■この記事のターゲット
・仕事の優先順位を明確にして残業を減らしたい
・残業したくないけど、残業多くてプライベートの時間が取れない
今回の記事は、筆者の経験と実践に基づいて
残業しないための仕事の取り組み方と優先順位の付け方
について述べてみたいと思います。
先に言っておきますが、以下の方はページを閉じてもらった方がいいでしょう(笑)
僕は製造業のエンジニア職です。作業量が多いほど利益に貢献できるような職種ではありません。
かつての僕の仕事のやり方は、
・仕事の優先順の付け方が明確でない
・一人でなんでもやろうとする
という「典型的な行き当たりばったり」で、適切な期限を設けないから日常的に長時間残業するのが習慣になっていました。
その結果、無理が重なって体調を崩し仕事を3か月ほどお休みすることに・・・。
家族に不安を与えてしまい、自分自身も自己嫌悪で苦しい思いもしました。
会社の利益に貢献できていると胸を張って言える働きぶりではありませんでした。
しかし、その経験のおかげで僕自身の仕事への向き合い方を見直すことができ、今は公私ともに充実した毎日を送れています。
その理由は、以下の3つを意識して仕事をするようになれたからです。
これら3つは、仕事術やビジネスマインド系の書籍で「当たり前」に触れられている事ばかりです。
僕自身も昔から知識としては知っていましたが、実践が伴っていませんでした。
悩めるビジネスパーソンの中にも、私と似たような人も多いのではないでしょうか?
やはり、痛い思いをしないと行動に起こせないこともあります。
でも、痛い思いをしなくて幸せに暮らせるなら、ワザワザ痛い思いなんてしない方がいいです。
痛い思いが強烈すぎて這い上がれなくなる人だっていますから。
みなさんが痛い思いをせず、公私とも充実しながら成長できるように、
僕が痛い思いをして学んで実践してきた前述の①~③の取組み方について詳しく述べてみたいと思います。
①原則、定時間内で仕事を終えて帰宅する
うまく優先順位を付けて仕事をしても、結局長時間残業してしまっていては一流のビジネスマンとは言えないと思います。
非効率な残業は、自分にも会社にも良くないことは誰もが分かっていることでしょう。
早く帰りたいな~と思ってるくせに、それでもダラダラ残業してしまう…。
まず最初に必要なのは、「定時間内で仕事を終えて帰宅する」という強い意志です。
(裁量労働の方は残業=8時間以上の勤務と置き換えていいです)
この記事で言う「残業しない」目的は、プライベートの時間もしっかり確保して公私にメリハリある生活をするため。
もちろん、心身の休息やリフレッシュという意味もありますが、
家族との会話、趣味の時間、何もしない時間、睡眠時間だって、仕事で新しいアイデアを出すために必要な時間だということを認識していただきたいのです。
新しい考え方やアイデアは、ひとつのことだけに没頭していては降ってこないと感じています。
現状が目立った成果が出せてないという状況なら、「残業する=過剰コスト」です。
会社にとって何もいいことはありません。
残業する場合は、
・今、残業しておけば今日の利益が上がる
・今日のうちにこれをやっておけば、明日大きな改善(品質、コスト、納期、安全面など)が期待できる
といった直近の成果が確定できるケースに限るべきと考えます。
そうはいっても残業しないは無理だろ・・・と思うケースもあるでしょう。
例えば、
半年先の新製品リリースに対して開発スケジュールが遅延しているから残業するしかない場合。
なんで遅れているのか?スケジュールに無理があったのか?スケジュール通りやれるように管理してなかったのか?
