製造/サービス現場の品質マインド向上のために品質保証部ができること

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■この記事のターゲット
・製造現場の従業員の品質意識が低くて困っている
・品質保証部が品質問題の対策を取らされることに違和感を感じる
・どういうアプローチで品質意識を高めていけばいいのか?

今回の記事では、製造業での品質保証部門が製造現場の品質意識を上げていくためには、どのよう教育、どのような考え方が必要なのかについて述べたいと思います。

僕はこれまで20年以上に渡り、3社の製造メーカーで開発と品質保証の現場を経験しています。

品質保証部の仕事は、要求された品質の製品やサービスに対して品質リスクが無いように設計部門に「設計してもらう」、製造現場に「作ってもらう」ためにサポートすることだと思っています。
※一般的には「~させる」という立場のようですが、個人的にこの表現は好きではありません。



問題が起きた時に対処するのが品質保証ではありません。

問題が起きないように教育、リスク抽出、ルール作り、ルールを守っているか監視をするのが品質保証です。

今回の場合は、

大事なパートナーである製造・サービスの現場に向けて、どうしたら品質意識を高めてあげられるか?

という観点で述べています。

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品質意識を高めるには現場の「実態」把握が第一

現場作業者ひとりひとりの品質意識を高めて不良を減らしたい!
ということで、

「品質を上げろ!」

「正確に作業しろ!」

と現場に指示して簡単に品質が上がれば苦労はないですよね。

しかし現場の現実はそんな簡単なものではありません。

・納期がひっ迫している
・コストダウンを強く要求されている
・設備のトラブルが多発している
・生産計画が頻繁に変わることへの対応
・新製品の試作対応による生産調整
・人間関係によるコミュニケーショントラブル

様々な外的要因により製造現場は目の前のトラブル対処に目が向かってしまう傾向にあるため、抽象的な指示だけで品質意識を高めることは困難です。

まずやるべきことは、

製造・サービスの現場従業員の気持ちになって実態を確認する

以外にありません。

表面上のデータや表面上のヒアリングだけでは現場の実態を把握することは難しいです。

品質トラブルが継続している現場では、データの信ぴょう性の問題、従業員の建前コメントなどのフィルタが存在します。

つまり自ら入り込んで実態を調査しなければ、何が問題で品質意識が低下しているのか見えづらくなっているのです。

現場において何に困っているのか、どういう気持ちで作業しているのかも把握したうえで適した施策を打たないと効果が期待できないということです。

ルールがない事が問題なのか、ルールを守らないことが問題なのか、ルールが現実に合ってないのかを掴み、その原因は何なのかを徹底的に追求しましょう。

トラブルの影には必ず理由があるんです。

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教育の時は「会社の品質方針」から順に追って説明する

多くの製造業やサービス業では、品質(要求仕様を満たす度合い)を最優先としているのが一般的です。

もちろんコストも納期も重要な要素ですが、多くの不良品を安く速く作っても長期的に見ればお客様からの信用を失うだけ。

現場の品質問題の要因は様々です。

しかし、最終的に帰結するのは「人間の意識」が影響するものと考えます。

様々なトラブルは最終的に会社の品質方針が末端まで浸透していない、品質確保のためのルールを守らない、ルールが現実に合っていないことが根源であると経験上感じています。

どんなに立派なITシステム、ロボットを持っていてもそれを扱うのが人間である以上、ヒューマンエラーは起きます。

人の教育、規律を守るマインドは、ビジネスだけに限らず重要であるのは今後も変わらないでしょう。

今一度、会社の品質方針を確認してください。

自分の会社は「品質(安全も)」を優先して行動すること、そのための組織とルールがあることを分からせないといけません。

会社の品質方針があって
 ↓
会社、各組織の品質目標があって
 ↓
目標を達成するための社内ルールがあって
 ↓
会社のルールを守って行動して
 ↓
第三者目線でルールを守っているか監視する

