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原価構成から見るコスパの良いノートパソコン選びの考え方

ノートパソコンの原価構成とコスパの良いノートパソコン選びのコツ

■この記事のターゲット
・ノートパソコン、タブレットの価格の内訳ってどうなってるの?
・ノートパソコンの部品価格(材料費)はどれくらいなの?
・コスパの良いパソコンの買い方って何?

一昔前は、ノートパソコンと言えば1台数十万円もする高価なモノでした。

しかし、現在は一昔前に比べれば求めやすい価格帯で性能も必要十分、そして薄型軽量なものが溢れています。

それでも安い買い物ではないことは確か。ノートパソコンを購入する際にはいろいろと悩む方も多いことでしょう。

筆者の仕事の経験上、色々な電子部品の実勢価格を知る機会が多いです。

今回の記事では、ノートパソコンの価格の内訳はどんな感じなのかについて簡単に述べてみたいと思います。

コストパフォーマンスを重視したパソコン購入を考えている方の参考になれば幸いです。

記事の概要

・パソコンの部品はどのPCメーカーもほぼ同じ部品メーカーから購入している

・部品価格はPCメーカーの出荷台数規模が大きいと安くなる
 (最も高価な部品はハイエンドCPUや独立GPU)


・一般的に流通しているノートPCのほとんどは中国/台湾の組立工場で作られている


・パソコンを安く買うには、メーカーや販売店が「何としても売りたい」タイミングがベスト

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ノートパソコンを構成する部品と価格について

ノートパソコンを構成する部品で価格に占める割合が大きいものは

・CPU
・メモリ
・ストレージ(SSD/HDD)
・ディスプレイ
・筐体

といった感じになります。

ノートパソコン主要部品の主なメーカーと概算価格
ノートパソコン主要部品の主なメーカーと概算価格

上の図の主要部品は高性能になるほど高価になりますが、その中でもパソコン出荷規模が大きいPCメーカーであれば比較的安価に部品を入手することができます。

つまり、ノートパソコンの出荷台数シェアの高いメーカー(HPやDELL、Lenovoなど)が価格的に有利になるという構図なわけですね。

筐体以外の主要部品は、基本的に世界で限られた部品メーカーの製品ラインナップから購入してくる形となるので各社で性能の差別化を行う余地は少ないです。

筐体は各PCメーカーの意匠設計や放熱、強度設計によって変わってくるため、部品メーカーは各PCメーカーが用意した専用の成型金型で筐体部品を製造します。

ここで言いたいことは、パソコンの機能をほぼ決定づける電子デバイスは各社のPCで差が大きくないため、「有名なメーカーだから性能が良いは当てはまらない」ということです。

基本的には欲しいCPUのグレード、メモリの容量、ストレージの容量、ディスプレイの解像度を決めれば、あとは価格と自分好みのデザインが折り合うかどうかを吟味するだけでいいと思います。

もちろん強度設計や放熱設計、パソコン全体の長期信頼性などはメーカーによって多少差は出てきますが、各社で試作・評価を行う中で大きな問題は出ないようにしています。

それでも工業製品なのである割合で不良品が流出することがありますが、そのために保証期間を設けて無償修理または交換を行う仕組みが出来上がっています。

ある程度知られたメーカーであればアフターサービスも同等と思っていいでしょう。

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ノートパソコン全体としての価格構成・内訳

これまで述べたように、パソコンの部品代は一般用途レベルであれば数万円であることが分かります。

では部品代の上に何が乗っかってPCメーカーが出荷する際の卸売価格が決まるか見ていきましょう。

ノートパソコン新モデルの主な開発費用

ノートパソコンを新たに開発するとなると、多くの費用が発生します。

パソコンの卸売価格内訳の概算
パソコンの卸売価格内訳(概算)

意匠設計、構造設計、回路設計、評価の工数

製品企画段階でのコンセプトを実態として具現化するためのデザインを行う必要があります。

開発部門の人的リソースを投入して「外観」、「構造的機能」、「強度や放熱」、「長期信頼性」などを複数人で数か月にわたって設計する工数や、設計したモノを試作し、設計通りに作ったモノが問題がないか検証する工数などが含まれます。