というのが重要で、残業してキャッチアップすればいいという考え方は会社にとっても自分にとっても良くないことだと認識しましょう。
次回の開発スケジュール、確保すべきリソースの精度を上げる活動につなげなければ生産性は上がりません。
とはいえ、現時点では先に進めないといけないでしょう。
残業しなくていいように、リソースが空いている人を投入して納期に間に合わせたり、そももそもの納期を遅らせるという方法もあります。
納期遅れが本当に機会損失につながるかどうかも検討の余地があります。
長時間労働は脳の働きを鈍らせると言います。重要な局面や安全面での判断を失敗して損失を被る可能性が高めます。
それは私も身をもって痛感しています。
判断力が鈍っている状態で活動を続けてまで守るべき納期かどうか
という観点も捨てないで欲しいのです。
上記のように考えられる人が多くなれば、残業(長時間労働)しなくていい組織になっていくでしょう。
「残業して当たり前」をなくすには、一人一人が定時間内で仕事を終わらせる意識が必要です。
経営者側もそうなるように導く必要があります。
定時間で仕事を終わらせることが習慣になると、マジメな人なら「定時間内で終わらせるにはどうすればいいか」という考えが働くので生産性がアップしていきます。
働く人の健全な生活、会社の健全な経済活動を行うために、「定時間内で仕事を終えて帰宅する」が最も大切だと考えます。
ちなみに僕の場合は、長時間残業すると体調を崩すようになってしまったので、自分の健康を優先して定時間内労働を継続しています。
もちろん、残業してでもやるべき時はメリハリ付けてやりますが、基本残業しなくていいように立ち回っています。
継続することで、生活リズムに身体が慣れて残業すると体調を崩すようになります(笑)
長時間残業が自分にとって大きなストレスになっていたことを身をもって実感できるでしょう。
定時間内で働くー つまり、『限られた時間で成果を出す』
この生産性への意識が高ければ、これ以降で述べる
・なんでも一人だけでやらない
・優先順位のパターンを決める
を効果的に実践していくことができるでしょう。
②一人だけでなんでもやろうとしない
非凡な専門技術や自己マネジメント能力を持っている一握りの人でない限り、たった一人で多くの金銭的利益を得ることは難しいでしょう。
多くの人は各自の得意分野を持ち寄って、リスク分散しながら利益の最大化を図るために集団(チーム)で行動していますよね。
それが会社・組織で経済活動を行う理由です。
集団の中では、頼まれたら断れない、あの人をラクにしてあげたいなどの動機で一人何役もこなす人が出てきます。
ありがとう助かったよ
あなたは何でもできてすごいね~
なんて言葉がうれしくて、「なんでもやります!」的な感じになっちゃう人も・・・
(私もそうでした)
もちろん感謝されて嬉しいという気持ちが働くモチベーションにもなります。
しかし、行き過ぎた何でも屋が組織にいると、
他の人のチャレンジの機会を奪い、個人及び組織全体の成長を妨げることにもなる
という面があることも知っておいてください。
さらに、自分のプライベートな時間や本来打ち込むべき仕事の時間を削ってしまうことになる場合も。
色んな人に頼りにされることは嬉しいことですが、自分のできる範囲のみとする意識は必ず持ってください。
優先すべきは自分がするべき仕事、自分の得意分野の仕事です。
もし、不意に何か頼まれた仕事があった時は、
・それは自分がやるべきことなのか
・他に得意な人、余裕がある人はいないか
を考えるようにしましょう。
余裕がない限りは本来の業務以外の仕事は断る、または適任な他の人に振るというのは立派な立ち回りです。
対応が冷たいなんて思うことはありません。
この立ち回りができない人は、自分の中で仕事の優先順位を付けたとしても、あとからドンドン仕事が入ってきて優先順位の組み換えが大変になります。
円滑な人間関係のために受けざるを得ない頼み事もあるでしょう。
それでも、冷たいと思われても自分がやるべき仕事にしっかりフォーカスして、誰もが認める成果を出すことにリソースを費やす方が、結果的に周りからの信頼を得られるのです。
もちろん、あからさまに冷たく断って不要な波風を立てる必要はありません。
あくまで物事をフラットに考えて、誰がやった方が効果的かつ効率的なのか、今自分にとってやるべきなのかを判断する。
ここで言いたかったことは、
餅は餅屋に頼む(自分より得意な人、専門の人に任せる)
ということです。
あなたはあなたの役割と得意分野の中で、しっかり勝負できるように心がけましょう。
③優先順位のパターンを決める
ここまでの内容を意識したうえで、ようやく「仕事の優先順位の付け方」について述べたいと思います。
僕も実践していますが、特に目新しい方法ではありません。
ビジネス書でもよく紹介される「重要性と緊急性の大小で4つのパターンに分ける」方法です。
やはり、客観的にみても仕事の優先順位は「重要性」と「緊急性」で判断するのが合理的と考えます。
組織にとって、重要性の高い仕事優先するのは当然のこと。
そして、それが緊急であればなおの事です。
「重要な仕事」とは何か?
自身や会社、顧客に与える信用・金銭・安全への損害が大きいものと考えるのが妥当でしょう。
顧客からの信用を失う、または社会的信用を失うと商売する相手がいなくなってしまい、経営は傾きます。
社内で大きなコスト損失を出しつつ経営していても経営が傾きます。
社内、または社外でヒトの命や健康にかかわるような状況を放置していれば、近い将来経営は傾くでしょう。
「緊急の仕事」ってどこからを緊急というのか?
