■この記事のターゲット
・プレミアムパソコンって何?という方
・ちょっといいパソコンが欲しいけど、どの辺からいいものなの?という方
今回の記事では、パソコンメーカーが宣伝文句に使う「プレミアムパソコン」について述べてみたいと思います。
プレミアムとは言葉の意味だけ調べると・・・、
1 オプション取引において、権利の価格。オプション料。
小学館「デジタル大辞泉」より引用
2 額面株式が額面金額以上の価額で発行されたときの超過額。額面株式は平成13年(2001)の商法改正により廃止。
3 被買収企業の買収価格と純資産との差額。暖簾(のれん)代。
4 入場券などの、正規の料金の上に加えられる割増金。プレミア。「プレミアムがつく」
5 商品につける景品や懸賞の賞品。プレミア。「プレミアムセール」
6 (形容詞的に用いて)高級な。上等な。「プレミアムビール」
プレミアムパソコンでいうプレミアムは「高級な」、「上等な」という意味が当てはまると思います。
では、どの辺から高級(または上等)なパソコンなの?と問われるとスペック(性能)、デザイン、価格などの定義を明確に答えられる人は少ないでしょう。
職業柄パソコン業界には詳しい筆者ですが、そんな僕でも明確に答えられません。
そこで今回、どの辺からプレミアムと言えるのかを近年主流のノートパソコンで考えてみたいと思います。
僕自身、改めて調べてみるのも興味津々なんですけどね(^^;
プレミアムと呼ばれるノートパソコン購入の参考になれば嬉しいです。
各社のプレミアムパソコンを調査
まずは国内大手2社と海外大手2社の公式サイトから、ラインナップ上位機種の中で「プレミアム」、「高級」、「上質」、「最高」というような文言が使われるモデルの特徴を洗い出してみます。
上記4社に絞った理由ですが、国内2社は国内シェア1位と2位でラインナップも豊富で実績もあることからプレミアムの境界がハッキリするためです。
海外2社も同様に世界シェアトップクラスでラインナップも豊富で同様の理由からです。
LenovoはNECと富士通を含んでいるので、ややこしいのであえて除外します(失礼)。
国内メーカーの「VAIO(旧SONY)」、米国勢の「Apple」と「Microsoft」はラインナップが限定的でブランド自体がプレミアムなので除外します。
堅牢・長時間駆動でビジネス用途に特化した国内メーカー「Panasonic」も除外対象です。
これらAppleのMac book、MicrosoftのSurfaceなどの製品は指名買い、リピーターが多いです。
パソコンとしての基本的な機能は他社と比べて大差ないですが、デザインや広報戦略によってユーザーの所有感を満たすプレミアムパソコンブランドとして確立しています。
ただし、このようなメーカーはユーザー層がある程度限定される(高所得層、パソコンリテラシーがある層、パソコンをファッションの一部と考える層など)と考えます。
一方、エントリーモデル〜ハイエンドモデルまで幅広く扱うHPやDELLなどのメーカーは、ユーザーがプレミアムモデルとして容易に認識できるような下位機種との差別化が必要です。
幅広い層へ対応できるラインナップと共に、AppleやMicrosoftのメインターゲット層のシェア獲得を狙うものということでプレミアムを定義しやすいのです。
ちなみに筆者の所有パソコンはMicrosoft Surface Proです・・・。
上記の一覧表を見ると、各社のプレミアムノートパソコンで「ほぼ共通する部分」、さらにそこに「独自性」を加えている部分があるという事が分かります。
CPUやメモリ、HDDやSSDなどの部品は高速・高性能で高いデータ保存容量を持つモノが搭載されることは想像しやすいと思います。
スタンダードモデルでも選択オプションでこれらの部品を選択できることからも、これらの部品がプレミアムたる所以というわけではないと考えます。
次以降で詳しく見ていきます。
プレミアムな筐体はアルミまたはマグネシウム、さらには本革?
