■この記事のターゲット
・管理職になりたくない、出世したくないサラリーマン
・管理職にならなくても社内で生き残るには?
・ヒラ社員のままでも楽しく仕事していきたい!
今回の記事では、管理職にならずとも楽しく仕事をして成果を出しながら生き残るためのスキル・マインドとポジショニングについて触れてみたいと思います。
人材派遣・人材紹介のマンパワーグループが2020年2月に行った調査によると、20~50代のサラリーマン男女の80%強が「管理職になりたくない」そうです。
その理由は、多いものから順に「責任の重い仕事をしたくない」、「報酬面でのメリットが少ない」、「業務負担が増える」といったもの…。
その気持ちも分かりますよ…
実際に、昇進後の急激なストレス増加でメンタル病んで休職する管理職を目にする機会は多いです(いわゆる「昇進うつ」)。
人手不足の中、特に中間管理職はやらなきゃいけないことはたくさんあります。
仕事を円滑に回さないといけない
部下の育成もしなけりゃいけない
多様性を気にしながら上からも下からもあれこれ言われても真摯に対応しないといけない
ちょっとしたことでパワハラとも言われかねないetc…
なのに、たいして給料が高くないというのが多くの企業での管理職の現実じゃないでしょうか?
まあ、どこの企業も余裕がないってことですね…。
もちろん、大企業の管理職や景気の良い会社だと管理職の報酬が高いところもあるでしょうが、当然競争倍率は激しく困難な道のりです。
そんなハイリスクローリターンな管理職を好き好んでやりたい人は、データから見ても現在は少数派ということ。
なりたい人、自分で向いていると思っている人がしっかり研鑽を積んで管理職になればいいんじゃないですか?
というのが、僕の考えです。
管理職になりたくない人の中にも、管理職になってみれば能力が開花する人もいるでしょうが、なりたくない人がやるよりは、 精神衛生上の観点から「なりたい人がやるべき」でしょう。
そもそも、なりたくないと思わせるような会社のシステムや空気感がおかしいんです
管理職にならずに、会社でずっと存在感を発揮して生き延びるためにはどうすればいいんでしょうか?
僕の考えはこうです。
以上の5つをまじめに実践すれば、会社にとって貴重な人材となることは間違いないです。
しかし、そうなると管理職への打診が来ますが、そこは断っていいでしょう。報復人事が来ても、この5つの項目を体現できるようになっていれば、どこ組織や会社に行っても十分やっていけますよ。
それでは一つずつ補足説明していきますが、その前に特に何も考えずに管理職にならずに定年まで過ごす場合を想像してみましょう。
管理職にならない場合の想定される未来の例
職種にもよると思いますが、20~30代前半までであれば、まず目の前の様々な仕事をこなして失敗しながら自分のモノにしていく時期だと思います。
マジメに仕事していれば、ある程度の案件であれば自分ひとりの裁量で決断を下し、類似の案件もこれまで経験したパターンで対処できるようになるでしょう。
日々の慌ただしい雑務や細かいテクニカルな部分を経験するのは 20~30代前半の時期で十分です。
その後、それなりに仕事ができると評価されれば管理職登用の打診が来ると思いますが、それを断ったとします。
その後待ち受けるのは、緊急で重要な仕事ばかりになっていくこと。
(急なお客様依頼への対応、納期調整、トラブル処置、短納期の設計、人海戦術での労働など)
若手よりもチャチャっとできるし、人脈もそれなりにできているのでバリバリ仕事をこなせて舞い込む仕事をさばいていけるでしょう。
しかし、それも年齢による体力の衰えとともにこなせる量・スピードが落ちていきます。経験的にも40歳前後で多くの人は柔軟な考えができなくなり、体のあちこちにも異変が起こり始める時期です。
凡ミスが増え、優秀な若手にも追いつかれそう。
残業で取り返す…それは悪手です
心身の疲労を溜めてしまうことになり、体を壊すリスクが増大します。もうそんな無理できる身体じゃないんですから。
過去に僕が勤めていた某電機メーカーの組合資料に書かれていたのですが、ある部門の組合員の平均寿命が定年より低いというデータも見たことがあり戦慄が走ったのを覚えています。
それでも何とか50代まで生き残れたとしても、格好のリストラ材料または左遷材料となるわけです。
その時、人事部に
あなたには何ができるんですか?
と問われたら、今貰っている給料に見合ったものを会社に与えることができると答えることができるでしょうか?それはあなたにしかできないことでしょうか?