仕事の手をいったん止めてでも、組織としてすぐに取り掛かる必要があるものと考えるとよいでしょう。
要するに、依頼が入った時点ですぐに手を打つ(自分で取り掛かる、または他の人にやってもらう指示をする)ような時間軸でやる仕事。
これらを踏まえて、私なりの優先順位の決め方と具体例をまとめてみました。
優先順位 | 目安 | 仕事内容 | 具体例 |
1 | 『重要で、緊急』 直ちに信用、コストに大きく影響する | ・組織の損失が大きいトラブル解決 ・顧客影響の大きい短納期案件 など | ・製品製造中の不良多発 ・トラブル対策や契約獲得のための顧客へのプレゼン など |
2 | 『重要で、緊急でない』 やらないと組織が進化しない | ・新規性が求められる業務 ・組織の長期的な課題解決 など | ・付加価値の高い新製品や新サービス開発 ・社内の各種仕組の見直し ・人材教育 など |
3 | 『重要でなく、緊急』 やり直しがきく | ・社内基幹システム上の手続き ・損失の少ない緊急案件 など | ・経費の精算処理 ・損害額が少ない不良対応 |
4 | 『重要でなく、緊急でない』 なんのためにやってるか多くの人が疑問に思っている | ・仕事の目的、成果の価値を誰も説明できない業務 | ・何年も使われていない設備のメンテナンス ・何年も誰も見ていない記録の整理 など |
■優先順位1位:重要で緊急な仕事
これに異論がある方は少ないのではないでしょうか。
■優先順位2位:重要だけど緊急ではない仕事
重要だけど緊急ではない(=やならなくてもなんとか回る)ということは、やったほうがいいけどやる時間がない、またはやり方を考える時間がないといったものが多いように思います。
クリエイティブな仕事や、新たな仕組みづくり、人材育成など、すぐに結果として表れにくいものが該当するかと。
ここにどれだけ時間を取れるかで、組織の将来の成長度合いが変わってくると考えています。
組織の成長のための時間を取らずに何年も放置していると、製品やサービスの競争力、変化に対応する柔軟性、人材レベルは低下する一方でしょう。
みんなが漠然と「こうなりたい」、「こうありたい」というイメージを言語化し、現実世界に具現化するのは簡単なことではありません。
だからこそ、この「重要だけど緊急ではない仕事」に割く多くの時間が必要なのです。
■優先順位3位:重要ではないけど、緊急な仕事
重要ではないということは、失敗しても大きなダメージを受ける確率が非常に低いと考えることができます。
とは言っても緊急を要するということは、とりあえず十分でなくても悪化しないように何らかの手を打っておけばいいということでしょう。
重要でないので失敗しても再チャレンジできることから、「ひとまず100点中50点でもいいからスパッと終わらせて自分の手から離してしまう」と割り切っていいと思いますよ。
殆どのケースで後々で大きな問題になる確率は極めて低いでしょう。
■優先順位4位:重要でもなく、緊急でもない仕事
それってもはや、やる意味あるの?
というような仕事が該当します。
そんな仕事あるわけないと思う方も多いでしょうが、案外どこにでもあるもんですよ。
探してみてください。
本人は一生懸命やってるつもりでも、その成果物が誰の目にも止まらない、無くても誰も困らない、何のためにやってるのか説明できない仕事って結構あるんです。
たとえその仕事に十分価値があったとしても「誰の目にも止まらず何にも活用されない」なら、その組織にとって不要なものと同じです。
成果物を活用できないのならやめてしまう、将来役立つ可能性があるのなら簡素化して極力時間をかけないという選択をすることで、多くの自由な時間を手にする可能性が出てきます。
これに関しては優先順位付けというよりも、業務整理すべきモノと言った方がいいかもしれませんね・・・。
さいごに
最後にこんなことを言うと怒られるかもしれませんが、正直なことを言うと仕事の優先順位の付け方は人それぞれでもいいと思うのです。
あの人の頼み事だけは優先的に対応する
自分がワクワクする仕事を優先する
こんな理由でも、自分の中で納得して充実した毎日を送れるならそれでもいいと思うんです。
重要なのは、
判断基準をあいまいにして全てを中途半端な状態にしないこと。
そして、ダラダラ残業せずに仕事もプライベートも充実させてストレスを溜めすぎないこと。
もし、自分の中で確固たる優先順位の付け方をもっていない方は、今回紹介した内容を試してみる価値はあると思っています。
物事の判断基準を明確にできるようになると、いろんなことサクサク進められて自分に自信が持てるようになれますよ!
おわり
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