これが基本です。

最初の教育、定期的な教育で体系的に品質教育を行えば、従業員個々のマインドが会社の想いに近づきます。

当然ルールが無い、ルールが実用的でない、ルールが実態と合わないというケースだってあります。

それ自体は悪いことではありません。
ルールが無ければ作ればいいし、ルールが実用的でなければ見直せばいいだけです。

教育・指導をしてもルールを守ることや組織のために動くことができない人もいるでしょう。

そういう人は、会社としての就業規則で異動や解雇などの処分を決めなければいけません。

品質へのリスクが最も高いのは、「規律を軽んじる人間」なのですから。

会社方針と会社のルールを定期的に教育していて、それに従わないという実態があれば、解雇の理由としては十分でしょう。

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ルールを守らなかったらどうなるかイメージさせる

「ルールを守れ!」

と言っても、何のためのルールなのか、誰のためのルールなのかが分からないと手を抜いてしまうのが人間ってやつです。

例えば、空き缶をポイ捨てするヤツが地球の環境破壊を加速させていることを意識していないって感じです。

自分がルールを守らなかったことで「何が起こり、誰が困って、会社にとってどういう損害があるのか」ということを具体的に例示してあげる必要があります。

ルールを守らないということは誰かを困らせること、誰かを困らせるということは会社の存続に影響することを理解すれば、やすやすとルール違反はできません。

意識を植え付けたい人の脳裏にイメージとして焼き付く具体的な理由を挙げてあげましょう。

それでもルールを守らない人がいるから警察という組織が必要なように、品質保証部はルール違反者を取り締まるのも仕事なわけですね。

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従業員にどういうメリットがあるのか理解させる

誰しも自分にとってお得な情報やメリットについては真面目に話を聞きますよね?

教育も一緒です。

教育を受けた人が教えに従うことで、明るい未来がイメージできるか、生活の役に立つかをいかに理解してもらえるかにかかってます。

ちょっとでも「自分には関係ないや」と思われたら終わりです。

自分事と思えば下手な行動はできません。

ルールを守ることによって誰が喜び、それが最終的に自分にどんなメリットとして還ってくるかを具体的にイメージできるように教育することを意識しましょう。

ルールを守ることでトラブルが減って結果的に仕事がラクになります!
ルールを守ることでこんな能力が身に付きます!
ルールを守り続けることであなたの賞与が増えます!

と言った分かりやすいセールストークも必要ということですね。

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現場の生の声を聴くには信頼関係を築く

すでに述べましたが、問題を解決するには正しく実態を把握して根本原因をつかまなければいけません。

常に現場に張り付くことができない人にとっては、現場の生の声は非常に重要な情報です。

しかし、すべての現場従業員がホンネで話してくれるとは限りません。

殺伐とした現場では被害者意識が先行し、間接部門や管理職への不満が溢れていることが多いです。

こうなってしまうのは現場の彼らが悪いわけではありません。
生産計画、営業、設計開発部門などの上流部門のミスは、最終的に製造・サービス現場にシワ寄せが来るものなので、被害者意識が育ちやすいのです。

そのような関係では、こちらの話をマジメに聞いてくれるわけもなく、彼らが心を開いて話をしてくれる可能性は低くなります。

話したところでどうせ変わらない
現場の苦しみなんて分からないだろ
上から目線が気に入らない
口だけだして具体的なことは現場任せだろ

こんな思いを抱いている彼らに信頼されるような言動が求められるということです。

信頼を得るためには、現場に足しげく通うことが第一です。
どんなに疎まれても彼らの動きを観察し、彼らの立場になって実態を直視する。

現場で頑張っているおかげで企業が社会に提供するモノやサービスが具現化していることへの敬意を忘れてはいけません。

困っていることは無いか、現行のルールは現場で機能できるルールなのか、彼らを助けるために何か提案できることは無いか…

現場を助けてあげる気持ちで、10個の困っていることに対して1個でも2個でも解決してあげたらどうなるでしょう?

彼らは、

この人は動いてくれる人だ

と認識し、いろんな情報をくれるようになります。

現場はちゃんと人を見て会話しています。

ある現場の人に「何か問題はないですか?」と聞いても

・「特にないです」と返される人
・「いやぁ、今これにホトホト困ってるんですよ~」と返される人


どちらが信頼されてるかは分かりますよね?

もちろん現場の困りごとすべてに対応できるわけではないですが、優先したい1個か2個の案件については、ちゃんと対処していることが現場にも分かるように動いてあげましょう。

Give and Takeの精神で、まずはGiveする(与えてあげる)こと

これを繰り返すうちに信頼関係が生まれ、現場からの恩返しをTake(手にする)ことができるのです。

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さいごに

あなたの会社の品質保証部門は忙しいでしょうか?

トラブル対応で常に忙しいなら、活動の仕方が良くないということです。

私見ですが、品質保証部はヒマでないといけません。ヒマであることが成果です。

トラブル対応の事後コストは本来不要なコストですし、トラブルが起きるということは品質を保証できていないということです。

関連部門の仕事の品質を高めることができれば結果的にトラブルは減り、品質保証部の人間は最小限にできる…というのが理想形。

よって未然防止へリソースをシフトし、現場でトラブルが起きないようにして余計なコストをかけないようにすることが品質保証部門に求められています。

人の教育、マインド醸成といった草の根活動的な仕事は、ある程度余裕がある環境でないと実のある仕事になりません。

どうすればヒマになれるのか

という観点を持ちながら仕事に取り組めば、何をすべきかが自ずと見えてくるでしょう。

頑張ろう 品質保証部!

おわり

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