嫌われる品質保証部門、品質管理部門「3つ」の言動・立ち振る舞い

嫌われる品質保証部門の行動3選
この記事を読んでほしい人
・他部門と円滑なコミュニケーションで品質のレベルアップを図りたい

・俺たちは他部門から嫌われているなぁと感じている品質保証部門

 

筆者である僕は、製造業で10年以上品質保証の仕事に従事しています。

これまでの業務で経験してきたことを、自分に言い聞かせる意味も込めて当ブログにて発信してきました。


過去の記事でも述べましたが、品質保証や品質管理部門は社内の他部門からネガティブなイメージを持たれている傾向にあります。

まあ、実際問題「嫌われ役」を演じることも品質保証部門の仕事。
公正に、厳粛に他部門に対して言いにくいことを言わなければなりません。


人間関係的な好き嫌いはどうでもいいです。
でも、品証部門の組織自体が他部門から嫌われてしまったら通常業務に支障をきたしちゃいます。

嫌われ役を演じるだけであって、本当に嫌われてしまったらいけません。


例えば、品質保証部門から口うるさく言われても

「あの人が言ってることは間違ってないし、次からちゃんとできるように努力しよう!」

と思ってもらえるのが理想です。

我々は、そう思ってもらえる存在でなければいけません。


今回の記事は、

嫌われる品質保証部門の言動・立ち振る舞い

について述べたいと思います。

これまで僕が開発部門での長年の業務経験を経て、品証部門として他部門と多くの議論を通して見えてきた「嫌われる品質保証部門の振舞い、行動」は以下の3つです。

  1. 相手の喉元に刃を突き付けるような厳しい言動
  2. 相手の立場を理解しようとしてない
  3. 相手への要求ばかりで、相手に何かを与えようとしない

 

自分たちは他部門から嫌われているなぁ~

他部門がなかなか協力してくれないなぁ~

と感じている品質保証部門で働く人は、自分の振舞いと照らし合わせてみてください。

「これ、ウチに当てはまるなぁ~」と思うところがあれば、少し行動を変えてみると他部門との連携が良くなる可能性がアップしますよ! 

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相手の喉元に刃を突き付けるような厳しい言動

品質問題が発生した時、開発部門や製造・サービス部門のプロセスに問題があれば原因調査と是正のために追及することになるでしょう。

品証部門は、公正に厳粛に事実を明らかにし、対策をうたせる立場です。

ロジカル(論理的)に、合理的に事を進めていかなければなりません。

そんな時に振舞い方や言動が

「なんでこんなことしたんだよっ!」

「品質の事なんてこれっぽっちも考えてないからこうなるんだ!」

「あなたたちが悪いんだからお客様のところにお詫びに行けよ!」

みたいな感じだと嫌じゃないですか?

言ってることは間違いでもないけど、お客様でもないのにこんな風にグッと来られると体が勝手に拒否反応示すんじゃないでしょうか。

悪いことをしたのが自分だったとしても、頭ごなしに怒られたら恐怖感やイヤな気持ちの方が勝ってしまいます。

いくら正論を述べたとしても、言い方次第で相手に響かない場合があることを知らなければいけません。

怖い思いさせて、もう二度とこんなミスをやらせないように…という気持ちも分からなくもないですが、人はミスをするものです。

恐怖やペナルティなどの外発的動機付けで人を統制できる効力は、一時的または表面的です。

ミスすると品証部門に嫌な気持ちにさせられるという図式が出来上がってしまうと、ミスを隠蔽しようとしたり、他部門に責任転嫁したりという風土が出来上がってしまいます。

そもそも、品証部門だって問題のあるプロセスを承認したんですから多少の責任は負わなければいけません。

これらを意識した対応ができないと、トラブルの現場で事実が隠されてしまい問題の真の原因が見えにくくなってしまう恐れが高まるのです。


そんなこと望まないですよね?

