この記事は、大人気オンラインゲーム「フォートナイト」にハマった我が家の小学生の息子と、その親が息子とどう接してきたかを語る体験記です。
フォートナイトに限らず、昨今はゲームに執着しすぎて家庭内トラブルになっているケースをよく聞きます。
我が家も同じような悩みを抱えながら、それでも子どもの好きなことはできるだけやらせてあげたい気持ちで接してきたつもりです。
※誤解の無いように言っておきますが、私もフォートナイト含めゲームは大好きです。
我が家がフォートナイトに初めて出会った時~現在に至るまでの経緯は過去記事を参照ください。
それぞれのご家庭で状況は様々だと思いますが、ゲーム依存のお子さんへの接し課方に悩んでいる方へ「ある一つの家庭の具体例」として参考になれば。
今回の記事では、Vol.1の投稿から2年以上が経過した現時点の我が家の状況を述べています。
昔の息子は、
ごはんの時間、寝る時間も忘れてゲームに熱中して怒られ、
家に閉じこもりっきり、友達と遊ぶこともほぼなく親は心配し、
ゲームでうまくいかなければ他人やモノに八つ当たりして暴れまくり、
ゲームに批判的な母ちゃんとよく取っ組み合いをしていました・・・
そして現時点は、
- 本記事投稿時点の「ゲームと息子と我が家」
- ・息子(12歳)はフォートナイトに真剣に取り組み、改善を繰り返して腕前を上げている
同学年の友達から一目置かれ、友達がプレイぶりを見学しにくるようになりました。
・学校は毎日行ってるし、宿題もキッチリやっている
ゲームだけやっていては、将来の選択肢が少なくなることを理解しているようです。
・友達と外で体を動かす遊びも必要と自ら意識して出かけている
心身のリフレッシュの大切さをつかんだようです。
・ゲームで親子ゲンカになる回数は大幅に減りました
キリが悪い時にごはんの時間や寝る時間がズレるので、そこが残課題。。
まあ、そこは大人だって一緒なので大目に見てます。
こんなの当たり前にやってる子もいるでしょうけど、一時の我が家の状況に比べると大きな進歩ですよ。
今の息子は、ゲーム(フォートナイト)を通じて自分に自信を持てているんじゃないかと。
その自信が、学校生活や家での生活にもプラスの影響を与えているんじゃないかとさえ思えます。
さて、ようやく今回の記事の本題です。
今の状況に至ったのは、息子自身の性格や年齢的な成長によるところもあると思います。
そんな中でも、親である僕自身も試行錯誤してきました。
これ以降では、前回の記事で宣言したように親として息子をサポートしてきた具体的内容を共有します。
今回お伝えする内容は以下の5つです。
- ゲーム機器をある程度納得できるレベルのものを揃える
- 一緒にプロゲーマーやゲーム配信者系の動画を見る
- レベルを上げるための改善点や良かった点を一緒に話し合う
- ゲーム関連のイベントがあれば、一緒に足を運んで参加する
- うまくいかない時に子どもが暴れても、無理やり抑え込まない
以降で詳しく説明していきます。
ゲーム機器をある程度納得できるレベルのものを揃える
結論から言うと、僕がメインで使っていたゲーミングノートパソコンを息子に譲りました。
息子がプレイしているフォートナイトというゲームは、いろんな機器でプレイすることができます。
・モバイル(スマホ、タブレット)
・Nintendo Switch
・Play Station
・パソコン
日本だと、多くの子どもたちはNintendo Switch版のフォートナイトから始めるケースが殆どじゃないでしょうか?(我が家もそうでした)
フォートナイトのバトルロイヤルマッチングシステムは、機器の垣根を越えてすべての機器のプレイヤーが同じマッチで戦う仕組みです。(クロスプレイマッチングシステム)
しかし、残念ながら機器の性能の差で勝負の優劣が発生するのが現実です。
結論から言うと、高性能なゲーム用パソコン(ゲーミングPC)でプレイする人が圧倒的有利になります。
多くの子どもたちは、プロゲーマーやYoutuberが使っているゲーミングPCに憧れて、
ゲーミングPC買って!
とせがんでいることでしょう。。。
我が家では、僕のお古の低スペックのゲーミングPC(それでもSwitchより高性能)を譲りましたが、やはり人間は欲深いものです。
こんな低スペックPCじゃなくて、高スペックのPC買ってや!
