- この記事を読んでほしい人
- ・品質保証部門って本当に必要なのか疑問だ
・品質保証部門は不要だと思うけど、何のために存在してるの?
・品質保証部門となるべく関わりたくない!
製造業やサービス業などで規模が大きな企業ほど、社内に品質保証部門を持っているところが多いと思います。
品質保証部門と言えば、
・現場の苦労や技術的な知識なんてないくせに、ルールだ基準だとクチうるさい
・パトロールだの監査だのでイチイチ細かい指摘をしてくる
・不具合レポートで細かいところまで修正させられる
など、他の部門からしたら「鬱陶しい存在」と思う部門です。
品質保証についてネット上でGoogle検索すると、
「品質保証部 不要」 Google検索 2,730万件ヒット
「品質保証部 嫌われる」Google検索 622万件ヒット
「品質保証部 無能」 Google検索 27万件ヒット
「品質保証部 うざい」 Google検索 27万件ヒット
といった予測検索キーワードが表示されています。(悲しい・・・)
このことから品質保証部門は、品質保証部門で働く人自身も含めて多くの人にとって
常に存在意義が問われている組織
とも言えます。
僕は、製造業(情報機器メーカー)の品質保証部門で現時点含めて10年以上働き続けています。
たしかに、社内で働いていると多くの人からリスペクトを受けているような感じはしません。
私自身の業務の仕方がまずかったのかもしれませんし、もともとそのような組織風土なのかもしれません。
今回の記事では、「品質保証部門で働く」僕が思う
・品質保証部門は不要なのか必要なのか
・品質保証部門と関わりたくない人はどうすればいいのか
について述べたいと思います。
過去の記事でも幾度か触れてきましたが、僕の考えは
・究極的には品質保証部門は不要!
・品証部門と関わりたくない人は、品質保証部門以上に品質改善とルール順守を自律してやりなさい!
というものです。
今回は、「品質保証部不要論」について少し掘り下げてみたいと思います。
おさらい:品質保証部門の役割とは?
過去記事でも何度か述べていますが品質保証部門の役割は、
自社の製品やサービスの品質が確かなものであると請け合う(保証する)こと
設計部門や製造・サービス部門に代わって、お客様に対して品質の責任を負うということです。
たとえば、
・「誰か」が金融機関から借金をするときであれば、その保証人
・「誰か」がアパート借りるときの契約書に書く保証人
つまり、
「誰か」に対して、お金を貸すに値する人物であるか、住居を貸与するに値する人物であるかを第三者が責任を負って表明する
と同じこと。
上記の場合、支払いが滞ったり、住居の使用状況に問題があった時に、「誰か」が誠意ある対応を見せなかった場合に、保証人がその責任を負うことになります。
製造業の品質保証部は、
設計部門や製造部門を通して提供した製品やサービスの品質問題に対して、品質保証部門が責任を負うことになるのです。
製品やサービスの品質がお客様にとって確かなものであることを「第三者」として保証するために、品質保証部門は自社内のプロセスをチェックしているということですね。
チェックされる側は鬱陶しいかもしれませんが、何もチェックしていないのにお客様に対して品質の責任を負っているほうがイヤじゃないですか?
「何もチェックしてない=品証部門の仕事をしてない」ので、給料ドロボーですよ。
またまたたとえ話ですが、
あなたに子どもがいたとしましょう。
あなたの子どもが「○○くんにいじめられてて学校に行きたくない!」となり、
学校で双方の親(=子どもの保護責任者)と会話するとなった時に、
相手の親が開口一番「ウチの子に限ってそんなことするわけがありませんっ!」
って言われて、あなたは「ですよねぇ~」って言いませんよね?
あなただったら
「お前の子からちゃんと話を聞いたのか」
「他の子にも状況をヒアリングしたのか」
「現場を見てもないのに、なぜ否定できるんだ」
って思いませんか?
責任を負うからには、そのために「やらねばならぬこと」があるわけですよね。
鬱陶しいと思うでしょうが、お客様先で何か問題があった時に一緒に謝って、次に問題が起こらないように責任をとるのが品質保証部門なのです。
品質保証部門は必要なのか不要なのか
冒頭での述べたように、僕は「究極的には品質保証部門は不要」という考えです。
理由はカンタンで、
第三者に保証してもらわなくても相手に対して十分な信用をもらえるなら、自分で保証した方がいい
というものです。
開発部門なら開発部門、製造部門なら製造部門自体が、品質に対するお客様からの信頼を得られるのであれば、余分な部門はいらないですよね?
・効率的な人員配置が可能
・人件費や管理費の抑制
つまり、コスト低減につながります。
会社にとっては良いことづくめですし、お客様からの信頼が失われるわけでもありません。
とは言っても、品質保証部門を完全になくすことができない企業が多いということは、各部門が自律して品質を保証することが難しいということなのでしょう。
なので、「究極的には」品質保証部門は不要という主張です。
実際の現場では、組織間の利害や方針が一致しないことは多くあります。
「速い」を良しとする
「正確」を良しとする
「安い」を良しとする
など思惑は人(部門)それぞれ。
そんな組織単体のみで、会社としての品質保証が困難なのは想像しやすいですよね。
会社的に「品質第一」を掲げながらも品質保証部門が組織として存在しているということは、
第三者からの監視がないと品質を保証できない
という現れそのものじゃないでしょうか。
つまり、経営層からすると「無くしたくても無くせない」のです。
品証部門と関わりたくない人は、しっかり自分で品質保証しましょう
他人からあれやこれやクチうるさく言われることは、たとえ正しいことだとしても煩わしくなりますよね。
品証部門となるべく関わりたくない人は、
クチうるさく言われないように品証部門以上に品質を担保できるようになればいい
だけです。
- 未然防止、再発防止のルーティーンがあり、部門内の誰もがルール通り実行できる
- 確率、統計データでもっともらしく根拠を示せる
- 自部門のプロセスやアウトプットの状況を管理できている
- 不安な要素は隠さない、実験や施策で検証する
- 失敗したときは、誠意をもって謝罪し、次に活かす
- 次世代に思想をしっかり繋いでいける
といった世間の間では当たり前っぽく聞こえることが品証部門なしでできるのであれば、品証部門がクチをはさむ要素が無くなるからです。
品質保証部門の人間も、そうであってほしいと願っているのではないでしょうか?
好き好んで他人に嫌がられたくないですし。
会社から品証部門を無くす勢いで自律品質保証やってみると、経営者も喜ぶと思いますよ!
(当然、最初は個人間や部門間で衝突は起こるでしょう)
まとめ
品質保証部門は究極的には不要です。
無くても品質が担保できるなら、余計な人件費を価値を生む部門に回せます。
品質保証部門と関わりたくない人へ。
彼らの存在意義が無くなるように自らが品質を保証できるようになれば、経営者も大喜びです。
是非、あなたの会社から品質保証部が無くなってもいいような取り組みを行ってください。
品質保証部門で働く僕も、そんな風土にしたいと思っています。
おわり
コメント