既存モデルの小変更や筐体パッケージ流用であれば、既存の設計を流用できるので大幅に開発期間と人件費を抑えることができます。

しかし、新規性に乏しいので競合他社の動向も見ながら価格と納期重視のマイナーチェンジなのか新しい価値を生み出すフルモデルチェンジなのかを吟味することになります。

試作の部品代、試作組立費用

各種設計を行い、図面ができたらいきなり量産!というわけにはいきません。

実際の製造現場で設計通りの製品が問題なく作れるのか、出来上がったものは本当に設計通りのスペックを満たすのかは正直作ってみないと分からない部分も多いのです。

量産開始までにパソコン自体の設計や製造工程の設計にバグがないかのバグだしという意味合いで試作が行われます。

試作の数量が多ければバグだしの信頼度は上がりますが、試作部品代と組立費用がかさみます。

試作は量産と違って部品の購入数量が少ないため、部品の購入単価が跳ね上がります。
組立も開発陣を交えてバグだししながら時間をかけて行われます。

PCメーカー毎に試作のフェーズをどのような仕組で行っているかによっては開発費用が大きく異なることもあると考えられます。

新規部品の金型

新規の筐体部品やプレス金属部品を採用する場合は、部品メーカーで新規部品を製造するための金型が必要になります。金型とは簡単に言えば「部品用の設備」です。

筐体カバーだと樹脂や溶融金属を型に流し込んで成型する金型が必要であり、プレス金属部品だと、金属板をプレスして切断や曲げ加工する金型です。

当然、既存品の転用であればこの費用は必要ありませんが、フルモデルチェンジに近いような場合だと数千万円クラスの投資が必要になってきます。

出荷台数が多ければ、売れる台数が多いほど投資費用の回収が速くなりますが、逆に出荷台数が少なければ1台当たりに乗っかる金型費用が大きくなります。

ノートパソコンの組立費

ノートパソコンの製造は、自動化されている部分もありますが、多くは人間の手で組立しています。何本もの製造ラインで人間が手作業で組立、検査、梱包、出荷を行います。

当たり前ですが、その製造ラインでの作業者の時給分の人件費が発生するわけです。

組立部門は改善による生産性向上を行い組立費のコストダウンを図っていますが、パソコン価格全体の中での占有率は少ないです。

多くのパソコンメーカーは、パソコンの組立を中国や台湾の組立工場に委託しており、よほど特殊で厳格な製造品質管理体制を要求しているパソコンメーカー(Appleなどはそう)以外は組立費は大差ないと思われます。

なお、中国/台湾に組立メーカーが集中している理由は、かつて人件費の安さから部品メーカーの製造工場が中国に多く作られたことが起因しています。現地調達&現地組立の考えでパソコン組立工場も中国に集中し、大きな投資が行われて今日に至っています。

ノートパソコンの固定費

開発や製造に関わる設備などで償却の終わっていない固定資産や、工場やオフィスなどの家賃、稼働するための水道光熱費などがあたります。

製造に直接関係ない間接部門の人件費もここに含まれる場合があります。途上国や国内でも田舎にある工場やオフィスでは比較的安価に抑えられるでしょうが、先進国ではウェイトが大きくなります。

ノートパソコンの物流費

トラックや船、飛行機などによる輸送費用、在庫保管用の倉庫スペース費用などがこれにあたります。

メーカーは安い運送業者を開拓したり、積載効率を高める外装箱形状にしたり、極力在庫を持たないようにしたりと物流費削減に取り組んでいることでしょう。

ノートパソコンの宣伝・販促費

新聞広告、雑誌、TVCM、インターネット広告など拡販のための費用になります。

最近はTVCMなどでパソコンのCMを見る機会は減ったなぁと感じますね…。インターネットによる販売が浸透してきたからということもあるでしょう。

また、家電量販店など店舗販売で購入する層も一定数いることから、量販店向けへの拡販キャンペーンを打ち出したり、販売委託先へのインセンティブを与えたりして販売促進をしています。

値引きの大小も各社の宣伝費用のかけ方により変わってくるものと思われます。

ノートパソコンの利益

パソコン1台売った時に乗せる利鞘部分になります。高スペックのハイエンド機になるほど利益率は高くなる傾向にあります。売れ筋モデルは利益率が比較的低く、値引きできる幅も小さくなります。

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ノートパソコンを安く買うには

パソコンをできる限り安く買うには、まずはインターネットの価格比較サイトで底値を知っておきましょう。

量販店の店舗で実物が見れるなら実物を見て、触っておくのも買って後悔しないためには大切です。

これまで述べたようにパソコン1台にはいろんな費用が乗っています。量販店で購入する場合は、量販店の費用と利益がプラスされることは言うまでもないでしょう。

よって、ネット販売の最安ショップで購入する方法が最も簡単で安く手に入れることになります。

こういった最安ショップはオフィスを持たなかったり、従業員が少なかったりで上乗せする費用が低いため、メーカー卸値近くで売ることができるからですね。

しかし、メーカーの拡販キャンペーンなどのタイミングや、他の家電とのセット購入による交渉次第では、店舗購入でも格安で手に入れることができます。

要はメーカーが「なんとしても売りたい!」というタイミングを見極めることが大切かと。

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まとめ

・パソコンの部品はどのPCメーカーもほぼ同じものを使っている

・組立もほぼ同じ中国の組立メーカーに委託している

・規模が大きい会社ほど部品費を抑えることができる

ということで、パソコンの性能とメーカーはあまり関係なく、原価が低い規模のメーカーがコスパが良い

求めるパソコンのスペックと価格帯を決めたら、見た目が好みなデザインのメーカーで拡販キャンペーン適用中のネット通販で買うのがベストかと。
※量販店販売なら、大規模セールで他の家電とセット購入で値引き交渉

あなたのパソコン選びの参考になれば幸いです。

おわり

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