからね(笑)
Bさん
ふんっ!上司と話してくる!
Aさん
じゃあ、後よろしく頼みますよ!
さいごに
さあ、生産管理部門のBさんはどのように感じたんでしょうかね・・・。
まあ結局は粛々と進めるしかないんですがね。
余計に関係を悪くしたかもしれませんが、言うべきことは言わなきゃこっちの想いも伝わらないし、相手の気持ちも汲んでやることができません。
特に生産管理部門など、データ見てパズルゲームするような部門(失礼な表現だったらすみません)は現実問題
AIに食われていく業務の代表格じゃないでしょうか?
危機感持ってより良いサービスを模索したり、個人スキルを伸ばしていくことも会社全体としてはプラスになります。
普段はドタバタと納期に追われてしまって、その辺の意識を忘れがちになってしまうかもしれませんが、他部門に危機感を持たせて質の向上を図るのも会社として品質を担保するための方法の一つです。
強弱、剛柔使い分けながら周りを巻き込んで関係者の品質意識を上げましょうよ!
我々がラクになるように。
おわり
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