「考える前にまず行動しろ!」は半分正解で半分不正解という話

この記事を読んでほしい人
・考える前にサッサと行動しろよ!とよく怒られる人
・考え無しで行動して失敗しがちな人
・「考える前にまず行動しろ!」という理屈に納得いかない人


今回の記事は、

今でもよく読んでもらっている過去の記事「”今の仕事から逃げるヤツは成功しない“は半分正解で半分間違いという話」と同じシリーズ。


今回は、

「考える前にすぐ行動しろよ!」は正しいのか、正しくないのか?

という話です。


20年以上の社会人経験を経た現時点の結論は、

「考える前にすぐ行動しろよ!」は半分正解で半分間違い

です。

予想通りですみません(笑)

ビジネスやチームスポーツを始めとする、自然や人間を相手にする活動に「こうすれば絶対間違いなし!」なんて攻略法はないと思います。

そんなものがあったら誰も苦労しないっすよ…。


今置かれている環境や、ご時世、人それぞれの特性、利害関係など不確実な要素が盛りだくさん。

様々な状況が入り乱れ、起こしたアクションに対するリアクションも千差万別。

ビジネスの現場でも「考える前に即行動!」というのはよく聞くフレーズですが、コレを言ってる人は誤解を与えないようにしなければいけません。

「何も考えずにとりあえず行動したせいで起きる失敗への責任」を負う覚悟を持っていってるんでしょうね?

結局ケースバイケース。

でも、これで話が終わってしまってはつまらないので、僕なりの

  1. 考えすぎずに行動起こしていい場合
  2. しっかり考えてから行動すべき場合

について以降で述べたいと思います。

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じっくり考える前に行動していい場合とは

じっくり考える前に行動していい時
・失敗時の影響が小さい場合(失敗しても挽回できるもの)

・すでに過去に経験したことがある場面に対する初動対応

と考えます。

失敗の影響が小さい場面では、例えば

・実施しても誰かがケガするわけではない

・誰かとの信頼関係に影響を及ぼさない

・金額的な損失が低い

といったケースでは「トライアンドエラー」で進めながらで最適化していく、「失敗は成功への種捲き」という育成の方針で取り組むことを前提に、まず行動を起こしてからその反応を見ながら対応していけば良いと思います。

結果が完璧でなくても「スピード感と「経験の機会」を優先すると言い換えてもいいでしょう。

次に、すでに過去に経験したことがある場面に対する初動対応についてです。

「すでに過去に何度も経験したことがある場面」には、実際には経験していない場面を想定して繰り返し訓練している場合を含みます。
例えば、「救助訓練」、「避難訓練」、「消火訓練」、「自衛隊の演習」、「警察の制圧訓練」など。

現在遭遇している場面でどう動けばいいかを事前に理解しており、達成すべき目標がハッキリしている局面では即行動でいいと思います。

じっくり考えている間に被害が拡大したり、好機を逃したりで挽回が困難になる前に、対処するイメージですね。

現実の救助や避難の現場では「失敗の影響が小さい」は当てはまりません。

しかし、

人命が関わるような大きな影響があるからといって、じっくり策を練るような時間などないのです。

消防士さんや自衛隊、警察官の方々は、実際の現場で深く考えなくても反射的に最適な行動が起こせるようにいろんな場面を想定して、その場面を模擬し、繰り返し対応する訓練しているということです。

このケースでは「失敗は許されないし、スピード感も大切なケース」というものですね。

ここまでを踏まえて、

「考える前に行動しろ!」と声をかけるリーダー、管理者は以下のことを気を付けてください。

  1. すでに同じような場面を経験しているか、普段から訓練しているか
  2. 失敗時の影響の大きさを想定できているか


逆に言われた側は上記2点を意識して、自分のキャパ以上のタスクに対しては正直にヘルプ求めた方がいいです。。。

失敗しても他人のせいにするタイプの上司なら、特にそうすべきです。(そんな上司、イヤですけどね…)

