- この記事を読んでほしい人
- ・自分の仕事は激務なのか?どこから激務なのかを把握したい
・激務に耐えられない人は弱いのか?
・激務から抜け出すために意識すべきことは?
筆者である僕は、現在進行形で20年以上の社会人生活を送っております。
これまで働いてお金を稼ぐという活動の中で、
月100時間以上の残業も多く経験してきました
徹夜での仕事も何度も経験してきました
このような経験も、心のどこかで僕自身の武勇伝のように思っていた時もありました。
(今となっては、非効率・不健康極まりない働き方だったと思っています)
しかし、こんな調子で生活していたらメンタル疾患で休職することに。
僕が40代に差し掛かる時でした。
結果的には、
こんな働き方を延々と続けられる強靭な肉体と精神を僕は持っていなかったし、非効率に働いて自分を痛めつけた働き方だったということが教訓として残りました。
そして、自分を痛めつけたダメージは今現在も残り続けています。
僕の働き方は激務だったと言えるのでしょうか…。
「激務」と「激務でない」の境界線に明確な定義はなく、あいまいです。
あいまいであるがゆえに、自分の状況が激務と認識できないまま身体を壊してしまう人が後を絶たないのでしょう。
激務と気づくのに遅れて体を壊してしまうと回復に長期間かかったり、最悪は回復できない深刻な状況になったりする恐れがあります。
そんな事態を予防するためには、まず何が激務なのかを知らなければ話になりません。
今回の記事では、僕の痛い思いをした経験を基に
- 仕事でいうところの激務とは何なのか?どこからが激務なのか?
- 激務に耐えられない人は弱い人間なのか?
- 激務と呼ばれる状況から抜け出すには?
以上の3つについて持論を述べてみたいと思います。
健康的な社会人ライフを送るための参考になれば幸いです!
どこから「激務」なのかを定義してみる
まず、「激務」という言葉はどんな意味なのかを調べてみましょう。
げき‐む【激務/劇務】
引用元:goo辞書
非常に忙しいつとめ。「―に倒れる」
う~ん・・・まあ、その通りですけど、「じゃあ具体的に何なの?」と思いますよね…。
厚生労働省が示す「残業時間が月平均80時間以上」という過労死ラインは広く知られています。
これを激務のラインのとするのもアリだと思いますが、労働時間だけでビシッとラインを引いてしまうのはちょっと思慮が足りない気がします。
僕が考える「激務」か「激務でないか」の一般的なラインは、
心身の健康に大きな影響(入院や最悪命を落とす)を及ぼす労働かどうか
心身の健康への影響とは、
・うつ病などのメンタル疾患
・長期通院や入院が必要な身体的疾患
です。
ただ、これだと心身に大きな影響が出てからでないと分からない人もいますよね…。
心身に大きな影響が出る前に気づけるようにするため、「激務」の感覚をつかめるようにしてみましょう。
心身の健康に大きな影響を及ぼす労働って何なのか?
長時間労働だけなのでしょうか?
パワハラ、セクハラなどのハラスメントが常態化している環境での労働
周りから自分の存在を否定されるような言動を受け続けながらの労働
自分の能力や特性から大きくかけ離れた不適材不適所での労働
なども激務と言っていいでしょう。
その根拠は?データはあるのか?
根拠があろうがなかろうが、どっちでもいいじゃないですか。
仕事の影響で心身に不調が出ているのであれば、その人にとっては激務確定。
同じ環境で働いているにも関わらず、心身への影響がほぼない人にとっては激務ではない。
冒頭に辞書から引用した激務の意味「非常に忙しいつとめ」とは、時間的・肉体的な忙しさはもちろんのこと、精神的ストレスに対する自己防衛反応のココロの忙しさも含むと考えて、
激務 = ココロとカラダに余裕がない状態で継続するつとめ(回復するためのインターバルが短い)
とすると激務のラインを自分で引きやすくなりませんか?
激務のラインをこのように考えた時に、
激務か激務でないかは「個人の特性と、業務内容・人間関係等を含む環境のマッチング」によって変化するものと気づくことができます。
育ってきた環境による物事の受け止め方、その人の得意不得意、身体的能力、普段の生活リズムによって激務になり得るし、そうでないこともあり得る。
当たり前っちゃあ当たり前ですよね。
つまり激務と引き起こす原因は、
- 個人の肉体的および精神的ストレス耐性と、業務内容・人間関係等を含む労働環境のアンマッチ
ということになるのです。
激務に耐えられない人は弱いのか?
前の項でも述べた、
- 仕事の影響で心身に大きな不調が出ているのであれば、その人にとっては激務確定
- 同じ環境で働いているにも関わらず、心身への影響がほぼない人にとっては激務ではない
の2者うち、後者の立場の人から前者を見ると「根性がないなぁ」とか、「鍛え方が足りないんじゃない?」と思うでしょう。
つまり後者の人としては、前者の人を「精神的にも肉体的にも弱いんじゃない?」と思う可能性が高いということ。
しかし、これも前項で述べたように激務を引き起こす原因が
- 個人の肉体的および精神的ストレス耐性と、業務内容・人間関係等を含む労働環境のアンマッチ
と考えた場合、その人が強いとか弱いという議論ではなく、単純に「労働環境のアンマッチ」という状態なだけとなります。
強い、弱いと自分の中で断定するのは自由ですが、
「あいつは弱い人間だなぁ」って言ってても、「自分は弱い人間だ…」と思ってばっかりでも、
どっちもプラスになることはないんじゃないでしょうか?