プレミアムノートの筐体材質は「アルミニウム合金」または「マグネシウム合金」というように、軽量で強度の高い材料が使われています。そしてそこに高級感を出す装飾が加えられてるところが共通ですね。
HPのSpectreシリーズでは本革を採用したモデルもあります。
安価なモデルではPC(ポリカーボネート)などのプラスチック素材が使われていますが、プレミアムなパソコンには樹脂はもってのほかのようです。
当然、アルミやマグネシウム合金などの金属だと高級感や材料の特性上のメリットもありますし、製造にも手間暇かかるのでプレミアムの名を冠するに値すると考えます。
プレミアムには必須な高解像度ディスプレイ
テレビでは解像度4Kは当たり前になりつつあり、8Kの声が聞こえてきています。
一方、ノートパソコンの世界では廉価モデルだとHD(1366×768)あたりで、次にフルHD(1920×1080)が、その上にAppleやMicrosoftの「Retina Display」と「Pixel sense Display」があり、その上の「4K」、「有機EL」あたりが2020年時点の最高峰といっていいでしょう。
ノートパソコンサイズのディスプレイだと、普通に使用するレベルならフルHDで十分キレイです。
それ以上の解像度でも人間の目には対して差があるようには見えません。ただし、イラスト作成や画像編集などで画像データを拡大して編集するときには高解像度であればあるほどいいでしょう(もちろんデータ量が大きくなりますが)。
2020年時点では、解像度フルHD(1920×1080ピクセル)以上であればプレミアムと言っていいと思います。
プレミアムにはプレミアムなスピーカー?
各社のプレミアムモデルには高音質スピーカーが内蔵されています。
しかし、ノートパソコンで高音質な音を聞きたいでしょうかねぇ・・・。ホームシアター用のスピーカーと比べても出力は相当弱いですし、音のことを徹底的に考えた筐体設計になっているわけでもないので、オマケ程度に思っておいた方がいいかと思います。
どうしてもノートパソコンからの音源でいい音を聞きたい場合は、高級なヘッドフォンか外付けスピーカーを買うのがよろしいかと。
メーカー側も承知の上で、上位機種のセールスポイントとして高音質スピーカーを搭載して差別化しているのです。
各社独自のプレミアムな付加価値
今回紹介している4社の製品において、独自のプレミアムな付加価値を付けていることも分かります。
■NEC (Lavie VEGA)
・鏡面仕上げガラスコート天板が特徴的
タッチパネルのカバーガラスに多く使われているCorning社のGorilla Glassを天板に用いて、高い強度と透明感を与えるデザインになっているのは唯一無二の存在かと。
・UVコートキートップ (Lavie VEGA、Pro mobile)
キーボードのキー表面にUV硬化樹脂をコーティングすることでマットな質感となっています。質感は好き嫌いあるかもしれませんが、こだわっている部分として見えるので好感が持てます。
■富士通(LIFEBOOK FH)
・17.3インチ高解像度大画面ディスプレイ
デカイは正義というわけではないですが、大きい画面だと高解像度のメリットを受けやすくなります。さらには作業エリアを広く取れるので、大画面を重視する方は重さのデメリットを差し引いてもチョイスする価値はあると思います。
他のメーカーでスタイリッシュな17インチクラスパソコンもなかなか存在していないので、貴重な存在と言えるでしょう。
■HP(Spectre、ENVY)
・筐体に本革(Spectre)や天然木(ENVY)を採用(13インチ)
これはかなりの冒険ですね。プレミアムと言っていいのか分かりませんが、上質な感じに収まっているので良しとしましょう。HPは面白いパソコンを提供する会社として、ちょっと一目置いています。さすが世界No.1クラスのメーカーです。
・グラフィックチップを搭載(15インチ)
CPUとは独立してグラフィック処理を専門に扱う部品であるGPUが搭載されています。オンラインゲーム用のゲーミングパソコンでは当たり前の装備ですが、Spectreのようなスタイリッシュなデバイスに搭載されるのも珍しいなと。
