- この記事を読んでほしい人
- ・ゲーミングノートとゲーミングデスクトップのグラフィックチップの違いを知りたい
・ゲームするならノートとデスクトップどっちがいいの?
今回の記事のテーマは、
ゲーミングノートPCとゲーミングデスクトップPCに搭載されているGPUの違い
についてです。
※GPU:Graphic Processor Unit(グラフィックプロセッサーユニット)
GPUで有名なのは、NVIDIA社の「GeForce RTXシリーズ」、AMD社の「Radeon RXシリーズ」ですね。
同じ品名のGPUでもノート用とデスクトップ用で性能が違うことはご存知でしょうか?
例えば、
「NVIDIA GeForce RTX3060」と言っても、ノートPC用RTX3060はデスクトップ用RTX3060よりグラフィック性能では劣るのです。
これ以降では、以下の3点をメインに話を進めていきたいと思います。
- ノート用とデスクトップ用のGPUの違いについて
- ゲーミングノートPCを選択する理由とは?
- ゲームガチ勢がゲーミングノート買うなら持っておきたい性能と機能
ゲーミングパソコンは、ノートPCだろうがデスクトップPCだろうが高価ですし、ある程度知識が必要なモノです。
どっちを買うにしても買って後悔しないための、満足できるゲームライフを送るための知識を増やしておきましょう!
ノート用とデスクトップ用のGPUの違いについて
ノート用とデスクトップ用のGPUで大きく異なる部分は以下の3点です。
- グラフィック処理性能
- 消費電力
- サイズ
ゲーミングノート用GPU | ゲーミングデスクトップ用GPU | |
---|---|---|
グラフィック処理性能 | 低い | 高い |
消費電力 | 少ない | 多い |
サイズ | 小さい | 大きい |
グラフィック処理性能の違いについて
GPUの性能は、コア数、クロック周波数、メモリ容量、メモリ帯域が大きく関わってきます。
・コア数が多いほど、たくさんの演算処理を同時に行うことができる
・クロック周波数が高いほど、速く演算できる
・メモリ容量が多いほど、すぐに取り出したいデータをたくさん保存できる
・メモリ帯域が大きいほど、メモリに出し入れするデータを速く転送することができる
これらの性能が高くなればなるほど、GPUで消費する電力はたくさん必要となり、GPUの物理的なサイズも大きくなるということです。
筐体サイズの大きいデスクトップPCは、ノートPCよりも冷却性能やサイズでの制約が少ない。
つまり、
デスクトップPC用のGPU(グラフィックスカード、グラフィックスボードとも呼ぶ)は、熱くなってもしっかり冷やせるし、スペースをあんまり気にしなくていいということ。
よってデスクトップ用のGPUは、性能重視で開発・設計できるのです。
逆に言えば、
筐体サイズが小さいノートPCは、デスクトップPCよりも冷却性能やサイズの制約が多く、パソコン自体の耐久性や安全性も重視した設計となっています。
そのため、GPU(CPUも)の低消費電力化をせざるを得ず、結果的に性能が劣ることになるのです。
消費電力の違いについて
ここでは代表的なNVIDIA社のGPU「GeForce RTXシリーズ」のデスクトップ用とノート用の性能と最大放熱量を比較します。
ベンチマーク:TimeSpy(DX12)(スコアが高いほど高性能)
TDP:最大放熱量(高いほど高パフォーマンス、高消費電力)
GPU名称 | 用途 | Time Spy(DX12) スコア | TDP |
GeForce RTX4080 | デスクトップ用 | 28056 | 320W |
GeForce RTX4080Laptop | ノート用 | 18696 | 60-150W |
GeForce RTX3080 | デスクトップ用 | 17692 | 320W |
GeForce RTX3080Laptop | ノート用 | 11758 | 80-150W |
GeForce RTX3070 | デスクトップ用 | 13789 | 220W |
GeForce RTX3070Laptop | ノート用 | 10463 | 80-125W |
GeForce RTX4060 | デスクトップ用 | 10665 | 115W |
GeForce RTX4060Laptop | ノート用 | 10434 | 35-115W |
GeForce RTX3060 | デスクトップ用 | 8867 | 170W |
GeForce RTX3060Laptop | ノート用 | 8261 | 60-115W |
GeForce RTX3050 | デスクトップ用 | 6278 | 130W |
GeForce RTX3050Laptop | ノート用 | 4839 | 35-85W |
同じGPU名称でもデスクトップ用とノート用では、ベンチマークスコアに大きな差があることがわかりますね。(イコール、性能の差がある)
