■この記事のターゲット
・自分が品質保証の仕事に向いているか知りたい
・品質保証の仕事に向かないタイプの人間とは?
・品質保証の仕事に興味がある人
これまで当ブログ内では、筆者である僕の経験を基に品質保証部のあるべき姿(個人的にありたい姿でもある)について述べてきています。
もちろん、これからも品質保証を絡めた仕事への向き合い方を発信していくつもりです。
さて、今回は少し視点を変えて「品質保証に向いてないタイプの人間」について述べてみたいと思います。
僕自身は、
品質保証部で働く人はこうあるべきだ!
こういう品質保証部でありたい!
という気持ちで働いていますが、逆に考えれば理想とする品質保証のやり方や考え方に向かない人ってのも見えてきます。
これまで真剣に考え、行動してきた結果から筆者が現時点思う「品質保証の仕事に向かない人」はこんな人です!
では、なぜ上記のようなタイプの人が品質保証の仕事に向いてないか説明していきましょう。
もし、品質保証の仕事に興味を持っている方が読んでくれているなら、自分がどんなタイプの人間かを考えて、この記事を参考にして進む道を決めてください。
ルールを守れない人が品質保証の仕事に向かない理由
「ルールを守れない人間」と言われれば、どんな仕事にも向かないような気がしますが、そういうつもりで記載していません。
逆に、すべてのルールを完璧に守れる人間の方が珍しいんじゃないでしょうか?
極端に言えば、ルールを守らなくても「組織に成果をもたらしている」と堂々と言えるなら、ルール側にも問題があるかもしれませんしね。
なので、ルールを守ることが本質と言いたいわけではありません。
大切なのは、重要なルールはしっかり守り、周りからはルールを守ってる人間だなと思われる程度の行動がとれる人間であることです。
品質保証部門は、社内の各部署が製品やサービスを社内の品質保証体系に従って作り上げているかをマネジメントする部門ですよね?
監視する側が、監視される側から「社内のルールを守らない」と思われているようでは関連各部門のコントロールをすることが困難になります。
わいせつ行為をしている警察官を信頼できるでしょうか?
放火している消防士を信頼できるでしょうか?
次の項でも触れますが、品質保証部は関連部門との信頼関係を築くことが大切です。
社内の規則通りに動いてもらいたいなら、まず自分が行動で示さなければ周りはついてきませんよ。
簡単なことも守れないような人は、多くの人から信頼を集めることはできません
もちろん、ルールに問題があるなら変える必要もあるでしょう。
しかし、誰かに社内のルールを変えようと言われた時、いままでしっかりルールを守った人間から言われるのと、全くルールを守らなかった人から言われるのとでは、どちらの人が賛同を得やすいかは言うまでもないですよね。
めんどくさいと思う人もいらっしゃるかもしれませんが、品質保証部はルールを守れる人間でないと円滑に仕事を進めることができません。
「ルールが守れない、皆の模範となれる自信がない」と自分でも思ってる人は、品質保証の仕事はやめておいた方がいいでしょう。
品質保証部の人間は、設備を修理したり、製品の設計を変えたりなどの品質向上に対する直接的な行動がとれません。
よって、「餅は餅屋」と考えて専門の部門を動かす必要があります。
少なくとも社内のルールを守れない人間は、模範となるような人に比べると他部門を動かすのに苦労することになるでしょう。
その結果として品質トラブルの対策が中途半端なままになってしまうと、品質保証部はクレーム対応に追われるようになり、品質保証部門も他の部門も疲弊していく・・・という道が想像されるわけです。
人の行動は簡単に変えれません。
まずは自分の行動を律することができ、自分の行動で示して相手の行動を変えていかなければならない仕事だと思ってください。
自分で全てやりたい人が品質保証の仕事に向かない理由
例えばモノづくりの現場でクレームが発生したとしましょう。
俺が設計を見直して、信頼性評価してでも対策してやりたい!自分で直接手を下さないと気がすまない!
という方もいらっしゃるでしょう。
それはそれで素晴らしい考えと思います。
しかし、自分で手を動かして改善したいという方は品質保証の仕事には向いてません
製造部門や技術部門、サービス部門に活躍の場を求めるべきです。
品質保証部門が直接技術的な部分もやってもいいじゃん!
と考える方もいると思います。もちろん、そう考えること自体は全然悪くないです。
でも、
品質保証部は他の部門それぞれがキッチリ仕事をしていることを監視し、お客様に代わって製品やサービスにお墨付きを与えるのが役割
各部門が自律して成長し、それぞれの役割の中で高いパフォーマンスを発揮することを促していくのが仕事です。
言葉悪く言えば、関連部門をうまく操縦して製品やサービスの質を上げていき、最終的には品質保証部門が無くても高い品質を保てるのが理想です。(そうなれば品質保証部門の人件費がムダなので)
くどいようですが、特に品質保証部門は他部門との信頼関係が大切!
そんな中で、品質保証部門の人間が部門の壁を越えてCADで図面を引いて設計変更したとしましょう。
それで万事うまくいったら今後も品質保証部門で対応するのでしょうか?
もし、上手くいかなかったら誰が責任をとるのでしょうか?
良かれと思って一線を越えてしまうと、
・品証が尻ぬぐいしてくれるからいいかと設計に手を抜く
・品証がやったことだから俺たちは知らない
といった組織間の慣れ合いや責任のなすり合いが常態化してしまうでしょう。
他部門自身で自律して成長していけるように導く気持ちがないと、組織全体の成長を止めてしまうことになります。
品質保証部門のトップたちは、設計や製造・サービス部門がより品質の高いものを求める組織となることを願いながら他部門にうるさく働いているんです。
品質保証部門は、品質トラブルが発生しても自分で直接手を下せないというジレンマがあります。
正直、やるせない思いをするときもあります。
何事も細かいことも自分でやりたい気持ちが強い人にとっては大きなストレスになるでしょう。
自分でやった方が早いし、ちゃんとできるのに人に任せなきゃいけない・・・
自分のことをスペシャリスト系だと思う人は品質保証部門ではないところに行った方がいいです。
達成感を感じにくくなり、精神的に病んでしまう可能性が高くなるからです。
逆に、自分はジェネラリスト系だと思ってる人は品質保証の仕事に向いていると思いますよ。
さいごに
「自分の仕事は自分に向いている」と思いながら働くことは精神衛生上はもちろん、生産性にも好影響を与えます。
大きな会社だからとか、給料がいいからとか、ラクそうだからとか、それだけで仕事の内容は決めないほうがあなたのためになります。
これからの時代は、適材適所で仕事を楽しむ人間が増えてくれることを望みます。
そうなれば、仕事のせいで「うつ病」のようなメンタル疾患になってしまい、会社も働く人も損するようなことはなくなるんじゃないでしょうか。
品質保証の仕事には向き不向きがあります。
自分の特性をしっかり考えて、自分の特性に合うと思う仕事を見つける
「言うは易し、行うは難し」ですが、失敗してもあきらめず、自分に合う仕事または環境を探求し続ける気持ちを忘れないで欲しいと思います。
おわり
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