正社員であったとしても、給料に見合わない働きをする40代後半~50代従業員は会社としては最もコストパフォーマンスの悪い部類にカテゴライズされます。
リストラで新たな道を探すのか、左遷先で角が立たないように定年まで過ごすのか…良いか悪いかは人それぞれですが、そうはなりたくない人に向けて僕が実践していること、さきほどの5つのポイントについて説明します。
日々納期に追われる仕事と重要でない仕事を避けるポジショニングを意識
上の図は、ビジネス書でもよく見られる優先すべき仕事の順位付けに使われる仕事の性質の分類です。
まず避けなければいけないのは、「緊急性はなく重要でない仕事」です。これは「やらない」、「廃止する」を真っ先に考えます。
そして、次に「緊急性があり、重要でない仕事」です。社内の定例の会議資料や、社外への定期的なレポート提出などがそうですね。これは誰かに任せるか、自動化で効率化を図りましょう。
続いて「緊急性があり、重要な仕事」です。前述した急なお客様依頼への対応、納期調整、トラブル処置、短納期の設計などがそう。
もちろんこれも重要なのですが、こればっかりやってると会社の基盤を盤石にするための将来に向けた仕事ができなくなるのです。
だれもがこの 「緊急性があり、重要な仕事」 にフォーカスしがちですが、誰かが最も重要な「緊急性はないが、重要な仕事」をしないと会社全体がステップアップすることができないことを知りましょう。
例えば、
既存ルールの見直しによる会社体質の変革
将来のメシの種になる基礎研究や市場調査
人材育成プログラムの構築
従業員のマインド醸成
様々なバックグラウンドデータの積み上げとそれを活用した経営判断手法確立
などがこれにあたります。
会社の基盤をいじることになるので、衝突も増えるでしょうし、嫌われ役にならなくてはいけないポジションになりますが、それゆえにポジションとして空きやすいですし、このポジションに立候補すると基本的には会社のためになるので前向きに考えてくれるはずです。
このポジションに移るには嘘でもホントでもどんな理由でも構いません。
単純に「会社の将来のためにやりたい!」というものいいですし、「体を壊してしまったので負荷は低いけど重要な仕事をやらせて欲しい」と頼み込むのもありです。
理由はどうあれドップリこのポジションで仕事をする人間がいると、今まで多くの人が困っていた課題を解決することになるので、会社にもプラスになりますし、働くあなたもやりがいをもって働くことができるはずです。
緊急ではないが、重要な仕事でアウトプットを出し続ける
これは誰もが、心の中では願っていることです。しかし、日々の慌ただしさで手を付けることができないというのが現実はないでしょうか。
このポジションにつくことができれば、比較的余裕が生まれます。よって他のバタバタしている人から見ると「アイツ暇でいいよなぁ」なんて心の中で思われるのは間違いないでしょう。
そんなことは些細なことです。
誰かがやらなきゃ会社の将来が終わっちゃうかもしれないんですから堂々と余裕をもってドッシリ構えればいいのです。
しかし、重要なのは完璧でなくても目に見えるアウトプットを出し続けることです。
いままでは時間が無くてじっくり分析できなかったことを様々な切り口で分析して進む方向性を定めていく、小難しい教育資料を誰が見ても分かるように作り変える、本質的な従業員アンケートをとってみるなど、今後の大きな変化のための小さな積み上げをしていけばいいのです。
そうすると、周りからも「あ、あいつオレがやりたかったことやってるな」というように感心してくれるようになります。そうして信頼を積み上げていくことが最初は大事になってくるかと。
自分の好きな分野、得意な分野で他を圧倒する
やっぱりどうせやるなら、好きな分野や得意な分野がベストです。なんせ情熱が自然と湧いてきますから。
たとえば、喋りが苦手でも文章を書くことが好きなら、スキルを活かして徹底的に文章力やプレゼン資料作りを極めるといいでしょう。
喋りが得意な人は、その場で聞いた人に良いイメージを与えることができますが、時がたつと相手も忘れますよ。
ここは文字や絵のチカラの本領発揮です。どうすれば相手は言いたいことを理解してくれるか常に意識しながら、相手の立場に立ってこだわりぬいた資料は一つの財産にもなり得ます。
もちろん、実験が好きな人は様々な切り口で実験データを蓄積し、実験から得られた知見を基に新たな進むべき道を示すこともできます。
「ただの仕事でやってる」人は、「好きでやってる」人にはクォリティと量では勝てませんよ。
是非、自分の得意で好きな分野をベースに他人が認めざるを得ない結果をだしてください。
オンリーワンになり、スキルを継続的に切磋琢磨し続けることができれば長く生き残る人材となれるでしょう。
人間関係に深入りしない
多くの人と円滑なコミュニケーションを取ることは大事ですが、あまり深入りすると自分の業務の妨げになることもあります。
仲良くなった人の頼みを断れない、あの人が苦労しないように導入するルールに少し余裕を持たせておくか…などの「しがらみ」が発生すると、中途半端な成果になりかねません。
人間関係のコミュニケーションはほどほどに、事実と現実とはしっかりコミュニケーションをとるというドライさがないと成長が遅くなってしまいますよ。
何かを得るためには相応の代価を払わねばならないことは、古来より不変の原則です。
常に会社の利益を考えながら、お客様視点を忘れない
組織の利益を考えるだけでも十分かもしれませんが、せっかくなので会社経営者の気持ちになって自分の仕事がどう会社の利益につながるかという観点を持ち続けると、他と圧倒的な成果の差が出てきます。
自分で0→1円を稼ぐつもりで自分の施策を練り上げるんです。その際には自然とお客様(もちろん社外だけではなく社内の他部門もお客様)としての視点で考えるようになってきます。
このお客様視点を忘れずに、製品やサービスを届けた先にお客様のどういう明るい未来が実現するのかを具体的にイメージできるのであれば、もはやあなたはヘタな管理職を超えた存在になっていることでしょう。
さいごに
今回紹介したことは、ある程度能力がある人ならこれまですでに考えたこともあったと思います。しかし、行動に移すのが大変なのです。
ですが、周りの人間は大して深く考えていません。日々をしのぐのに精一杯ですから。
あなたが「会社の将来をこうしていきたい!」という情熱があるうちに、まずは「緊急ではないが、重要な仕事」がドップリできるポジションに移動してください。
仮に失敗しても大きな損害にはならないですよ(笑)
あなた自身がビジネスマンとして、楽しみながら大きく成長できるポジションを見つけることが最優先です!
あなたが管理職にならずに楽しく仕事ができることを心からお祈りします。
おわり
コメント