高級感あふれるデバイスでクリエイターやゲーマーのようなこともできる汎用性を持っているのは大きな強みだと思います。
■DELL(XPS)
特徴としては、前述のSpectreに近い感じですがパームレスト(掌を置くところ)がカーボン製ということで軽量化と高級感に一役買っています。
価格だけでプレミアムとは言えない
プレミアムノートパソコンと呼ばれる部類では、価格はおおむね10万円程度以上といったところですね。
ただし、価格が高いからといってプレミアムというわけではないと考えます。
ハイスペックCPU(Intel Core i7など)や大容量SSD、メモリ増設をオプションで選択するとベーシックモデルでも余裕で10万円を超えます。
Intel Core i5やCore i3レベルのCPU、256GB程度のSSD、メモリ8GBを搭載しても10万円を超えるのであればプレミアムな部類の仲間入りと言えるかもしれませんが、部品の調達価格がメーカーの規模によって異なるのでこれも一概には言えません。
たとえば、HPやDELLなどは世界シェアでトップレベルなので出荷数量が莫大です。購入物量が多いので高級な部品でも比較的安価に購入できるという数のメリットを享受しています。
よって高額なパソコン=プレミアムと断定はできないと考えます。
2020年時点のプレミアムノートパソコンを定義
さて、ここまでを踏まえて筆者なりにプレミアムノートパソコンの定義についてまとめます。
2020年時点でのプレミアム要素は、下記を満たす価格10万円以上のモデルと言っていいと考えます。
筆者おすすめのプレミアムノートパソコン Spectre x360 15
ここではすでにプレミアムノートブランドとして確立した感があるApple社のMac book、Microsoft社のSurface ProやSurface book、Surface Laptopを「除いた」うえで筆者なりのお奨めのノートパソコンを独断と偏見で決めてみました。
ズバリ!
HP(ヒューレットパッカード) Spectre x360 15
です。
現時点であればいいなという機能はほぼ全部入りでデザインもプレミアム感あり。個人的には強く支持をしたい一品です。
HP自体もSpectreシリーズに「Masterpiece(最高傑作)」という言葉を冠しています
Spectreシリーズは僕もSurface Proと最後までどっちにしようか悩んだモデルです。
Spectre x360 15 筐体デザイン
削りだしアルミ合金ボディに装飾塗装と側面エメラルドカット加工が施されています。
重厚感のある色使いとエッジのきいた、シンプルかつシャープなデザインで若者からベテランまで家庭でもビジネスでも存在感のある筐体です
Spectre x360 15のディスプレイ
4K有機ELディスプレイを選択可能です。
正直言ってこのサイズで4Kは必要ないかもですが、イラスト作成や写真加工で細かな部分の表現に使えます。
有機ELの画質上のメリットは、従来の液晶パネルよりも「黒」を忠実に再現できるところが最も大きなところです。明暗のコントラストがより際立って見えるでしょう。
ちなみにMac bookのRetina Display(226ppi)、Surface laptopのPixelSense Display(201ppi)にも勝る331ppiの高解像度です。
※ppi:「Pixel Per Inch」1インチ角あたりの画素数の密度を表す指標
NVIDIAグラフィックチップ内蔵
CPUから独立してグラフィックの処理を専門に行うチップが内蔵されているので、高解像度画像・動画編集やオンラインゲームも不満なく使えるでしょう。
筆圧1024段階対応のペンが付属しています。本機はディスプレイを360°回転させてタブレットモードでも使用できるのでクリエイティブ作業にも使えるオールマイティな1台になっています!
プレミアムなパソコンのイメージが伝わりましたでしょうか?
あなたの購入したいプレミアムパソコン選びの参考になれば幸いです!
おわり
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