私とあなたの違いは、
背格好の違い
知識量の違い
物事の捉え方の違い
得意不得意の分野の違い
そういった「個々の特性」の違いなだけです。
強いとか弱いとか考えて感情の起伏を激しくするよりは、「あの人にはマッチしてて、あの人にはマッチしない仕事なんだな」と思う方が対処法が見えてきやすいと思いませんか?
激務から抜け出すにはどうすればいいか?
激務から抜け出すためにはどうしたらいいでしょうか?
激務の原因である「労働環境のアンマッチ」を解消すればよいと考えます。
以下のようなパラメーターを変化させていって、個人と労働環境がある程度マッチする状態(条件)を見つけ出すということです。(「アジャストする」とでも言ったらカッコイイですかね?)
- 個人特性のパラメーター例
- ・筋力、持久力
→筋トレ、ランニングなどで強化
・技術力
→繰り返しの練習、実践で習得
・専門知識
→読書、セミナー参加、スクール参加など
・物事の捉え方(思考のクセ)
→セルフマインドコントロールを学ぶなど - 労働環境のパラメーター例
- ・道具(PCや事務用品、机など)
→変えてみる
・場所の環境(照度、粉塵、スペース、音など)
→変えるてみる、グッズで緩和する
・組織内の役割
→代えてもらう、役割を辞める
・業務内容
→変えてもらう、不要なものを減らす
・人間関係
→断ち切る、部署移動
・部署
→異動を申請する
・会社
→転職する、出向する
・職種
→転職する、出向する
・業界
→転職する
個人の特性パラメーターを変えて対処するということは、自分自身を労働環境に順応させようとする行為です。
働く側にとっても雇う側にとってもポジティブなアプローチだと思いますが、明日からすぐ順応できるわけにはいきません。
長い月日をかけての努力の積み重ねが必要です。
もちろん、
努力は無駄にならないので可能な範囲で努力するのはいいですが、「激務に耐えながらの長期間努力を続けることで体を壊してしまうリスク」も織り込んで、どこまでできるか見通しを立てるようにしましょう。
少なくとも睡眠時間を大きく削らないといけないくらいの努力が必要なら、労働環境のパラメーターを変えた方がいいと思います。
次に、労働環境のパラメーターを変えるということについてです。
やろうと思えばすぐにできるし、すぐに変化が期待できるものが多いのが特徴。
ただし、組織の中で働いているのであれば簡単に自分の主張が受け入れられないケースもあります。
また、異動や転職などは人生を左右させるほどの変化なので、なかなか決断しにくいのもありますよね・・・。
カンタンにできる項目で対処できそうならどんどんやってみるといいと思います。
ただし、異動や転職などを考えるときは、
自分のどんな特性と、労働環境の何がアンマッチであるかをしっかり認識してみてはいかがでしょうか?
単純に「異動したい!」だけでは、なかなか願いは通らないでしょう。
単純に「転職したい!」だけでは、転職した先でもアンマッチが発生するかもしれません。
自分の○○という特性が、△△という業務内容や役割、職場環境にマッチしないため、自分の能力を十分発揮できない!
こういうマッチングができれば、自分の能力をもっと発揮できて、自分も組織もハッピーになれる!
というところまでイメージできているなら、異動の交渉や転職への行動を起こしていいんじゃないでしょうか。
転職を進めていく方向であれば、在職しながら無料で登録可能な転職エージェントを活用し、ベストマッチングとなる確率を上げることをオススメします。
さいごに
ポイントのおさらい
・激務のラインは、心身の健康に大きな影響(入院や最悪命を落とす)を及ぼす労働かどうか
・激務とは、ココロとカラダに余裕がない状態で継続するつとめ
・激務を引き起こす原因は、個人の肉体的および精神的ストレス耐性と、業務内容・人間関係等を含む労働環境のアンマッチ
だから、強いとか弱いとか言っててもしゃーない。
激務から抜け出すには、個人の特性または労働環境のパラメーターを変えてアンマッチをなくしていく
以上のようにまとめてみましたが、この記事で言いたいことは、
自分が置かれている環境を感情的に考えるだけではなく、第三者視点での客観的思考を取り入れると解決の糸口が見えてくる可能性が高くなる
ということです。
自分の状況を第三者視点で考えてみるための入り口として、激務のラインを定義してみたにすぎません。
ぶっちゃけて言うと、激務かどうかなんて当事者が感じるままで決めたらいいと思います。
問題は、『今の状況を踏まえて自分は今後どうしたいか、どういう人生でありたいか』
自分の能力と心身の状態、労働環境のマッチングを冷静に考えれば今後やるべきことが見えてきます。
あとは
やるか、やらないか
だけです。
おわり
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