となりました。
裕福とは言えない我が家では、20万円以上するパソコンを小学生に買い与えるのも相当な覚悟が必要です。
しかし、息子の不満は募るばかり。
たしかに予想外に実力を伸ばしていた息子に、パソコンのスペックが追いついていません。
悩んだ挙句、僕がこっそり夜にフォートナイトを楽しんでいた自分用のミドルスペックのゲーミングノートPCを譲ることにしました。
正直に言えば、この時点で息子の実力は圧倒的に僕より上だったので、息子に譲った方がいいんだろうなと思っていました。
まあ、さらに上の性能を持ったパソコンを見ればキリがないですが、ゲームだけを考えれば十分な性能のパソコン(約20万円)を息子は手に入れたわけです。
プロが使うレベルのパソコンは、もろもろ40万円を超えます。
さすがに息子も「それは自分で稼げるようになってからでいい」というレベル。
「ほんとは父ちゃんが使いたいけど、ガマンするから今はとにかく修行にはげめ!」
ということで、ゲーム機についてはその辺の同年代の中では平均以上になり、納得してもらっています。
さらに、息子自身が欲しいキーボードやマウスなどを調べ、お年玉で買うなどして自分に必要なものを揃えています。
自分が欲しいと思うモノを自分で調べて、自分の意志で購入し、金銭感覚を学んでください(笑)
パソコン代は習い事の授業料、先行投資だと思って父ちゃんも割り切ります。(まあ、ゲームに使わなくなったら仕事にでも使えますし…)
一緒にプロゲーマーやゲーム配信者系の動画を見る
僕自身がフォートナイトにハマっていたので、腕を上げるためにプロゲーマーのYoutbeライブ配信や解説系動画をよく見ていました。
そのおかげもあり、動画視聴は息子と共通の話題で盛り上がれます。
フォートナイトの大会のライブ配信、プロプレイヤーがどんな生活をしてどんな練習をしているかというコンテンツを一緒に視聴することで、強くなるために必要なものを親子で意識を合わせることができています。
もし、本当にフォートナイトを真剣にやった場合に、目指すべき人や目標となる大会や残すべき実績というものが理解できました。
子どもが今、どんなプレイで何を目指しているのか、向かう先にどんなものがあるのか等を親としても把握しておくことは、子ども自身の成長の助けになるような気がしています。
逆に、「あまりお手本にすべきではない言動」も多くの動画があります。
半面教師の実例として教育できるので、ゲームを通じたオンライン社会見学と思って一緒に楽しむのもアリなんじゃないでしょうか。
プレイ内容の改善点や良かった点を一緒に話し合う
息子のプレイを横で一緒に見て、うまくいった時やうまくいかなかった時の状況を話し合うようにしています。
何が良かったから相手を倒すことができたのか?
何が悪かったから負けてしまったのか?
子どもは具体的に理由を挙げられないことが多いでしょう。
そこで、大人である僕がしっかりと具体的な解説やアドバイスを送ってあげるようにしています。
そうすることで「あ、今のプレイは良かったんだな」とか「今のはこうだったから負ける確率が増えるのか」ということを学んでいけると考えたからです。
語彙力も身に付くし、物事を具体的に説明できる言語化能力の育成にもいいんじゃないかと。
もちろんダメ出しが多いとケンカになりやすくなるので「褒め8:ダメ出し2」くらいの割合で調整しています(笑)
ゲーム関連のイベントがあれば、一緒に足を運んで参加する
最近では、全国各地でeスポーツのイベントが開催されているようです。
今まで気にしたこともなかったですが、僕の住む街でもちょいちょいeスポーツ関連の団体によるイベントがあることを知りました。
イベント会場を貸し切って、
・ゲーム大会(フォートナイトやスマブラなど)
・高校eスポーツ部の活動発表会
・ゲーミングパソコン展示会
・ゲーム依存に関する専門家の意見交換会
などの催しがあるのです。
これはいい機会だと思い、息子を誘って参加してみました。
ゲームの中だけ、家の中だけ、インターネットの中だけ、学校の中の世界だけでなく、リアルな世界を体験してもらういいキッカケになればと。
普段、外のイベントに参加したがらない息子も、イベント会場でフォートナイト大会があるということで興味を持って参加してくれました。
・どんな人が、どんな感じでプレイし、勝ち負けに対してどんな反応を示しているのか?
・自分のプレイが、他の年代の人と比べてどの辺のレベルにあるのか?
・自分のプレイに、見ず知らずの人がどんな反応を示すのか?