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しっかり考えてから行動した方がいい場合とは

じっくり考える前に行動していい時
・これまで経験したことのない未知の状況に対する行動

・失敗時の影響が大きいもの(失敗したら挽回しにくいもの)

・数年先以降の長期目標を達成するための戦略的な対応

組織全体として「これまで経験したことのない未知の状況」に対して何も考えずアクションした場合、うまく対処できる場合もあるだろうし、うまくいかない場合もあるでしょう。

失敗した時に大きな損失を被るかもしれませんし、小さな損失で済むかもしれません。

勝つか負けるかが50:50(フィフティ・フィフティ)で何も考えずにBETするかどうかです。

つまり、ギャンブル。

運任せです。


時間含めたリソースの制約により、時にはギャンブルしないといけない局面もあるでしょう。

しかし、少しでも考える余裕があるのなら勝てる確率を上げるため、損失を大きくしないための準備をする方が長い目で見れば確実に結果は付いてきます。

何も考えずに賭けに勝ったり負けたりすること全てが悪いとは思いませんが、

こう考えてやってみたけど間違いだったなぁ ⇒ 次回の同様な状況に対する教訓となる

狙い通りの結果が出た! ⇒ 成功事例の引き出しが増えて自信となる

限られた環境の中で「自分達なりに勝算を考えて行動するプロセス」を踏む方が、勝っても負けても個人や組織を大きく成長させるんじゃないでしょうか。


次に、失敗時の影響が大きい場合について。

失敗すれば、

誰かの生命や健康に害を及ぼす

信頼関係が破綻してしまう

多額の金額的損失を伴う

これらは、個人レベルではなく組織全体で責任を取らなければならないものばかり。


上記のような危険性がすでに分かっていながら、

「考えずに行動させること」

「考えずに行動すること」

というのは、責任ある社会人としてとるべき行動とは言えませんよね。

このように失敗時の損失が大きいと分かっているなら、組織全体でリスク低減を検討、または外部の専門家の助けを求め、失敗の確率を下げるようにしましょう。

最後に、中長期目標を達成するため、または達成できなくてもプラス成長していくための戦略的な対応について。

数か月~数年スパンで成果を出すべき案件については、しっかりとしたプランニングが大切です。

経年による環境変化の要因は多数存在します。

人の入れ替わり、設備の劣化、社会情勢だけではなく数えきれないくらいの不安定要素が満載。

すべてを想定した手を打つのは簡単なことではないですが、失敗のパターンをいくつか想定した予備のプランを用意しておくと、いざという時に迅速な方向転換が可能になります。

失敗の兆候が出たときに次の手を迅速に打てるかどうかは、日ごろからどれだけ頭の中でシミュレーションできているかにかかっていると言ってもいいでしょう。

要するに「いい準備ができているかどうか」ですね。

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さいごに

「考える前にまず行動しろ!」は半分正しくて、半分正しくないという玉虫色の結論としました(笑)

「考える前にまず行動しろ!」という側の人は、

・失敗しても許容できる損失かどうか(スピード感重視かどうか)
・自分の成長、または部下の育成のためと考えているかどうか
・自分、または部下がこれまで経験、または想定したことがあるのかないのか

といった考え方ができているなら、そんなに間違った指示にはならないでしょう。

逆に、これまで何も考えずに言ってきたなぁ・・・と気づいた人は、これから気をつければ大丈夫です!


もちろん理想的には、ある目標に対して即行動し、効率的に、そして確実に目標を達成することです。

しかし、結局その理想に近づくためには

多くの失敗を糧としたり、入念な訓練やシミュレーションなどのいい準備を繰り返したりして、様々な状況に対応できる引き出しを増やすしかないのです。

それは皆さんも経験からも分かっているのではないでしょうか。

ということで、

「考える前にまず行動しろ!」は半分正解で半分不正解と僕は思う次第です。

おわり

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