性能が低いノートPC用GPUですが、その代わりに消費電力が低いので電気代はデスクトップより低く抑えることができます。
ノートPC用のGPUで気を付けていただきたいのですが、TDPが「60-115W」と記載されているように一定の範囲があることが分かります。
この理由は、
同じGPUを使っていても、GPUを搭載するノートPCメーカー側が最大グラフィックスパワーを機種ごとに設定できるようにしているためです。
例えば、同じRTX3060Laotopを搭載するノートPCでも
ドスパラの「ガレリア XL7C-R36H」は130W、
MSIの「GF75 Thin 10U」は75W
という具合に、機種によって出力できるパワーの制限があることを知っておく必要があります。
(ノートパソコンの耐久性や放熱設計に基づいてメーカー各社が設定する)
当然、
出力できるパワーが異なる=グラフィック性能に差が出る
ということです。
下の表に、NVIDIA GeForce RTX3060Laptopの最大グラフィックパワー別のベンチマークスコアを示します。
最大グラフィックパワー | Time Spy(DX12) スコア |
130W | 8302 |
115W | 8243 |
100W | 7550 |
75W | 7234 |
65W | 6450 |
引用元:the比較 【ノートPC版】PCゲーム ベンチマーク一覧表
最大グラフィックスパワーが高い(=消費電力が多い)ほど、スコアは高くなることが分かります。
パソコンメーカー側のカタログには最大グラフィックスパワーが記載されないことが多いので、注意が必要です。
すでに流通しているゲーミングノートPCでは、展示しているPCの設定を直接確認することができますし、インターネット上でのレビューや口コミで確認可能な場合が多いです。
しかし、
まったくの新製品だと、搭載しているGPUの最大グラフィックスパワーがどれくらいなのか買ってみるまで分からないということもありえます。
ある程度情報が出るまで待つか、店舗で現物の設定を確認したいですね。
GPUの性能をしっかり使い切るためにも、できれば最大グラフィックスパワーが高いものを選びたいところです。
サイズの違いについて
デスクトップPC用のグラフィックチップは、ノートPC用よりも高性能だが消費電力も大きい(=発熱量が高い)というモノになります。
デスクトップPC用のGPUは「グラフィックスカード」と呼ばれます。
グラフィックスカードは、GPUが実装された回路基板と放熱用部品(冷却ファンとヒートシンク)で構成されています。
デスクトップPCの場合、マザーボードにグラフィックスカードを接続するのが一般的です。
グラフィックスカード単体で1kg前後となるくらい、大きくて重い部品なのです。
一方のノートPCのサイズ感という制約の中で、こんな大きくて重いものは搭載できません。
一般的なゲーミングノートPCは、マザーボード上にGPUが実装され、小型の放熱部品(冷却ファンとヒートシンク)が組み立てられています。
ノートPCというカテゴリーにおけるGPUは、筐体サイズと重量の制約によって筐体の放熱能力の限界値がデスクトップPCよりも低いということです。
そのため、ゲーミングノートPCには専用の低消費電力GPUが実装され、限られた機能の放熱部品で構成されているってことですね。
ゲーミングノートPCを選択する理由とは
同じGPU名称でもノートPC用は、デスクトップPC用に性能では勝てません。
それでもゲーミングノートPCを選択するメリットはあります。
最大のメリットは「省スペース&持ち運びやすさ」
詳しくは過去記事にて説明していますので、興味のある方は見ていただければ。
ゲーミングノートPCを使用している筆者が言うのもなんですが、
グラフィック処理能力を最優先するならゲーミングデスクトップPCを強くオススメします。
ゲーミングノートを買うなら知っておきたい機能
ゲーミングノートPCは、性能的にはデスクトップPCには性能で劣るけど「携帯性」というメリットがあることは前述の通り。
それを承知の上でゲーミングノートPCを選ぶなら、予算の範囲内でできる限り性能の良いものを選びたいですよね。
できれば、GPU単体でグラフィック出力ができる「ディスクリートモード」への切り替え機能を搭載したモデルを選択したいところです。
消費電力は多くなりますが、少しでもGPUの使用率を少しでも上げてフレームレートを安定させたい場合に活用できます。
ディスクリートモードに切り替えられるノートPCは、ミドルクラスの一部~ハイエンドクラスのモデルに多く存在しています。(おおよそ20万円台以上のモデル)
購入の際には、ディスクリートモードの有無もチェックしましょう。
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おわり
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