これらをリアルな世界で自分の目で、肌で感じられたのは本当に良かったと思います。
大学生くらいのお兄さんや、大人のお兄さんに
「キミ、めっちゃうまいねぇ!俺より強いんじゃない?」
「めっちゃ視点移動が滑らかでスゲーな!」
と声をかけていただいて照れてみたり、他のお兄さんたちとゲームについて楽しそうに会話している息子は輝いて見えました(泣)
自分と同じ趣味を持ち、真剣に趣味に向き合っている様々な世代との対面のコミュニケーションも「精神的な成長や自己肯定感」を得るためには大切だと思わされた瞬間でした。
さらに、
eスポーツ部の高校生のお兄さんやお姉さんが、真剣に部活動としてゲームに向き合っている姿を直に垣間見ることができたというのも良かった。
息子自身が、自分の将来を少しでも具体的にイメージできる機会になったんじゃないかなと。
これをキッカケに、その後の息子の振る舞いが変わったと言っても過言ではないかもしれません。
うまくいかない時に子どもが暴れても、無理やり抑え込まない
今でもたまに息子は、ゲーム中に敵に負けてしまった時、大会で負けてしまった時にどうしても感情を露わにして怒りをぶちまけることがあります。
パソコンのスペックが悪い
インターネット回線の悪い
仲間のプレイが悪い
自分以外の何かに対して八つ当たりをするような感じです。
すでに述べましたが、普通に考えれば息子自身の対応の甘さや実力の無さを真摯に受け止めて、次のプレイに活かすべき。
親子でゲームに真剣に取り組み始めた当初は、僕も正論を振りかざして息子と口論になることが多々ありました。
そりゃあ僕だって
「なんでこんなゴミPC買ったんだよ!」
とか、
「こんなゴミ回線さっさと変えろ!」
なんて言葉を浴びせられるとムカッとなりますよ・・・。
しかし、
カッとなっている相手にはどんなに正論を言っても聞いてもらえません
ましてや、相手は子ども。
自分の実力の無さは分かっちゃいるけど、他人にイチイチ言われたくない反抗心もあるし、悔しい思いをうまく処理する方法を身につけていません。
一時的に、息子からパソコンを取り上げても何の解決にもなりませんでした。
無理矢理チカラで抑え込んでも余計に反発を招き、本人も周りも誰も得をしない状況に・・・。
息子と何度か衝突するうちに、
一方的に「正論」で論破しようとするのは正解ではないな
と思うようになりました。
結局のところ、物事がうまくいかなくてライラすることがあっても、自分で自分をコントロールできるようになるしかないのです。
今では子どもが感情的になった時、僕はガマンして息子に言いたいことを言わせ、感情が落ち着いたときになるべく柔らかく話しかけるようにしています。
ゲームから離れて落ち着けば、冷静に会話することができます。
なあ、さっきのアレ。
あんな八つ当たりして何かいいことあった?
ない。
自分の実力の問題もあるけど、
ゲーム環境も良くないのは事実だもん。
まあ、それはそうだなぁ。
でもさ、プロと同じ環境(機材や高速インターネット回線)を手に入れたって、
それだけで誰にも負けなくなるわけじゃないよね?
そんなことは分かっとる。
でも、負けたら悔しいもん。それだけ真剣にやっとるってことだよ。
大声出したり、モノに当たったりしても強くはならんのじゃないかな?
真剣にやってるなら、こういう時どうしたらいいと思う?
もっと・・・、メンタルが強くならんとな。
今の環境でできることをやるしかないと思う。
オレもそう思うよ。
まあ、悔しい気持ちや何かにイライラぶつけたい気持ちは分かるで。
でも、八つ当たりは誰も得しないからさ、今は自分の腕を磨くことに集中しよう!
うん。
大人だってそうですが、一回言っただけで劇的に変わるものではありません。
「子どもの成長を信じる気持ち」と「忍耐力」で、何度も同じような対話を繰り返した結果、少しずつ悔しい感情をコントロールできるようになってきました。
やり場に困っている「子どものネガティブな感情」をまずは親が受け止め、子ども自身が成長できるように処理していく。
今後も成長とともに新たな衝突が出てくると思いますが、しっかり受け止めて導いていくこと忘れないようにしたいです。
そのためには親である僕自身が、子どもの感情の起伏を受け止めるココロの余裕を持つことも大切だなと。。。
つまり、
大人自身も自分をしっかりコントロールしなきゃ
ということです。
さいごに
なんかもう、スポーツの習い事に熱中する親と同じような感じですね(笑)
やりすぎなんじゃないの?と自分でも思います。。。(僕も好きだからできるんですけどね)
でも、
ここまで親が干渉したからこそ、自然と子どもの方から「もう大丈夫だよ」と言わんばかりに親から離れて自立しつつあるようにも感じています。
(放っておいても年齢とともにそうなっていくのかもしれませんが…)
金銭的な事情やゲームの知識の有無、ゲームに対する価値観によって、すべての家庭ですべて同じようにすることは難しいと思います。
それでもお子さんが今本気でゲームを楽しんでいるなら、できる範囲で大人がサポートしてあげるのも一つの手でしょう。
ここ数年でゲームは「eスポーツ」として認知が広まっています。
今後は大人が子どものゲームプレイをしっかりサポートする体制が整っていくんじゃないでしょうか。
しっかりサポートした結果、
満足して飽きたら別の楽しいものに心が移り、いろんなジャンルを経験して学んでいく子もいる。
飽きずに一つのジャンルを深く追求しながら、その過程でいろんなことを学んでいく子もいる。
どちらでもいいんじゃないでしょうか。
どちらにしたって、親のサポートがムダになることは無いと信じています。
大切にしたいのは、
一方的に子どもの言動を制限して親子の信頼関係を崩さないこと
ゲームだろうがスポーツだろうが、勉強だろうが同じことなんじゃないかなと思う次第です。
その後の行く末について機会があれば、改めて記事にしたいと思います。
おわり
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