あくまで冷静に、フラットな対応を心がけましょう。


「プロセスのどこに問題があったのかな?」

「どうすれば問題を防げたかな?」

「まずは、一緒にお客様に説明しに行こうか」

言葉と態度次第で将来が変わってきますよ。 

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相手の立場を理解しようとしてない

品質トラブルは多くの場合、わざと起こそうとしたものではないでしょう。

故意であれば懲戒モノなので別次元の扱いですね。

品質保証部門は決められた品質の担保がメイン業務ですが、開発部門や製造部門などは製品やサービスの意匠や機能を創出したり、計画通りの生産を行ったり、原価低減したりがメイン業務になります。

もちろん業務の中に「安定した品質を確保できるように」ということが含まれるのが理想です。

しかし、

目の前にせまった新製品リリース日、今月の売り上げ、継続的な原価低減要求などの分かりやすい指標で動かざるを得ない部門では、品質にフォーカスしにくいのが現状だと思います。(しっかりやってる組織もあると思いますが)

このような状況だからこそ、品質保証部門が存在しているのです。

その存在意義を忘れ、製造やサービ部門、開発部門の立場を理解しようともせずに理屈だけでまっとうな要求だけしても相手はついてきません。

 

品質保証部門は、相手の立場を理解し、相手の置かれている現実を把握し、経営やお客様の影響も考慮して、組織全体で最適な落としどころを見つけるための先導役となってこそ、信頼される部門になると思っています。

同じように考えて行動していらっしゃる品質保証部門の方も多くいると思います。

ただ、今一度振り返ってみてください。

他部門から感謝されているか?
放っておいても情報が回ってくるような状況になっているか?
個人的に相談をしてもらえるような関係ができているか?

もし全くそういう兆候がないのであれば、他部門にあなたの言動・振舞いの意図は届いてないかもしれません。

あなたは相手の立場を理解してるつもりでも、その相手側が「理解してもらえていない」と思っているのであれば、あなたは相手の立場に理解を示せていないのと同じです。

しっかりと相手の反応を見ながら、自分の行動や振舞いを修正していきましょう。

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相手への要求ばかりで、相手に何かを与えようとしない

これまで述べた以下の2点、

・相手の喉元に刃を突き付けるような厳しい言動

・相手の立場を理解しようとしてない

 を気を付けて行動するだけでも他部門との関係はそこそこ良くなると思います。

しかし、

いくら穏やかな対応をしようとも、相手の立場も理解した行動をしようとも、いつも要求ばかりで与えてくれるものが何もない部門は信用を得ることはできません。

製造や開発の技術的な知見やスキルが無い品証部門の場合なら、なおさら影響力が低くなり


まあ、結局彼らは言うだけでいいから気楽でいいよね…

専門的な知識もないくせに…

という感じになるわけです。
 

与えてくれるものが何もない部門と思われると、将来的に孤立してしまう可能性が高まります。

当ブログでも何度か述べていますが、
「製造・サービス部門や開発部門並みの知識やスキルが品証部門には必要だ」と言いたいわけではありません。
(各分野の専門的知識の習得は品証部門の仕事の「本質」ではないからです)

品証部門だからこそできることで、関係部門に有益な何かを与えることはたくさんあります。

一方的に不要な物を与えるのではなく、相手の立場を理解できれば「相手に足りないもの」を与えることができると思います。

 

【品証部門が与えられるモノの例】

  • 過去の不良データを分析して、数字を基に合理的な設計や製造プロセスの変更を提案する
  • 品質の実績データを基に、過剰となっていた品質に関するコストを削減する
  • 他部門の品質意識を向上するための教育機会を創出する
  • 長期間悩んでいる品質問題の原因調査や対策を一緒になって考える

 

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さいごに

以上、嫌われる品質保証部門の言動・立ち振る舞い3点を述べてきました。


品証部門は嫌われ役を演じるのであって、本当に嫌われてはいけませんよ!

色んな部門と関係を良く保つのは大変な苦労もありますが、大きな仕事をやってのけるには連携は欠かせません。

私もまだまだ修行中の身ですが、一緒に品質保証の仕事を楽しみましょう!

 

筆者執筆noteの紹介


『新入社員でも本質が分かる!頼りになる製造業の品質保証部の在り方』

当ブログの要点をまとめ、新たに解説を加えた1冊。
新入社員でも品質保証の仕事の本質をつかみやすくなり、役割を明確にできます。
役割が明確になれば、主体的に動ける人材になれる!

【読者の感想】

興味深く拝読させて頂きました。

とてもわかりやすくまとめられており、品質保証のそもそも論から整理したいと考えている我々には、まさにピッタリの内容だと感じました。

食品メーカー 品質保証部門長さま



②【おすすめ品質教育手法】新入社員からベテラン使える「FMEA思考訓練」


筆者が実践してきた、新入社員~ベテランまで品質意識向上が図れる教育方法を解説します。
リスクを数値化する行為から多くの学びがある!

おわり 

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